【メンズ短髪】ヘアセットの基本をプロが徹底解説。明日からできる簡単テクニック
「短髪はヘアセットが楽」と思われがちですが、実はスタイリング次第でその人の印象を劇的に変えることができる、非常に奥が深いヘアスタイルです。
「毎朝ワックスをただ付けるだけになっている」「頑張ってセットしても、なぜかうまく決まらない」。そんな悩みを抱えていませんか?
ヘアセットは、いくつかの基本的なルールとコツさえ押さえれば、誰でも必ず上手くなります。この記事では、数々のお客様の髪をセットしてきたプロの理容師が、ヘアセットの基本からスタイル別の応用テクニックまでを、分かりやすく徹底解説します。明日からのスタイリングが、きっと楽しくなるはずです。
なぜヘアセットが重要なのか?
そもそも、なぜ私たちはヘアセットに時間をかけるべきなのでしょうか。その理由は、単にお洒落に見えるから、だけではありません。
- 清潔感が飛躍的に向上する同じ短髪でも、寝起きのままのボサボサな髪と、毛流れが整えられた髪とでは、清潔感に雲泥の差が生まれます。整えられた髪は、ビジネスシーンでもプライベートでも、相手に好印象を与えます。
- 骨格の悩みをカバーできるハチが張っている、後頭部が絶壁に見える、といった骨格の悩みも、ヘアセットによるシルエットコントロールでカバーすることが可能です。トップに高さを出したり、サイドをタイトに抑えたりすることで、理想のフォルムに近づけることができます。
- ON/OFFの印象を自在に操れる同じカットスタイルでも、スタイリングを変えるだけで印象は全く異なります。平日は前髪を上げてカチッとしたビジネス仕様に、休日は前髪を下ろしてカジュアルな雰囲気に、といった使い分けも自由自在です。
すべてはここから。仕上がりを左右する「ドライヤー術」
ヘアセットの成否の8割は、スタイリング剤を付ける前の「ドライヤー」で決まると言っても過言ではありません。このベース作りが最も重要です。
- 根元からしっかり乾かすまずはタオルでしっかりと水気を取った後、髪の根元、つまり頭皮に風を送るイメージで全体を乾かします。ここで根元をしっかり立ち上げておくことが、ボリュームを出すための鍵になります。
- 8割乾いたら「シルエット」を作る完全に乾いてしまう前に、なりたい髪型の大まかな形を手で作っていきます。トップのボリュームが欲しい部分は髪を握るように、サイドの膨らみが気になる部分は手のひらで抑えつけるようにしながらドライヤーの風を当て、髪に「形」を記憶させます。
- 仕上げは「冷風」で最後に、ドライヤーを冷風に切り替えて髪全体に当てます。これにより、開いていたキューティクルが引き締まり、作ったシルエットが固定されると同時に、髪に自然なツヤが生まれます。
意外と知らない「正しいワックスの付け方」
多くの人が自己流でやってしまいがちなワックスの付け方。基本のステップを見直してみましょう。
- 適量を知るまずは人差し指の第一関節に乗る程度の少量を取ります。足りなければ後から足せばOKです。
- 手のひらで透明になるまで伸ばすワックスを両手の手のひらで、指の間までしっかりと伸ばします。ダマがなくなり、透明になるまで伸ばすのが、ムラなく仕上げるための最大のコツです。
- 「後ろ→トップ→サイド→前髪」の黄金ルールいきなり前髪から付けるのはNG。毛量が多い後頭部から付け始め、次にトップ、サイドの順になじませます。ベタつきやすい前髪は、手に残ったごくわずかなワックスで最後に整える程度で十分です。
- 毛先ではなく、根元から揉み込む髪の表面を撫でるだけでは、時間が経つとペタッとしてしまいます。髪の中に空気を入れるように、根元近くから髪全体をワシャワシャと揉み込み、ワックスをまんべんなく行き渡らせましょう。
- 「つまむ」「ねじる」「流す」で最終調整全体になじんだら、鏡を見ながら最終的なシルエットを整えます。指先で毛束をつまんで束感を出したり、毛流れを整えたり、抑えたい部分をタイトにしたりして完成です。
【スタイル別】簡単ヘアセットテクニック
基本をマスターしたら、人気のスタイルにも挑戦してみましょう。
- 王道アップバング(前髪上げ)ドライヤーの段階で、前髪の根元に下から温風を当てて、しっかりと立ち上がりのクセをつけておくことが全てです。ワックスを付けた後、前髪を後ろに流すように整えれば完成です。
- 知的センターパートドライヤーで分け目をつけ、左右それぞれの根元を立ち上げるように乾かします。ワックスはつけすぎず、自然な毛流れを作るように、後ろに向かって流しながら整えます。
- 無造作マッシュ全体にワックスを揉み込んだ後、トップはふんわりと高さを出し、襟足やもみあげはタイトに抑えてメリハリをつけます。指先でランダムに毛束をつまみ、無造作な動きを出しましょう。
「セットが楽な髪型」にすることが究極の近道
ここまでテクニックをお伝えしてきましたが、最も重要なことをお伝えします。それは、**「そもそもセットがしやすいようにカットしてもらう」**ということです。
私たちプロの理容師は、お客様一人ひとりの骨格、髪質、生え癖をすべて計算し、「お客様が自宅でドライヤーで乾かしただけで、ある程度スタイルが決まる」ようにカットしています。
- 直毛で動きが出にくいなら、必要な部分にだけパーマをかけてあげる。
- サイドが膨らみやすいなら、ツーブロックやフェードカットで抑えてあげる。
そうすることで、毎朝のセットはワックスを揉み込むだけ、といったレベルまで簡略化することが可能です。
まとめ
ヘアセットは、正しい基本を知り、少し練習すれば誰でも必ず上達します。そして、毎日のスタイリングがうまく決まれば、その日一日を自信を持って過ごすことができます。
もしあなたが「自分の髪質に合ったセット方法がわからない」「もっとスタイリングが楽になる髪型にしたい」と感じているなら、ぜひ一度、私たちプロにご相談ください。あなたの髪の悩みを解決し、毎日のセットが楽しくなるような、あなた史上最高のヘアスタイルを、スタイリング方法まで含めてご提案させていただきます。