フェードスタイルに合うスタイリング剤は?髪型別・質感別に選ぶプロの技
理容室で完璧に仕上げてもらった、シャープでクリーンなフェードスタイル。しかし、翌朝いざ自分でセットしようとすると、「なぜか、お店でやってもらったみたいにならない…」と感じた経験はありませんか?
その違いを生み出している大きな要因の一つが、**「スタイリング剤の選び方と使い方」**です。
あなたのフェードスタイルを、まるでプロが仕上げたかのように輝かせる、運命のスタイリング剤は必ず存在します。この記事を読めば、その見つけ方と正しい使い方が分かり、毎日のヘアセットがもっと楽しく、そして格段にレベルアップすることを約束します。
なぜフェードスタイルには「ツヤ(ウェット感)」が重要なのか?
まず、スタイリング剤を選ぶ上での大原則を知っておきましょう。それは、フェードスタイルと**「ツヤ(ウェット感)」**は非常に相性が良い、ということです。
フェードの命である、0mmから始まる滑らかなグラデーションは、光が当たることで、その繊細な濃淡がより一層際立ちます。ツヤのあるスタイリング剤は、トップの髪に光を集め、美しい光沢を与えることで、刈り上げた部分とトップのコントラストを強調します。これにより、ヘアスタイル全体がより立体的で、シャープに見えるのです。
また、ウェットな質感は、清潔感と大人の色気を演出し、スキンフェードが持つクリーンなイメージをさらに高めてくれます。
【質感とホールド力で選ぶ】フェードに合うスタイリング剤の種類
それでは、具体的にどのようなスタイリング剤があるのか、それぞれの特徴と得意なスタイルを見ていきましょう。
1. ポマード / グリース(最もおすすめ)
- 特徴: 強いツヤ(ウェット感)と、高いホールド力(固定力)を両立。ジェルと違い、パリパリに固まりすぎず、手ぐしで再セット(リスタイリング)が可能です。
- 仕上がり: 艶やかで、まとまりのあるクラシックなバーバースタイルを創り出します。
- 最適な髪型: サイドパート(七三分け)、スリックバック(オールバック)、ポンパドールなど。
2. ジェル
- 特徴: 非常に強いホールド力とウェット感が特徴。速乾性で、一度セットするとパリッと固まり、一日中スタイルを崩しません。
- 仕上がり: シャープで、極めてクリーンな印象。カチッとした質感が生まれます。
- 最適な髪型: クロップスタイル、ベリーショート、ソフトモヒカンなど、短い髪をしっかり立たせたり、抑えたりしたい時に最適です。
3. ワックス(ハード/クレイ系)
- 特徴: 髪に動きや束感を与えるのが最も得意なスタイリング剤。ツヤを抑えたマットな質感に仕上がる製品が多いです。
- 仕上がり: 無造作でラフな、カジュアルな印象。パーマの動きを再現したり、自然な立体感を出したりします。
- 最適な髪型: パーマスタイル、ショートマッシュなど、トップに動きが欲しいスタイル。
4. ムース / フォーム
- 特徴: 泡状で水分を多く含んでおり、髪全体に均一になじませやすいのが特徴です。
- 仕上がり: パーマのカールやウェーブを、濡れたような質感で綺麗に再現(リッジを出す)するのに特化しています。
- 最適な髪型: 強めのパーマスタイル(ツイストスパイラル、プードルパーマなど)専用と考えて良いでしょう。
【トップの髪型別】スタイリング剤の選び方ガイド
あなたの髪型に合わせて、最適なスタイリング剤を選んでみましょう。
- クロップスタイルなら… → ジェル or ハードワックス
- サイドパート / スリックバックなら… → ポマード or グリース
- パーマスタイルなら… → グリース or ワックス or ムース
- バズカットなら… → 基本的に不要ですが、ツヤ出しのために軽くグリースを塗るのもクールです。
プロ直伝!スタイリング剤の能力を120%引き出す使い方
どんなに良いスタイリング剤も、使い方が間違っていては効果を発揮できません。
- STEP 1:必ず髪を濡らす寝癖がついたままの髪にスタイリング剤をつけても、綺麗には仕上がりません。まずは根元からしっかり濡らし、髪をリセットしましょう。
- STEP 2:ドライヤーで8割方、形を作るスタイリング剤をつける前に、ドライヤーで作りたい毛流れやボリュームの「土台」を8割方作っておくのがプロの技です。
- STEP 3:スタイリング剤を、手のひらで完璧に伸ばす適量(最初は小豆一粒大から)を手に取り、指の間まで、完全に透明になるまでしっかり伸ばします。
- STEP 4:根元からしっかりつける最も重要なポイントです。髪の表面に撫でつけるのではなく、髪の根元に指を入れ、頭皮につかないように注意しながら、髪全体に均一になじませます。
- STEP 5:コームや手ぐしで最終調整最後に、全体のシルエットや毛流れを整えて完成です。
最高のスタイリング剤は、最高の「理容師」が知っている
ここまで選び方や使い方を解説してきましたが、無数にある製品の中から、本当に自分に合った一品を見つけ出すのは至難の業です。そして何より、最高のスタイリング剤も、それを活かすための「最高のカット」がなければ意味がありません。
なぜ、理容室(バーバー)で相談すべきなのか?
- あなたの髪質を見抜く「診断力」プロの理容師は、あなたの髪質(硬い、柔らかい、直毛、クセ毛)やライフスタイルを瞬時に見抜き、数多くのスタイリング剤の中から、本当にあなたに合う「一品」を的確に選び出してくれます。
- スタイリングを計算した「カット技術」腕の良い理容師は、「このお客様は、このスタイリング剤を使うだろうから、毛先はこうカットしておけばセットしやすくなるな」というように、仕上げのスタイリングまでを逆算してカットしています。
- その場で学べる、あなただけの「スタイリング講座」カットの最後に、あなたに最適なスタイリング剤を使い、あなたに合ったセット方法を、目の前で実践しながら丁寧に教えてくれます。これは、最高のヘアサロンでしか得られない、貴重な体験です。
まとめ
フェードスタイルを最高に輝かせるためには、なりたい質感や髪型に合わせて、適切なスタイリング剤を選ぶことが非常に重要です。ポマード、ジェル、ワックス、それぞれの特徴を理解し、正しい使い方をマスターすれば、あなたの毎日のセットは格段にレベルアップします。
しかし、その全ての土台となるのは、あなたの髪を最も理解しているプロからのアドバイスと、それを活かすための完璧なカット技術です。
もし、自分に合うスタイリング剤がわからない、毎日のセットが上手くいかないと悩んでいるなら、ぜひ一度、信頼できる理容室で、カットと一緒に「スタイリングの相談」をしてみてはいかがでしょうか。