ワックスをつけても前髪が割れる方へ|原因とプロが教える直し方
ご自宅でのヘアスタイリングにおいて、最も多くの方が悩むパーツ、それが「前髪」です。特に、「ワックスをつけてセットしたはずなのに、時間が経つと前髪がパックリと割れてしまう」というお悩みは、髪質や髪型を問わず、非常に多く聞かれます。ヘアスタイル全体の印象を決定づける前髪が割れてしまうと、せっかくのスタイリングも台無しです。この記事では、前髪が割れてしまう根本的な原因を解明し、それを解決するためのプロが実践する正しいスタイリング術について詳しく解説いたします。
前髪が「割れる」本当の原因は、毛先ではなく「根元」にある
多くの方が、前髪が割れる原因を、毛先のまとまりのなさや、ワックスのセット力不足だと考えがちです。しかし、実はその問題の根本原因は、毛先ではなく、髪の「根元」の生え癖にあります。
私たちの髪の毛は、つむじの流れや、生まれ持った毛根の向きによって、それぞれが生えやすい方向を持っています。前髪が割れてしまう部分では、左右の髪の根元が、それぞれ外側に向かって生えようとする力が働いているため、毛先をワックスでいくらまとめようとしても、時間が経つと根元の力に引っ張られ、結果としてパックリと分かれてしまうのです。つまり、この根元の問題を解決しない限り、前髪が割れる悩みから解放されることはありません。
プロが実践する、「割れない前髪」の作り方
それでは、プロはどのようにして、この頑固な根元の生え癖をコントロールし、割れない美しい前髪を創り上げているのでしょうか。その秘訣は、ワックスをつける前の「ドライヤー」の使い方にあります。
ステップ1:まず、前髪の「根元」をしっかりと濡らす
寝癖直しと同様に、まずは前髪が割れてしまう部分を中心に、その髪の根元、すなわち地肌まで、水分が届くようにスプレーなどでしっかりと濡らします。これにより、髪の内部の水素結合がリセットされ、根元のクセを矯正する準備が整います。
ステップ2:ドライヤーで根元の「生え癖」を消す
ここが、最も重要な工程です。濡らした前髪の根元に、ドライヤーの温風を当てながら、指の腹で地肌を優しく擦るようにして、左右に、ジグザグと髪を動かしながら乾かしていきます。右に左にと根元を揺さぶることで、本来の生え癖の方向性が曖昧になり、髪が素直な状態になります。
ステップ3:創りたい毛流れの方向へ、根元を整える
根元のクセがリセットされたら、次に、創りたい毛流れの方向に向かって、根元にドライヤーの風を当てて、毛流れを整えます。最後に、冷風を当てることで、その形が根元にしっかりと記憶され、割れにくい強固な土台が完成します。
ステップ4:ワックスは「手に残った量」で、毛先だけを整える
完璧な土台が出来上がったら、いよいよワックスで仕上げます。前髪にワックスを直接つけると、その重みで割れやすくなるため、トップや後頭部などをセットした後の、指先に残った、ごく僅かなワックスを使って、前髪の毛先を優しくつまみ、束感や毛流れを整える程度に留めてください。
最高のスタイルは、最高の「カット」と「技術」から
これまで、前髪が割れるのを防ぐ直し方について解説してまいりましたが、その大前提として、お客様一人ひとりの髪質や生え癖に合わせて、そもそも前髪が割れにくいように緻密に計算されたベースカットが施されていることが、何よりも重要です。
私達プロのスタイリストは、お客様の生え癖を正確に見極め、ご自宅で簡単にスタイリングができるようなカットデザインをご提案いたします。そして、そのカットを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から最適な一品を選び出し、目の前で実践しながら、このプロの技術をマンツーマンで丁寧にお伝えさせていただきます。
もう、前髪が割れると悩む必要はございません。ぜひ一度、私達にご相談ください。