剛毛でくせ毛の方のシャンプー選び|硬さと広がりを抑え、しなやかにまとまる髪へ
「髪が硬くてしっかりしているのに、うねりや広がりがあって、どうしてもまとまらない」。一本一本は力強い「剛毛」でありながら、全体としては言うことを聞かない「くせ毛」の性質も併せ持つ。この、二つの異なる悩みに同時に直面されている方は、日々のヘアスタイリングにおいて、特に大きな困難を感じていらっしゃるのではないでしょうか。その扱いにくさを、ご自身の生まれ持った髪質だからと、諦めてしまうのはまだ早いかもしれません。実は、この最強とも言える髪質を、しなやかで魅力的なスタイルへと導く鍵は、毎日のシャンプー選びにこそ隠されているのです。
「剛毛」と「くせ毛」二つの性質を理解する
この複雑な髪質を攻略するためには、まず、ご自身の髪が持つ二つの性質を、それぞれ正しく理解することが大切です。
「剛毛」がもたらす、硬さとゴワつき
剛毛とは、髪一本一本の直径が太く、内部の密度が高い、しっかりとした髪質のことです。その強さゆえに、髪にハリがあり、へたりにくいという長所を持つ一方で、髪そのものが硬く、ゴワゴワとした手触りになりやすいという特徴があります。
「くせ毛」がもたらす、うねりと広がり
くせ毛とは、毛穴の形状や髪内部の水分バランスの偏りによって、髪がうねってしまう性質のことです。特に、ダメージなどによって髪の水分バランスが乱れると、空気中の湿気を吸いやすく、大きく膨らんで、まとまりのない状態になってしまいます。
この「剛毛」と「くせ毛」の性質が組み合わさることで、「硬くて、言うことを聞かない上に、湿気でさらに広がってしまう」という、非常に扱いにくい状態が生まれるのです。
最強の髪質に、最適なシャンプー選びの視点
この手強い髪質を、しなやかにコントロールするためには、シャンプー選びにおいて、「徹底的な保湿」と「柔軟性を与える」という二つの視点が、何よりも重要になります。
髪の芯から、硬さをときほぐす「高保湿・柔軟成分」
剛毛でくせ毛の方の髪に最も必要なのは、髪の芯まで届く、深いレベルでの「うるおい」です。髪が水分で満たされることで、その硬さが内側からときほぐされ、しなやかな柔軟性が生まれます。セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸といった、卓越した保湿力を持つ成分が、その大きな助けとなります。さらに、アルガンオイルやシアバターといった、髪を柔らかくする効果(エモリエント効果)の高い、良質な天然オイルが配合されたシャンプーは、硬い髪の質感を、よりしなやかな状態へと導いてくれます。
水分バランスを整え、広がりを抑制する
髪の内部を、高保湿成分で均一にうるおすことは、くせ毛の大きな悩みである「広がり」を抑制する上でも非常に効果的です。髪が内側からうるおいで満たされていると、空気中の余計な水分を吸い込みにくくなり、湿度の高い日でも、膨らみにくい、安定した状態をキープしやすくなります。
優しく洗い上げる、アミノ酸系洗浄成分という大前提
これほどまでに保湿が重要な髪質にとって、洗浄の段階でうるおいを奪い去ってしまうことは、絶対に避けなければなりません。洗浄力が強すぎるシャンプーは、髪と頭皮の乾燥を招き、硬さや広がりをさらに悪化させてしまいます。うるおいを守りながら、不要な汚れだけをマイルドに洗い上げる、アミノ酸系の洗浄成分を主としたシャンプーを選ぶことが、全てのケアの基本となります。
扱いにくい髪質を、重厚感のある個性へ
剛毛でくせ毛という髪質は、決して弱点ではありません。その力強さと、独特の動きは、正しいケアによってその質感をコントロールすることで、他にはない、重厚感と魅力に満ちた、あなただけの個性となり得ます。そのためには、ご自身の髪の状態を的確に見極め、保湿と柔軟性の、最適なバランスを備えた一本を選び出すことが不可欠です。私達、髪の専門家は、その最も困難で、最も重要な選択を、プロの視点からサポートするパートナーです。ぜひ一度、その最強の髪質が持つ、新たな可能性について、私達にご相談ください。