柔らかめのワックスを使いこなす|ナチュラルな髪型を創るための選び方と使い方
メンズヘアスタイリングの世界において、力強いセット力を持つハードワックスが主流である一方で、その対極に位置する、自然で優しい質感を創り出す「柔らかめ」のワックスも、現代のヘアスタイルを語る上で、欠かすことのできない重要な存在です。しかし、「セット力が弱そうで、使い方が分からない」「どのような髪型に適しているのかが、いまいち分からない」と、その魅力に気づいていない方も多いのではないでしょうか。この記事では、柔らかめのワックスが持つ本当の価値と、その性能を最大限に引き出すための、プロが実践する正しい使い方について詳しく解説いたします。
「柔らかめ」のワックスが持つ、その特徴とは
まず、柔らかめのワックスが持つ、基本的な特徴を理解することが重要です。その個性は、主に「テクスチャー」と「セット力」という、二つの「柔らかさ」にあります。
テクスチャーの柔らかさ
柔らかめのワックスは、その多くが、まるで保湿クリームのような、滑らかでクリーミーなテクスチャーをしています。そのため、手のひらでの伸びが非常に良く、髪にもスッと均一に馴染んでくれるという、優れた「操作性」を持っています。スタイリングに慣れていない初心者の方でも、ムラやダマといった失敗が少なく、非常に扱いやすいのが大きなメリットです。
セット力の柔らかさ
その名の通り、セット力は比較的穏やかに設計されています。髪をガチガチに固めるのではなく、髪本来が持つ、しなやかな質感を活かしながら、スタイルに自然なまとまりと、程よい毛流れを与えることを目的としています。髪を強力に固定するのではなく、あくまで「整える」という感覚に近いでしょう。
「柔らかめ」のワックスが得意なこと、そして適した髪型
それでは、この柔らかめのワックスは、具体的にどのようなヘアスタイルを創り出すことを得意としているのでしょうか。
その最大の強みは、作り込みすぎていない、素髪のようなナチュラルなスタイルを創り出す能力にあります。髪のパサつきを抑えて潤いを与えたり、パーマのカールを優しい質感で再現したり、あるいは、ミディアムからロングヘアの広がりを抑えて、自然な毛流れを創り出したりするのに、非常に適しています。
具体的なヘアスタイルとしては、近年のトレンドである、自然な丸みが特徴の「マッシュスタイル」や、上品な毛流れが魅力の「センターパート」などが、その代表例です。これらの髪型が持つ、本来の柔らかさや動きを損なうことなく、スタイルの完成度を格段に高めてくれます。
プロが実践する、「柔らかめ」ワックスの正しい使い方
柔らかめのワックスの性能を最大限に引き出すためには、その付け方にも、少しだけコツがあります。まず、ドライヤーで、ふんわりとしたスタイルの土台を創り上げておくことが重要です。そして、適量のワックスを手のひらで完璧に伸ばした後、髪を強く握るのではなく、髪の内側から、空気を含ませるように、優しく、そして柔らかく揉み込むようにして、髪全体に馴染ませていきます。創り上げた質感をサポートするように、優しく塗布するのがポイントです。
最高の「柔らかさ」は、最高の「品質」から
これまで、柔らかめのワックスについて解説してまいりましたが、プロが求める「本物」の柔らかさとは、単にセット力が弱いだけではありません。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、穏やかなセット力の中にも、スタイルを美しく見せるための、計算され尽くしたまとまりと、持続性を備えています。また、保湿成分や補修成分といった、ヘアケア成分を贅沢に配合し、日々のスタイリングを通じて、お客様の髪をより美しく、健康な状態へと導きます。
お客様の髪質と、なりたいイメージに合わせた、最高の「柔らかめ」のワックスを、私達が責任を持ってお選びいたします。ぜひ一度、その違いをサロンでご体感ください。