【剛毛の男性へ】保湿シャンプーで髪は変わる。ごわつきを抑える、正しい選び方と洗い方
硬く、ごわつき、そして広がりやすい。ご自身の「剛毛」という髪質を、生まれつきだからと諦めてしまってはいませんか。実は、そのお悩みのほとんどが、髪の「乾燥」、つまり水分不足が引き起こしているという事実をご存知でしょうか。そして、その乾燥問題を解決するための最も身近で、最も重要な第一歩こそが、お客様が毎日使っている「保湿シャンプー」を見直すことなのです。この記事では、剛毛の髪質を、しなやかでまとまりのある理想の状態へと導くための、保湿シャンプーの正しい選び方と使い方について、プロの理容師が詳しく解説してまいります。
なぜ剛毛は乾燥しやすく、保湿シャンプーが重要なのか
剛毛は、髪の表面を覆うキューティクルが厚く、しっかりとしているため、外部の刺激から髪を守る力は強いのですが、その反面、水分を弾きやすいという性質も持っています。そのため、髪の内部は常に水分が不足しがちな状態にあり、これが硬さやごわつきの直接的な原因となっています。さらに、乾燥した髪は空気中の湿気を過剰に吸収しようとして膨らみ、スタイルの「広がり」となって現れます。保湿シャンプーの重要な役割は、髪を洗浄すると同時に、この乾燥しがちな髪の内部に潤いを補給し、これ以上の水分蒸発を防ぐことにあるのです。
剛毛のための保湿シャンプー、選び方の2大原則
市場には数多くのシャンプーがございますが、剛毛の保湿ケアを目的とするならば、以下の二つの原則を基準にお選びいただくことをお勧めいたします。
原則1:「優しく洗う」アミノ酸系の洗浄成分を選ぶ
まず最も重要なのが、シャンプーの心臓部である洗浄成分です。潤いを守るためには、必要な皮脂まで奪いすぎることのない、マイルドな洗浄力を持つ「アミノ酸系」の洗浄成分が最適です。成分表示に「ココイルグルタミン酸」や「ラウロイルメチルアラニン」といった記載があるものが、その代表格です。
原則2:「深く潤す」高保湿成分に注目する
次に、髪に水分を抱え込ませ、潤いをキープするための「保湿成分」が豊富に含まれているかを確認しましょう。代表的な成分として、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、リピジュア®などが挙げられます。また、アルガンオイルやシアバターといった植物由来のオイルは、髪をしなやかにする効果も期待でき、剛毛の保湿ケアには非常に有効です。
保湿効果を最大限に高める、プロが教えるシャンプー術
最高の保湿シャンプーを選んだとしても、その洗い方が間違っていては効果は半減してしまいます。まず、シャンプーを付ける前には、お湯だけで1〜2分かけて髪と頭皮をしっかりすすぐ「予洗い」を行ってください。これにより、髪が水分を含んで柔らかくなり、保湿成分が浸透しやすくなります。シャンプーは手のひらで十分に泡立ててから、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗いましょう。そして、すすぎはシャンプー剤が頭皮に残らないよう、ぬめり感がなくなるまで、時間をかけて丁寧に行うことが大切です。
シャンプーの潤いを閉じ込める、その後の保湿ケア
保湿ケアは、シャンプーだけで終わりではございません。シャンプー後の清潔な髪に、保湿効果の高いトリートメントでさらに潤いを補給し、キューティクルを整えること。そして、お風呂上がりには、ドライヤーの熱や外部の乾燥から髪を守るために、「洗い流さないトリートメント」で髪の表面をコーティングし、補給した潤いに「蓋」をすること。この一連の流れが、剛毛の髪をしっとりとまとめるための完璧な保湿ケアとなります。
最高の保湿は、あなたに合った処方から
保湿を謳うシャンプーは世の中に無数にございますが、どの成分が、どのくらいの濃度で、お客様ご自身の髪質に合っているのかを個人で見極めるのは、非常に難しいことです。私たち誠実な理容師は、お客様の髪と頭皮の状態を直接診断し、その方に本当に必要な保湿成分やケア方法を的確にアドバイスできる「ヘアケアの専門家」です。また、日々のケアの効果を最大限に引き出すためには、ダメージを受けにくく、まとまりやすい髪の土台を作る「カット技術」も不可欠です。
剛毛の悩みは、正しい「保湿」で必ず変わります。自分史上最高の、潤いに満ちたしなやかな髪を手に入れるために、ぜひ一度、私たちプロにご相談ください。