メンズヘアカラー「ベージュ」はブリーチなしで可能？限界と成功法

髪へのダメージを抑えつつ、ベージュ系の柔らかな髪色にしたい。そんな思いから「ブリーチなしでベージュにできないか」と考える男性は多いようです。結論から言うと、元の髪質などの条件次第では可能ですが、そのためにはいくつかのポイントと、知っておくべき「限界」があります。この記事では、ブリーチなしでベージュ系ヘアカラーを目指すための方法と、その注意点について詳しく解説します。

なぜブリーチなしでベージュにするのは難しいのか？

まず、なぜ多くの美容師や理容師が「ベージュにするならブリーチがおすすめ」と言うのか、その理由を理解することが重要です。

ベージュカラーの特性と髪質の関係

• ベージュは非常に淡い色
  ベージュは、黄色をベースにした非常に淡く、繊細な色です。絵の具で黒い画用紙に明るいベージュを塗ってもきれいに発色しないのと同じで、元の髪の色が濃いと、その淡い色合いを表現するのが非常に難しくなります。
• 地毛の赤みが邪魔をする
  多くの日本人の黒髪は、カラー剤で明るくしていく過程で、メラニン色素の影響により赤みやオレンジみが出てきます。この赤みやオレンジみが、ベージュの持つ柔らかく透明感のある色合いを出すのを邪魔してしまうのです。
• ブリーチの役割
  ブリーチは、これらの邪魔になる地毛の色素（特に赤み）を強力に取り除き、ベージュのような淡い色をきれいに乗せるための、いわば「白いキャンバス」を作る役割を果たしています。

ブリーチなしで目指せるベージュ系カラーとその限界

では、ブリーチなしの場合、どのような仕上がりになるのでしょうか。理想と現実のギャップをなくすために、現実的なゴールを知っておきましょう。

知っておくべき仕上がりの目安

• 目指せるのは「ベージュブラウン」
  ブリーチなしで目指せるのは、ミルクティーのような淡くクリアなベージュではなく、あくまで「赤みを抑えた、ベージュ寄りの明るいブラウン」になります。これを「ベージュブラウン」と呼びます。
• 明るさの限界
  元の髪質が比較的明るく、細い方であっても、ブリーチなしのカラー剤で出せる明るさには限界があります。ハイトーンと呼ばれるような、クリアなベージュにすることは難しいと理解しておく必要があります。
• 元の髪質が大きく影響する
  この施術が成功するかどうかは、元の髪質に大きく左右されます。地毛が元々明るく、髪が細い方はベージュに近い色が出やすいですが、逆に地毛が真っ黒で硬い髪質の方は、赤みが強く出てしまい、ベージュ感を出すのは非常に難しくなります。

ブリーチなしでベージュに近づけるためのポイント

限られた条件の中で、最大限ベージュに近づけるためには、専門的な知識と技術が必要です。

プロが行うテクニック

• 最も明るくできるカラー剤を使用する
  通常のカラー剤の中で最も脱色力が強い薬剤（ライトナーと呼ばれることもあります）を使い、可能な限りベースの髪を明るくします。
• 補色を駆使して赤みを消す
  ベージュの最大の敵である赤みやオレンジみを消すために、その補色（反対色）であるマット（緑）やアッシュ（青）を、髪質を見極めながら絶妙なバランスで混ぜ合わせます。
• 繰り返しカラーを重ねる
  一度で理想の色にしようとするのではなく、期間を空けて同じ系統のカラーを重ねていくことで、徐々に髪の赤みが削られ、よりベージュに近い色合いになっていく場合があります。

なぜプロの診断と技術が不可欠なのか

ブリーチなしでベージュに、というオーダーは、セルフカラーではまず成功しない、非常に難易度の高い技術です。

プロに任せるべき理由

• 髪質と履歴の正確な見極め
  あなたの髪が、ブリーチなしでベージュに近づけるポテンシャルを持っているかどうか、過去のカラー履歴に問題はないか、などをプロの目で正確に診断する必要があります。
• 非常に複雑な薬剤の調合技術
  ベースを最大限明るくしつつ、赤みを消し、さらにベージュの色味を加えるという、非常に複雑な色の調合は、専門的な知識と豊富な経験がなければ不可能です。
• ダメージを最小限に抑える知識
  ブリーチなしとはいえ、最も強いクラスのカラー剤を使うため、髪には相応の負担がかかります。そのダメージを最小限に抑えるための処理やケアもプロならではの技術です。
• 正直なカウンセリング
  経験豊富なプロは、もしあなたの髪質でブリーチなしでは難しいと判断した場合、無理に施術を勧めません。正直に限界を伝え、ブリーチを使うメリットや、別のカラーの提案など、あなたにとって最善の選択肢を示してくれます。

まとめ

「ブリーチなしでベージュにしたい」という願いは、条件が合えば「赤みのない明るいベージュブラウン」という形で叶えることが可能です。しかし、そのためには、自己判断でのセルフカラーはほぼ不可能であり、髪質を正確に見極め、複雑な薬剤を操るプロの技術が不可欠です。あなたの「なりたい」を叶えるために、まずは経験豊富な理容師に「ブリーチなしでどこまでできますか？」と、正直に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

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古賀昌平(こがしょうへい)

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天神大牟田線・西鉄小郡駅前のメンズヘアサロン「FRESHNESS BARBER shop」の広報担当です。福岡県出身。学生時代は水泳部に所属。趣味は、漫画やアニメを見ること（HUNTER×HUNTER、NARUTO -ナルト-、BLEACHなど）。