【メンズ髪型・名称辞典】オーダーが変わる、スタイルが深まる。髪型の“名称”を知るということ。
「ツーブロック」「センターパート」「フェードカット」…。
普段、私たちが何気なく耳にする、これらのヘアスタイルの「名称」。
あなたは、その言葉が持つ本当の意味を、そして、それぞれのスタイルの違いを、正確に説明することができるでしょうか。
ヘアスタイルの名称を知ることは、単なる雑学ではありません。
それは、あなたが抱く、“なんとなく、こんな感じになりたい”という漠然としたイメージを、より明確に、そしてより深く理解し、それを現実のものとするための、最もパワフルな「言語」を手に入れることなのです。
この記事は、あなたのための「メンズヘアスタイル名称辞典」。
これを読み終える頃には、あなたはプロと対等に、そして揺るぎない自信を持って、自分だけのスタイルを語れるようになっているはずです。
なぜ「名称」を知ると、ヘアスタイルはもっと楽しくなるのか?
ヘアスタイルの名称を理解することには、多くのメリットがあります。
- オーダーの「解像度」が、劇的に上がる「横を短くしてください」という曖昧なオーダーが、「サイドを6mmのツーブロックにしてください」と、具体的に変わります。「パーマで動きを」が、「ニュアンスパーマで、自然な束感が欲しいです」と、より繊細に変わります。プロとのイメージのズレがなくなり、失敗のリスクが格段に減ります。
- 「自己分析」が可能になる「自分は、どうやらマッシュベースの、センターパートが好きらしい」「パーマなら、ツイスト系よりもスパイラル系に惹かれるな」というように、自分の好みの傾向を言語化し、客観的に分析できるようになります。これにより、髪型選びの「軸」ができます。
- 「探求心」が、さらに深まる「フェード」という名称を知れば、「ローフェード」「ハイフェード」「スキンフェード」といった、さらに奥深い世界を探求したくなるはず。知識は、あなたのお洒落への探求心を、さらに加速させます。
【基本の名称】カットデザイン編
まずは、全てのヘアスタイルの土台となる、基本的なカットやスタイルの名称をマスターしましょう。
シルエットを創る、ベースの名称
- ショート (Short):耳周りや襟足がすっきりとした、全体的に短いスタイル。清潔感の基本です。
- ミディアム (Medium):肩につかない程度の長さ。色気やアレンジの幅が広がり、パーマスタイルなどが映えます。
- マッシュ (Mushroom):全体的に丸みを帯びた、きのこのようなシルエットが特徴のスタイル。優しく、おしゃれな雰囲気を演出します。
- ウルフ (Wolf):トップに丸みを残しつつ、襟足を長めに残したスタイル。シルエットにくびれが生まれるのが特徴です。
ディテールを創る、技術の名称
- ツーブロック (Two-block):サイドや襟足の内側を短く刈り上げ、その上の長い髪を被せることで、一つの頭の中に、長短二つのブロックを作るカット技術です。
- フェード (Fade):0mmに近いスキン状態から、ミリ単位の滑らかなグラデーションで刈り上げていく、非常に高度な技術です。
- レイヤー (Layer):髪の表面と内側に段差をつけるカット技術。これにより、髪に軽さや動きが生まれます。
【応用の名称】前髪とパーマ編
より具体的なデザインや、質感を表現するための名称です。
前髪の名称
- アップバング (Up-bang):前髪を上げたスタイル。快活で、誠実な印象を与えます。
- センターパート (Center Part):前髪を真ん中(Center)で分ける(Part)スタイル。知的で、色気のある雰囲気が人気です。
- 七三分け(サイドパート / Side Part):髪をサイド(Side)で分ける、クラシックなスタイル。ビジネスシーンにも最適です。
パーマの名称
- ニュアンスパーマ (Nuance Perm):かけたことが分からないほど、ごく自然な「ニュアンス」を加えるパーマ。直毛を、扱いやすい“くせ毛風”に変える魔法です。
- スパイラルパーマ (Spiral Perm):髪をロッドに螺旋状(Spiral)に巻きつけ、立体的で弾力のあるカールを作るパーマ。
- ツイストパーマ (Twist Perm):毛束を指でねじる(Twist)ことで、シャープでランダムな束感と、独特の質感を作るパーマ。
- ツイストスパイラルパーマ(ツイスパ):上記二つを組み合わせた、動きと質感の両方を手に入れられる人気のハイブリッドパーマ。
「名称」を使いこなす、プロへのオーダー術
これらの名称を知れば、あなたのオーダーは、プロも驚くほどに具体的になります。
基本のオーダー方程式:「ベース」+「ディテール」+「パーマ/カラー」
- (例1)「マッシュベースのツーブロックで、サイドはフェード気味に。トップにはニュアンスパーマをかけたいです。」
- (例2)「ショートレイヤーで、前髪はアップバングにしやすいように。襟足はすっきりと刈り上げてください。」
このように、名称をパズルのように組み合わせることで、あなたの理想のイメージは、驚くほど正確に伝わるのです。
名称は「共通言語」。しかし、それ以上に大切なこと
最後に、最も重要なことをお伝えします。
ヘアスタイルの名称を知り、使いこなすことは、プロとのコミュニケーションを円滑にする、素晴らしい「教養」であり、強力な「ツール」です。
しかし、それが全てではありません。
なぜなら、同じ「マッシュ」という名称の髪型でも、あなたの骨格、髪質、生え癖、そしてあなたが纏う雰囲気によって、その「正解」となるカットのバランスは、全く変わってくるからです。
プロの理容師・美容師の本当の価値は、あなたの口から語られる「名称」や、見せてくれた写真の、さらに奥にある、あなたの言葉にならない「なりたい自分」を汲み取り、それをあなただけの最高のスタイルとして、再構築することにあるのです。
まとめ
ヘアスタイルの「名称」を知る旅は、あなたの世界を広げ、理想の自分への解像度を、飛躍的に上げてくれる、非常にパワフルな一歩です。
しかし、それはあくまでスタートライン。
その知識という名の地図を持って、あなたという最高の素材を、最高の逸品へと料理してくれる、信頼できるプロの“シェフ”を見つけることこそが、本当のゴールと言えるでしょう。
カタログから、ただ髪型を選ぶだけの関係は、もう終わりにしませんか?
あなたの理想を、言葉にしてみませんか?
私たちは、その言葉を、最高の現実(スタイル)に変える準備ができています。
ぜひ一度、あなたの“理想の名称”を、私たちに聞かせに来てください。