【メンズ短髪の切り方】セルフカットで失敗しないために。プロが教える基本と注意点
「ちょっと伸びてきた前髪や襟足、自分でサッと切れたら便利だな…」
「毎回サロンに行くのは、時間もお金もかかるし…」
そう考えて、多くの男性が一度は「セルフカット」に興味を持つのではないでしょうか。手軽で経済的に見えるセルフカットですが、実はそこには多くの落とし穴が潜んでおり、一度の失敗が、数ヶ月にわたる後悔に繋がってしまうことも少なくありません。
この記事では、セルフカットに挑戦する前に、ぜひ知っておいていただきたい基本的な「切り方」の知識と、私たちプロが日々実践している「本当に格好良く見えるカット」の秘訣を、特別に解説します。
なぜ、プロのカットは「何かが違う」のか?
サロンで切った髪と、セルフカットの髪。なぜ、その仕上がりには決定的な差が生まれるのでしょうか。
それは、私たちプロが、ハサミを入れる前に、あなたの頭の中に**完璧な「設計図」**を描いているからです。
ただやみくもに短くするのではありません。あなたの骨格、顔の形、髪質、生えグセ、そしてライフスタイル。その全てを計算し、「どう切れば、あなたという人間が最も魅力的に見えるか」という完成形の設計図を描き、その設計図に基づいて、ミリ単位で髪をカットしていくのです。
セルフカットの最も難しい点は、この「設計図」を、自分自身で、客観的に描くことができない点にあります。
【挑戦する前に】セルフカットの基本的な手順と道具
もし、それでもセルフカットに挑戦したいという方のために、基本的な手順と、プロの視点からの注意点をご紹介します。
準備するべき道具
- ヘアカット用ハサミ: 文房具のハサミはNG。髪を傷める原因になります。
- 梳きバサミ(セニング): 毛量を調整するためのハサミ。
- バリカン: 刈り上げに。アタッチメントが豊富なものが便利です。
- ダッカール: 髪を留めるためのクリップ。これがあるとないとで、作業効率が全く違います。
- ケープ、合わせ鏡、新聞紙など
基本的な手順
- 1. ブロッキング(髪のブロック分け)まず、切る部分と切らない部分を、ダッカールで正確に分けます。プロは、このブロッキングを非常に丁寧に行うことで、切りすぎや左右のバランスの崩れといった、致命的な失敗を防ぎます。
- 2. サイド・バックのカット(バリカン)バリカンを使う際は、アタッチメントを長めのものから試し、徐々に短くしていくのが鉄則です。下から上に向かって動かすのが基本ですが、プロの技は、頭の丸みに合わせて、バリカンの角度を変えながら手首を返すように抜いていくこと。これをしないと、刈り上げた部分に不自然な線(ライン)が残りやすくなります。
- 3. トップのカット(ハサミ)髪を少しずつ指で引き出し、長さを決めてカットします。セルフカットで最も難しいのが、この左右の長さを均一に保つことです。一度にたくさん切ろうとせず、少しずつ、慎重に進める必要があります。
- 4. 毛量調整(梳きバサミ)ここが、セルフカット最大の落とし穴です。髪が重いからと、やみくもに梳きバサミを入れてしまうと、短い毛が表面にピンピンと出てきてしまい、余計に髪がまとまらなくなり、パサついた印象になります。プロは、髪が自然に収まるように、そしてスタイリング時に束感が生まれるように、髪の根元、中間、毛先のどこを、どのくらい梳くべきかを、緻密に計算しています。
セルフカットで、最も失敗しやすい「3大ポイント」
特に、以下の3つのポイントは、プロでも集中力を要する部分であり、セルフカットでの失敗が非常に多い箇所です。
- 1. 襟足・もみあげのライン自分では完全に見ることができないため、ガタガタのラインになりやすい部分です。このラインの美しさが、あなたの清潔感を決定づけます。
- 2. 左右のバランス特にトップや前髪の長さが、左右でバラバラになってしまうケースが多く見られます。
- 3. 刈り上げのグラデーションバリカンで作る、地肌からトップにかけての滑らかな濃淡(フェードカットなど)は、まさに職人技。これは、セルフカットでは再現不可能に近い、芸術の領域です。
「これだけはプロに任せてほしい」理由
セルフカットで節約することも一つの選択ですが、もしあなたが「本当に格好良くなりたい」と願うなら、私たちプロにしかできないことがあります。
- あなただけの「似合わせ」の提案:あなたの骨格や髪質をプロの目で診断し、あなた自身も気づいていない、最も魅力的に見えるスタイルをご提案します。
- 難しい部分だけのメンテナンス:「前髪は自分で切るけど、自分ではできないサイドとバックの刈り上げだけは、サロンで」といった、賢い使い方もおすすめです。
- 失敗した時の「駆け込み寺」として:もし、セルフカットで取り返しのつかない失敗をしてしまっても、絶望しないでください。私たちプロの技術で、その失敗を可能な限り修正し、お洒落なスタイルとしてリカバリーします。
まとめ
短髪の「切り方」には、ご自身でできる基本的な手順もあります。しかし、本当に格好良く、清潔感があり、そして何よりも**「あなたに似合う」**スタイルは、一人ひとりの骨格や髪質を正確に読み解く、プロの深い知識と緻密な技術があってこそ、初めて完成するのです。
セルフカットは、費用を節約できる一方で、「取り返しのつかない失敗」という、時間も自信も失ってしまう大きなリスクを伴います。最高の自分への投資として、プロの技術に身を委ねてみる、という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
そのハサミを、一度置いてみませんか?
私たちは、あなたの髪を切るのではありません。あなたの自信と、輝く未来をデザインします。
本物のカットを、ぜひ一度、体験しに来てください。