くせ毛と刈り上げの最適解|その癖、抑える?活かす?髪質を味方につける髪型選び
湿気が多い日は、朝どんなにセットしても思い通りにいかない。汗をかくと、サイドや襟足がうねってスタイルが崩れてしまう。
「くせ毛」は、多くの男性にとって、長年の付き合いとなる悩みの種です。
しかし、その扱いにくい“じゃじゃ馬”のような髪質は、プロの手にかかれば、直毛では決して表現できない、柔らかな動きと立体感を生む「最高の個性」に変わることをご存知でしょうか。
この記事では、あなたがくせ毛と和解し、それを最強の武器に変えるための、具体的な戦略を解説します。
スタイルの基本とバリエーション紹介
くせ毛に対するアプローチは、大きく分けて二つ。
あなたの悩みの原因となっている部分を刈り上げて悩みを根本から「抑える」戦略と、くせをパーマのような自然な動きとして「活かす」戦略です。
- くせ毛をコントロールする代表スタイル
- 【抑える戦略】うねる部分を刈り上げる『ツーブロック』
最も効果的で、多くのくせ毛の方が取り入れているスタイルです。広がりやすいサイドや、扱いにくい襟足を刈り上げることで、悩みの種を物理的に無くし、日々のスタイリングを劇的に楽にします。 - 【抑える戦略】癖が出る前に刈り込む『ベリーショート』
フェードスタイルなど、髪がうねる前に刈り込んでしまう、潔さが魅力のスタイルです。どんなに強い癖でも、このスタイルなら関係ありません。手入れの楽さも大きなメリットです。 - 【活かす戦略】癖をパーマ風に見せる『ショートマッシュ』
トップの髪に残したくせを、まるでパーマをかけたような自然な動きとして活かす、お洒落なスタイルです。刈り上げた部分との質感の対比で、よりデザイン性が際立ちます。 - 【活かす戦略】ボリュームを活かす『長めのパーマ風スタイル』
くせによるボリュームを、抑えるのではなく、トップの立体感として積極的に活かす上級者向けのスタイルです。サイドはすっきりと刈り上げることで、全体のバランスが整い、だらしない印象になりません。
- 【抑える戦略】うねる部分を刈り上げる『ツーブロック』
自分に似合うスタイルの選び方
「抑える」べきか、「活かす」べきか。
それは、ご自身の「くせの強さ」と「なりたいイメージ」を天秤にかけて判断するのが良いでしょう。
- あなたに最適な戦略を見つけるヒント
- くせが弱い〜中程度の方
「活かす」戦略がおすすめです。あなたのくせは、スタイリングの際に柔らかなニュアンスを与えてくれる、素晴らしい長所となります。 - くせが非常に強い、またはチリチリする髪質の方
まずは「抑える」戦略から始めるのが確実です。無理に活かそうとせず、ツーブロックなどで扱いやすくすることから始め、自分の髪質との付き合い方を覚えていきましょう。縮毛矯正と刈り上げを組み合わせるのも有効な選択肢です。 - 自分の「癖の性質」を正確に伝える
カウンセリングの際に、「湿気が多いと全体が広がる」「片方のサイドだけ外にハネる」など、ご自身の癖の特徴をできるだけ具体的に伝えることが、最適なスタイルを見つけるための最も重要な第一歩です。
- くせが弱い〜中程度の方
スタイリングやメンテナンスのコツ
くせ毛を上手にコントロールする鍵は、スタイリング剤に含まれる「水分」と「油分」です。
目的に合わせて使い分けましょう。
- 日々のスタイリングとケア
- 癖を「抑える」なら、水分と油分が豊富なものを
くせ毛は乾燥すると広がりやすいため、水分と油分で髪をコーティングすることが重要です。少しウェットな質感になるジェルやグリース、ヘアオイルなどが、癖を抑え、一日中まとまりのあるスタイルをキープしてくれます。 - 癖を「活かす」なら、軽さと束感を意識して
パーマのような質感を活かすには、軽めのファイバーワックスやヘアバームがおすすめです。手のひらに伸ばし、髪を優しく揉み込むようにして、自然な束感と動きを出しましょう。 - ドライヤーは「根元から毛先」へ
髪を乾かす際は、必ずドライヤーの風を根元から毛先に向かって当てましょう。キューティクルの向きが整い、髪の表面のツヤが増し、広がりを抑えることができます。
- 癖を「抑える」なら、水分と油分が豊富なものを
理想のスタイルはプロの技術で決まる
なぜ、「くせ毛」のカットは、これほどまでにプロの技術を要するのでしょうか。
その答えは、プロが、あなたには見えない「髪一本一本の性質」と対話しながら、カットを行っているからです。
プロの理容師は、カウンセリングであなたの髪を濡らした時、そして乾かした時の両方の状態を見ることで、その癖が持つ本当の性質(水分による変化、毛根の向きなど)を見極めます。
その上で、どこを刈り上げ、どこに長さを残し、そしてどの部分の毛量をどう調整すれば、あなたの髪が最も自然に収まるのかを、脳内で立体的に設計するのです。
特に、くせ毛をただ梳きバサミで軽くするだけでは、かえってパサつきと広がりを助長してしまいます。癖の根元や毛束の内側など、本当に必要なポイントだけを的確に、そして最小限に梳く技術こそ、プロと素人の決定的な差と言えるでしょう。
信頼できる理容師の選び方
あなたの長年のコンプレックスを、最高の個性へと変えてくれる理容師は、まさに「髪の主治医」です。
本物のプロフェッショナルを見抜くためのポイントをご紹介します。
- 最高のパートナーを見つけるためのポイント
- カウンセリングで髪を「触診」してくれるか
口頭でのヒアリングだけでなく、実際にあなたの髪に触れ、乾いた状態と濡らした状態の両方を確認し、癖の出方をじっくりと観察してくれる理容師は、あなたの髪に真剣に向き合っている証拠です。 - 具体的な「解決策」を提示してくれるか
「あなたの癖なら、この部分をこう切れば、自然に内に収まりますよ」「この癖は、パーマ風に活かしてデザインにしましょう」と、感覚論ではなく、具体的な技術論で解決策を示してくれる理容師は信頼できます。 - くせ毛の施術例が豊富にあるか
SNSなどで、様々なタイプのくせ毛のお客様を、美しいスタイルへと変身させている実績が豊富にあるかを確認しましょう。それは、その理容師が持つ経験値の証明です。
- カウンセリングで髪を「触診」してくれるか
まとめ
もう、毎朝くせ毛と格闘し、湿気に怯える必要はありません。
くせ毛は、もはやコンプレックスではなく、プロの技術と知識によって磨き上げられる、あなただけの「天然のデザイン」なのです。
長年の髪との戦いに終止符を打ち、自分の髪質を好きになる。
その感動的な体験を、ぜひ一度、くせ毛を熟知したプロの理容師と共に、味わってみてはいかがでしょうか。