ワックスをつける量|スタイリングを制する「適量」の見つけ方
ご自宅でヘアワックスを使ってスタイリングする際、その「つける量」を、皆様はどのように決めていらっしゃいますでしょうか。「なんとなく、これくらい」と感覚で手に取っている方が、実はほとんどかもしれません。しかし、このワックスをつける量こそが、その日のスタイリングが成功するか、あるいは失敗に終わるかを左右する、極めて重要な要素なのです。この記事では、ベタつきやスタイルの崩れを防ぎ、ワックスの性能を最大限に引き出すための、正しい「適量」について詳しく解説いたします。
ワックスの量の基本:「小豆一粒大」から始めるという鉄則
まず、皆様に覚えていただきたい、最も重要で普遍的なルールがあります。それは、どんな髪の長さであっても、ワックスはまず「小豆一粒大」ほどの少量からつけ始める、ということです。ワックスは、一度つけすぎてしまうと、そこから減らして修正することは非常に困難です。しかし、足りなければ後から少しずつ足していくことは、簡単にできます。「少ないかな?」と感じるくらいの量から始めること。これこそが、プロが実践する、あらゆる失敗を未然に防ぐための絶対的な鉄則です。
髪の長さによる使用量の目安
基本となる「小豆一粒大」を基準に、ご自身の髪の長さに合わせて使用量を調整していきましょう。
短髪・ベリーショートの場合
髪が短いスタイルの場合は、基本の「小豆一粒大」で十分なことがほとんどです。動きをつけたい部分を中心に、ポイントで馴染ませるように使用するため、多くの量は必要ありません。
ミディアムヘアの場合
耳が隠れる程度のミディアムヘアの場合は、「大豆一粒大」程度が目安となります。髪全体に馴染ませる必要があるため、短髪よりは少し多めの量が必要ですが、これも一度に手に取るのではなく、まず小豆大から始め、足りなければ少量ずつ付け足していくのが成功の秘訣です。
長髪・パーマヘアの場合
襟足が長いスタイルや、パーマヘアの場合は、「1円玉大」程度が目安となることもあります。髪全体に均一に行き渡らせる必要があるため量は増えますが、これも数回に分けて髪に馴染ませていくことで、つけすぎによる失敗を防ぐことができます。
なぜ「つけすぎ」はスタイリングの失敗を招くのか
ワックスをつけすぎてしまうと、様々な問題が生じます。最も分かりやすいのは、髪が油分でベタベタとしてしまい、清潔感が失われてしまうことです。また、ワックス自体の重みで、せっかくドライヤーで立ち上げた根元や、創り上げたボリューム感がペタッと潰れてしまい、時間が経つにつれてスタイルが崩れやすくなります。さらに、余分なワックスは、一度のシャンプーでは落ちきらず、頭皮の毛穴詰まりや肌トラブルの原因にもなりかねません。
少量を最大限に活かす、正しい付け方
実は、ワックスの付け方をマスターすれば、驚くほど少量のワックスでも、十分に理想のスタイルを創ることが可能です。その秘訣は、手に取ったワックスを、手のひら、指の間まで、完全に透明になるまで完璧に伸ばし広げる「乳化」という工程にあります。このひと手間を丁寧に行うことで、少量のワックスでも髪全体にムラなく均一に馴染ませることができ、その性能を最大限に引き出すことができます。
あなただけの「適量」をサロンで見つけませんか
これまでにご紹介した量は、あくまで一般的な目安です。本当の「適量」は、お客様一人ひとりの髪質や毛量、そして使用するワックスの種類によって、微妙に異なります。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、基材となる成分の質が非常に高く、極めて伸びが良いように設計されています。そのため、市販の製品に比べて、さらに少ない量で、思い通りのスタイリングを創り出すことが可能です。
お客様の髪を最も深く理解している私達が、プロの視点から、お客様にとっての本当の「適量」と、それを最大限に活かすための使い方を、責任を持ってお伝えいたします。ぜひ一度、ご相談ください。