ワックスをつけても髪が立ち上がらない方へ|根本的な原因とプロの解決策
朝のスタイリングで、髪の根元からふんわりと立ち上げたはずのスタイルが、ワックスをつけた途端に、あるいは時間が経つにつれてペタッと潰れてしまう。「ワックスを使っても髪がうまく立ち上がらない」というこのお悩みは、特に髪が柔らかい方や、ボリューム感のあるスタイルを目指す方にとって、非常に深刻な問題かと存じます。この記事では、髪が立ち上がらない根本的な原因を解明し、一日中力強い立ち上がりをキープするための、プロが実践する本質的な解決策について詳しく解説いたします。
なぜ、あなたの髪はワックスで立ち上がらないのか
多くの方が、「髪が立ち上がらないのは、ワックスのセット力が足りないからだ」と考え、よりセット力の強い製品を探し求めがちです。しかし、実はその問題の根本原因は、ワックスそのものにあるのではなく、**ワックスをつける前の「スタイリングのプロセス」**にある場合がほとんどです。
最大の誤解:ワックスは髪を「立ち上げる」ものではない
まず皆様に知っていただきたい最も重要な事実は、ヘアワックスは、髪をゼロの状態から立ち上げるための道具ではない、ということです。ワックスの本来の役割は、ドライヤーなどによって既に立ち上げた髪の根元や、創り上げたスタイルを、そのセット力で維持(キープ)し、質感を加えるための仕上げ剤なのです。この大原則を理解しないまま、ワックスの力だけで髪を無理に持ち上げようとしても、ワックスの重みで逆に髪は潰れてしまいます。
髪の「立ち上がり」を創り出す、唯一にして最強のツール
それでは、髪を根元から力強く立ち上げるためには、何を使えば良いのでしょうか。その答えは、皆様が毎日お使いの**「ドライヤー」**です。髪の性質を巧みに利用する、ドライヤーこそが、髪を立ち上げるための唯一にして最強のツールなのです。
プロが実践する、ドライヤーで根元を立ち上げる技術
髪の毛は、熱が加えられると柔らかく形がつきやすくなり、そして冷める瞬間にその形が固定される、という性質を持っています。プロのスタイリストは、この性質を完璧に利用して、髪の根元に立ち上がりを創り出します。
まず、髪を乾かす際に、立ち上げたい部分の髪の根元に、髪が生えている方向とは逆の方向からドライヤーの温風を当てます。そして、ドライヤーを持っていない方の手の指で、髪の根元を優しく擦るように、あるいは持ち上げるようにしながら乾かします。根元が十分に乾き、立ち上がりのクセがついたら、その状態をキープしたまま、ドライヤーの風を冷風に切り替えます。この冷風を当てることで、立ち上がった形が根元にしっかりと記憶され、崩れにくい強固な土台が完成するのです。
創った「立ち上がり」を支えるワックスの選び方と付け方
ドライヤーで完璧な土台を創り上げたら、いよいよその立ち上がりを一日中支えるためのワックスを選び、塗布していきます。
立ち上がりを潰さない「軽い」ワックスを選ぶ
立ち上がった根元を維持するためには、セット力は高くても、油分が少なく、軽い使用感のワックスを選ぶことが重要です。ドライな質感でふんわりとしたボリュームをキープしやすい**「マットタイプ」や「クレイタイプ」**のワックスが最も適しています。重たい質感のワックスは、せっかく創った立ち上がりを潰してしまう原因となるため、避けた方が賢明です。
根元を支え、毛先で遊ぶ、正しい付け方
少量のワックスを手のひらで完璧に伸ばしたら、髪の表面から押さえつけるように付けるのは厳禁です。髪の内側に下から手を入れ、ドライヤーで立ち上げた根元付近を支えるように、優しく揉み込むようにしてワックスを馴染ませます。そして、最後に指先に残ったワックスで、毛先をつまんで束感を創り、スタイルを完成させます。
根本的な解決策は「カット」と「プロの技術」に
これまでにご紹介した方法を実践すれば、スタイリングの質は劇的に向上するはずです。しかし、そもそもお客様一人ひとりの髪質や骨格に合わせて、根元が立ち上がりやすいように、そしてボリュームが出やすいように計算されたベースカットが施されていなければ、日々のスタイリングは難しいものになってしまいます。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単に理想のスタイルを再現できるよう、緻密に計算してカットを施します。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための高品質な**「サロン専売品」**の中から最適な一品を選び出し、目の前で実践しながら、このプロの技術をマンツーマンで丁寧にお伝えさせていただきます。
もう、髪が立ち上がらないと悩む必要はございません。その答えを見つけるために、ぜひ一度、私達にご相談ください。