【挫折しない】フェードカットからの“伸ばし方”|プロが教える綺麗な移行計画
シャープで手入れも楽なフェードカット。しかし、しばらく楽しんだ後、気分を変えて「次のスタイルのために、髪を伸ばしたい」と考えた時、多くの人が大きな壁にぶつかります。
「サイドの短い部分と、トップの長い部分の差が激しすぎて、どう伸ばせばいいかわからない…」
「伸ばしかけの期間が、ただただみっともなくなりそうで怖い…」
「結局、途中で挫折してまた短く切ってしまいそうだ…」
その不安、非常によくわかります。フェードカットからの伸ばし方は、無計画に進めると失敗しやすい、というのは事実です。
しかし、ご安心ください。正しい計画と、プロのサポートがあれば、フェードカットからでも驚くほどお洒落に、そしてストレスなく髪を伸ばしていくことが可能です。この記事では、そのための「挫折しない伸ばし方」の全知識を、プロの理容師が徹底的に解説します。
なぜフェードからの「伸ばし方」は難しいのか?
まず、なぜ伸ばすのが難しいと感じるのか、その理由を正しく理解しましょう。
- 理由1:トップとサイドの「長さの断絶」これが最大の問題です。トップの髪が10cm以上あるのに、サイドは数ミリという状態では、髪が伸びてきても自然に繋がりません。結果として、トップの髪がサイドの短い髪に覆いかぶさる、いわゆる「キノコ」や「カッパ」のような、アンバランスなシルエットになりがちです。
- 理由2:フェード部分の「不揃いな伸び方」ミリ単位の美しいグラデーションで仕上げられたフェード部分も、髪が伸びてくると、ただ不揃いに伸びただけの“まだら”な刈り上げに見えてしまいます。これにより、フェードカットの命であった「清潔感」が失われ、一気にだらしない印象になってしまいます。
【挫折しない】フェードカットからの伸ばし方・3つのステップ
無計画にただ放置するのではなく、計画的に、そして戦略的に伸ばしていくことが成功への鍵です。
ステップ1:まず「トップは維持」、そして「サイドを伸ばす」
最初の1〜2ヶ月は、トップの髪の長さは切らずにキープし、サイドとバックのフェード部分を、これまでより長めに残していくことに専念します。
例えば、これまでスキンフェード(0mm)にしていたなら、次は3mm、その次は6mm…といった具合に、刈り上げの最短の長さを徐々に伸ばしていきます。
このステップの目的は、トップとサイドの極端な長さの差を、少しずつ縮めていくことです。サロンでは、「トップは伸ばしたいので整える程度で、サイドのフェДードを少し長めに残して、トップに繋げていってください」とオーダーしましょう。
ステップ2:「サイドの厚み」を確保し、全体のシルエットを整える
サイドの髪がある程度の長さ(指でつまめるくらい)まで伸びてきたら、次の段階です。ここで初めて、全体のバランスを見ながら、伸びっぱなしだったトップの毛先をカットし、次の目標とするヘアスタイル(マッシュやセンターパートなど)に向けた、ベースとなるシルエットを創り始めます。サイドの厚みが出てきたことで、トップとの自然な繋がりが生まれるようになります。
ステップ3:「パーマ」をかけて、伸ばしかけの期間をお洒落に乗り切る
中途半端な長さで、スタイリングが一番難しく、挫折しやすいこの時期。ここでの最強の解決策が**「パーマ」です。
パーマをかけることで、不揃いな長さが馴染み、全体に動きとまとまりが生まれます。これにより、伸ばしかけの期間を「我慢の時」ではなく、「お洒落なパーマスタイルを楽しむ期間」**へと変えることができるのです。スタイリングも、ムースやワックスを揉み込むだけで済むようになり、非常に楽になります。
伸ばす時こそ、プロの理容師が最高のパートナーになる理由
ここまで伸ばし方の計画を解説してきましたが、お気づきの通り、自己流でこれを完璧に実行するのは至難の業です。ただ髪を伸ばし続けるだけでは、必ずどこかで「みっともない」と感じる時期が訪れ、挫折の大きな原因となります。
「髪を綺麗に伸ばす」という行為は、「定期的に、不要な部分を計算してカットする」ことと、同義なのです。
私たちプロの理容師は、お客様が最終的にどんな髪型になりたいかをヒアリングし、そこから逆算して、
「今回は、サイドをこのくらい残しましょう」
「あと1ヶ月伸ばしたら、次はこんなスタイルに整えられますよ」
「このタイミングでパーマをかけるのが、一番楽でお洒落です」
といった、長期的なプランを設計し、提案することができます。
伸ばす過程の、その時々でベストなスタイルを楽しみながら、ストレスなく目標まで導く。それこそが、伸ばす時におけるプロの理容師の最大の役割です。
まとめ
フェードカットから髪を伸ばすことは、決して難しいことではありません。
「まずサイドから、計画的に長さを残していく」
「途中でパーマを有効活用する」
そして何よりも、「プロの理容師に相談し、二人三脚で進めていく」
このポイントさえ押さえれば、あなたのヘアスタイルの可能性は、さらに大きく広がっていきます。
「伸ばしたい」と思った、その瞬間から、あなたの新しいヘアデザインは始まっています。
挫折しない、お洒落な“髪の伸ばし方”、ぜひ私たちに計画させてください。