メンズパーマのスタイリングは「濡らし方」が9割。カールを蘇らせるプロの技

理容室でパーマをかけた日、鏡の中の自分は完璧だった。しかし、翌朝自分でスタイリングしてみると、なぜかカールがうまく出ず、サロンでの仕上がりを再現できない。多くの男性が経験するこの悩みの答えは、実は、ワックスやジェルをつける前の、地味に見える「髪の濡らし方」という工程に隠されています。今回は、パーマスタイルの成否を9割決めると言っても過言ではない、この最初のステップの重要性と、その正しい方法について、プロの視点から詳しく解説します。

なぜパーマヘアは、スタイリング前に「濡らす」ことが重要なのか？

寝起きの乾いた髪に、いきなりスタイリング剤をつけても、パーマは決して美しく再現されません。まず髪を濡らすという行為には、明確で重要な目的があります。

髪を、最高のスタイリング状態へリセットする

• 眠っていたカールを「リセット」し、蘇らせる
  多くのパーマは、髪が水分を含むことで、かけたてのカールやウェーブの形状が最もくっきりと現れるという性質を持っています。寝ている間に枕などで押し潰されてしまったパーマのカールは、髪に水分を与えることで、その記憶が呼び覚まされ、きれいな状態に「リセット」されるのです。これが、スタイリングを始めるための絶対条件です。
• スタイリング剤の効果を、最大限に引き出す
  乾いてパサついた髪よりも、適度に湿った髪の方が、ワックスやジェルといったスタイリング剤が均一に、そして滑らかに馴染みやすくなります。これにより、ムラなく、そしてより少量のスタイリング剤で、効果的にセットすることが可能になります。
• 髪への物理的なダメージを、抑制する
  乾いた髪に無理やりスタイリング剤をつけようとすると、摩擦が起きやすくなり、キューティクルを傷つける原因になります。髪を濡らして、滑りを良くすることで、スタイリング時の髪への物理的な負担を軽減する効果もあります。

プロが教える！パーマの魅力を引き出す、正しい髪の濡らし方

ただ髪に水をかければ良い、というわけではありません。効果的にカールを蘇らせるための、プロが実践する濡らし方のポイントをご紹介します。

根元から毛先まで、均一な水分補給

• 理想は、シャワーで髪全体を濡らすこと
  もし朝にシャワーを浴びる習慣があるなら、それが最も確実で理想的な方法です。髪の根元から毛先までを一度完全に濡らすことで、寝グセもパーマの潰れも、完璧にリセットすることができます。
• 時間がない朝は「スプレー（霧吹き）」を最大限に活用
  シャワーを浴びる時間がない、という方には、スプレーボトル（霧吹き）が最強の味方になります。
• 効果的なスプレーでの濡らし方
  根元の寝グセを狙い撃ちする
  寝癖がついているのは、毛先ではなく、その髪の「根元」です。まずは、髪が潰れてしまっている部分や、つむじが割れている部分の根元をめがけて、地肌が少し湿るくらいスプレーし、指の腹で軽く擦るようにして、根元のクセを取りましょう。
  髪全体を、均一にしっとりとさせる
  次に、髪の中間から毛先にかけて、全体が均一にしっとりとするまでスプレーします。びしょ濡れにする必要はありませんが、表面だけでなく、内側まで水分が行き渡るように意識するのがポイントです。

「濡らし方」の次に来る、重要なステップ

髪を最高の状態に濡らしてリセットしたら、そこから美しいスタイルを完成させるための、次のステップへと進みます。

タオルドライからスタイリングまで

• 優しいタオルドライで、余分な水分を取る
  髪を濡らした後は、タオルでゴシゴシと乱暴に擦らず、頭皮の水分を優しく拭き取り、髪の毛はタオルで挟み込むようにして、ポンポンと優しく叩きながら余分な水分を吸い取ります。
• 根元を乾かし、「半乾き」の状態を作る
  次に、ドライヤーで、まず頭皮と髪の根元をしっかりと乾かします。毛先は、まだ少し湿り気が残っている「半乾き」の状態にするのが、スタイリングを始めるためのベストなタイミングです。
• 半乾きの髪に、スタイリング剤を揉み込む
  この半乾きの状態で、ワックスやジェル、クリームといったスタイリング剤を、カールを握り込むように優しく揉み込むことで、蘇ったカールをキープし、理想の質感と束感を加えていきます。

そもそも「濡らすだけでキマる」パーマをかける

ご自宅での正しい濡らし方は非常に重要ですが、それ以上に大切なのが、そもそも「ご自宅で、濡らして乾かすだけで、簡単にスタイルが再現できる」ように、緻密に計算されたパーマをプロの手でかけてもらうことです。

理容室の計算されたデザイン

• 再現性を最優先した、パーマの設計
  プロの理容師は、施術の段階から「お客様が自宅で、このスタイリングを簡単に再現できるか」を常に考えています。濡らすことで、髪が自然に動き、カールが美しく蘇るように、お客様一人ひとりの髪質や生えグセに合わせて、カールの強さや方向を緻密に計算してパーマをかけているのです。
• カットとの完璧な連動
  スタイリングがしやすいように、そしてパーマの動きが最大限に活きるように、カットの段階で毛量や質感を完璧に調整します。束感が生まれやすいように、あらかじめ計算してカットされているからこそ、簡単なセットでスタイルが決まるのです。
• あなただけの「濡らし方」を、プロが直接指導
  施術の最後には、実際に髪を濡らしながら、あなたの髪質と、今日かけたパーマのスタイルに合わせた、最も簡単なセットの方法を、プロがマンツーマンで直接レクチャーします。

まとめ

メンズパーマのスタイリングを成功させる秘訣は、スタイリング剤をつける前の「濡らし方」にあります。朝、まず根元からしっかりと髪を湿らせて、寝ている間に潰れてしまったカールをリセットすること。この一手間が、あなたの毎日の仕上がりを劇的に変えるでしょう。そして、最も重要なのは、そもそも「濡らすだけで簡単にスタイルが再現できる」ように、緻密に計算されたカットとパーマを、プロの手で施してもらうことです。

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古賀昌平(こがしょうへい)

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天神大牟田線・西鉄小郡駅前のメンズヘアサロン「FRESHNESS BARBER shop」の広報担当です。福岡県出身。学生時代は水泳部に所属。趣味は、漫画やアニメを見ること（HUNTER×HUNTER、NARUTO -ナルト-、BLEACHなど）。