メンズヘアを「ゆるふわ」に創るワックス|選び方とスタイリングの秘訣
力強く立ち上げるスタイルや、ウェットにまとめるスタイルとは一線を画す、まるで空気を含んだかのような、柔らかく、そして優しげな「ゆるふわ」スタイル。作り込みすぎていない、自然体な魅力を持つこの髪型は、特にマッシュスタイルやミディアムヘアの方々から、絶大な人気を集めています。しかし、その繊細な質感を、ご自宅でワックスを使って再現することに、難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、髪を「ゆるふわ」に仕上げるための、正しいワックスの選び方と、プロが実践するスタイリングの秘訣について詳しく解説いたします。
「ゆるふわ」スタイルを創るためのワックス選び
まず、髪を「ゆるふわ」に仕上げるためには、その目的とは逆の特性を持つワックスを避ける、という視点が重要になります。セット力が強すぎるハードワックスや、髪を固めてしまうジェル、あるいはドライで力強い束感を創るマットワックスなどは、ゆるふわスタイルが持つ、柔らかな質感を損なう原因となるため、この場合には適していません。
最適なのは「クリームタイプ」のワックス
髪を「ゆるふわ」にスタイリングするために、私達プロが最もおすすめするのが、乳液のような、滑らかで柔らかいテクスチャーが特徴の「クリームタイプ」のワックスです。このタイプは、保湿成分を含んでいるものが多く、髪に潤いと自然なまとまりを与えながらも、固めすぎずに柔らかな質感をキープしてくれます。ベタつきが少なく、軽い使用感の製品が多いため、ゆるふわスタイルの命である、ふんわりとしたシルエットを潰すことなく、スタイリングすることが可能です。
ヘアバームという選択肢
ヘアケア効果をより重視し、さらに自然な仕上がりを求める方には、ヘアバームも有効な選択肢となります。天然由来のオイルなどを主成分としており、髪のパサつきを抑えながら、ごく自然なまとまりとツヤ感を演出してくれます。
プロが実践する、究極の「ゆるふわ」感の作り方
最適なワックスを選んだら、次はその性能を最大限に引き出すための、ゆるふわ感を創ることに特化したスタイリング方法を実践しましょう。ここでも、主役となるのはドライヤーです。
1.ドライヤーで髪に「空気」を仕込む
スタイリングの成否は、ワックスをつける前のドライヤーの段階で決まります。髪を乾かす際に、ただ乾かすのではなく、髪の内側に下から手を入れ、根元に空気を含ませるように、髪を優しく握り込む(スクランチする)ようにしながら温風を当ててください。髪全体を様々な方向に散らしながら乾かすことで、髪の間に空間が生まれ、ふんわりとしたスタイルの土台が形成されます。
2.ワックスは「握り込む」ように優しく馴染ませる
髪が完全に乾いたら、小豆一粒大ほどの少量のクリームワックスを、手のひらで完璧に伸ばします。そして、ドライヤーで創ったふんわり感を潰さないように、ここでも髪を優しく握り込むようにして、ワックスを髪全体に馴染ませていきます。手ぐしで髪を強くとかしてしまうと、せっかくの空気感が失われてしまうため、あくまで、創った質感をサポートするように、優しく塗布するのがポイントです。
3.全体のシルエットを整えて完成
最後に、全体のシルエットを鏡で見ながら、指先に残ったワックスで、毛束のバランスや毛先の方向性を整えたら、優しく柔らかな、ゆるふわスタイルの完成です。
最高の「ゆるふわ」は、最高の「カット」と「道具」から
これまで、ゆるふわなスタイルを創るための方法をご紹介してまいりましたが、その大前提として、お客様一人ひとりの髪質や骨格に合わせて、軽やかさと動きが出やすいように、毛量調整や質感調整が施されたベースカットが不可欠です。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単にゆるふわなスタイルを再現できるよう、緻密に計算してカットを施します。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から、最も軽やかで、かつスタイリング性能に優れた一品を選び出し、その場で正しい使い方を丁寧にお伝えさせていただきます。
もう、ワックスで髪が潰れると悩む必要はございません。ぜひ一度、その違いをサロンでご体感ください。