こだわりは「もみあげ」に宿る。ツーブロックでもみあげを残すスタイル術
ツーブロックスタイルをオーダーする際、「サイドは刈り上げるものだから、もみあげも一緒に刈り上げてしまうのが当たり前」だと思っていませんか?清潔感を出すために、もちろんそれも正解の一つです。
しかし、ワンランク上のお洒落や、自分だけの個性を表現したいなら、あえて**「もみあげを残す」**という選択肢があることをご存知でしょうか。
サイドはすっきりさせつつ、顔の印象を左右するもみあげに意図的なデザインを加える。この計算されたスタイルこそ、こだわりを持つ大人の男性にふさわしい選択です。この記事では、ツーブロックスタイルでもみあげを美しく残す方法と、その尽きない魅力について詳しく解説します。
なぜあえて「もみあげを残す」という選択をするのか?
サイドを刈り上げてすっきりさせるツーブロックにおいて、もみあげを残すことには、多くのメリットがあります。
- 顔の印象を自在にコントロールできる
もみあげは、顔の輪郭を縁取る「額縁」のような役割を果たします。この部分の長さや形、濃さを調整することで、フェイスラインをシャープに見せたり、逆に柔らかな印象を与えたりと、なりたいイメージに合わせて顔の印象をコントロールすることが可能です。 - デザイン性の高いスタイルが生まれる
ただ刈り上げるだけでなく、もみあげというパーツに意図的なデザインを加えることで、ヘアスタイル全体にこだわりと個性が生まれます。「普通」のツーブロックから一歩抜け出し、自分だけのスタイルを確立できます。 - 刈り上げすぎないという安心感
「サイドはすっきりさせたいけど、顔周りの髪が完全になくなってしまうのは、少し不安…」と感じる方も少なくありません。もみあげを残すことで、顔周りに自然な髪の存在感が残り、安心感に繋がります。 - ビジネスシーンにも馴染みやすい
自然な形のもみあげを綺麗に整えて残すことで、ツーブロック特有のハードな印象が和らぎます。これにより、スーツスタイルやフォーマルな場面にも違和感なく馴染み、誠実な印象を与えることができます。
「残すもみあげ」のデザインパターン
もみあげの残し方にも、様々なデザインがあります。
① ナチュラルに残す
自毛の生え方を活かし、長さを整え、先端を自然にぼかすように仕上げるスタイルです。最もベーシックで挑戦しやすく、清潔感と誠実な印象を与えます。ビジネスシーンからカジュアルまで、幅広く対応できる万能デザインです。
② シャープな「テクノカット」風に残す
もみあげの先端を、鋭角な逆三角形になるようにシャープに整えるスタイル。70年代〜80年代に流行したテクノカットを現代風にアレンジしたもので、スタイリッシュでモードな雰囲気を演出します。
③ 長めに残してアクセントにする
耳の真ん中よりも長く、耳たぶに届くくらいの長さで残すスタイルです。パーマをかけたり、毛先に動きをつけたりすることで、アンニュイで色気のある雰囲気を醸し出します。ワイルドさやセクシーさを表現したい方におすすめです。
似合わせのポイントと長さ・形の基準
自分に似合うもみあげを見つけるための、基本的な考え方です。
- 長さの基準
一般的に、耳の中央にある軟骨(耳珠)の高さで長さを揃えると、顔全体のバランスが良く見えます。これより短くすると若々しくスポーティーな印象に、長くすると落ち着いた大人っぽい印象になります。 - 濃さの調整
もみあげが濃く、毛量が多い方は、そのまま残すと野暮ったく見えてしまうことがあります。すきバサミなどで毛量を軽く調整してもらうだけで、清潔感が格段にアップします。 - 顔型との相性
- 面長の方: もみあげを少し長めに残すと、顔の縦のラインが緩和され、バランス良く見えます。
- 丸顔の方: もみあげの先端をシャープな形(先細りなど)に整えると、フェイスラインが引き締まって見え、すっきりとした印象になります。
失敗しない!「もみあげを残す」オーダー方法
理想のもみあげを手に入れるために、オーダーの際はこだわりをしっかりと伝えましょう。
最初に「もみあげは残したい」と明確に伝える
これが最も重要です。「サイドは刈り上げたいのですが、もみあげは残してください」と、はっきりと意思表示をしましょう。
「どんな形」で「どのくらいの長さ」にしたいかを伝える
- 「自然な形で、耳の真ん中くらいの長さでお願いします」
- 「テクノカットみたいに、先を尖らせてシャープな感じにしたいです」
- 「毛量が多いので、すいて軽く、野暮ったくならないようにお願いします」
写真を見せるのが最強の手段
理想とするもみあげのデザインが載っているヘアスタイルの写真を用意し、「この写真のもみあげの形にしたいです」と見せるのが、イメージを共有する上で最も簡単で確実です。
綺麗なもみあげをキープするセルフケア
サロンで美しく整えてもらったもみあげ。ご自宅での簡単なケアで、その綺麗さをより長く保つことができます。それは、もみあげの**「周り」に生えてくる産毛を、シェーバーなどで優しく処理する**こと。これだけでも、もみあげの輪郭がはっきりと際立ち、清潔感を維持できます。
ただし、長さや形自体を自分でハサミで切ろうとするのは、左右非対称になったり、プロが作り上げたデザインを台無しにしてしまったりするリスクが非常に高いため、絶対に避けましょう。形の調整は、私たちプロにお任せください。
まとめ
「もみあげを残す」という選択は、あなたのツーブロックスタイルに、自分だけのこだわりという魂を吹き込む行為です。それは、単なる流行り廃りではなく、自分の個性を表現するための、計算されたお洒落と言えるでしょう。
あなたに似合う長さ、形、そして濃さを見極め、それをミリ単位で実現する繊細なカット技術。それこそ、私たちプロの理容師の真骨頂です。あなたのこだわりを形にするために、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。