ワックスで「天パ」を活かす|くせ毛を魅力に変えるスタイリング術
ご自身の髪質が「天パ(天然パーマ)」であるがゆえに、毎日のスタイリングにお悩みの方も多いのではないでしょうか。「髪がまとまらずに広がってしまう」「ワックスをつけても、上手くくせを活かせない」といった声は、私達サロンでも非常によくお伺いします。しかし、実は天パは、正しいワックスの選び方と使い方さえマスターすれば、直毛では決して表現できない、個性的で魅力的なヘアスタイルを創り出す最高の素材なのです。この記事では、あなたの天パをコンプレックスから武器に変えるための、プロのスタイリング術について詳しく解説いたします。
天パ(天然パーマ)を活かすワックスの選び方
まず、天パの方がスタイリングを成功させる上で最も重要なのが、ワックス選びです。髪を無理に抑えつけたり、固めたりするのではなく、生まれ持ったカールの質感や動きを、より美しく見せることを目的としたワックスを選ぶ必要があります。
潤いとまとまりを与える「クリームワックス」
天パの方が抱えがちな「パサつき」や「広がり」を抑え、カールに潤いと自然なまとまりを与えてくれるのが、クリームタイプのワックスです。滑らかなテクスチャーで髪に馴染みやすく、固めすぎずに柔らかな質感をキープしてくれます。カールを程よくまとめながら、素髪のようなナチュラルなスタイルを創りたい場合に最適です。
カールを際立たせる「グリースタイプ」「ツヤ系ワックス」
髪のウェーブやカール感を、よりくっきりと、そして艶やかに表現したい場合には、グリースやツヤ系のワックスがその真価を発揮します。これらのスタイリング剤は、髪に美しい光沢感を与え、パサつきがちな毛先までしっとりとまとめてくれます。ウェットな質感に仕上げることで、大人の色気を感じさせる洗練されたパーマスタイルのような印象を創り出すことが可能です。
マット系やハード系ワックスの選び方
一般的に、ドライな質感のマットワックスや、セット力の強すぎるハードワックスは、天パの髪に使用すると、パサつきを強調してしまったり、カールが不自然に固まってしまったりする可能性があるため、選び方には注意が必要です。もし使用する場合は、ごく少量を毛先にのみ使うなど、ポイントを絞った使い方が求められます。
プロが実践する、天パを最大限に活かすスタイリング術
最適なワックスを選んだら、次はその性能を最大限に引き出すための、天パならではのスタイリング方法を実践しましょう。直毛の方とは、少し異なるアプローチが必要です。
「半乾き」の状態でワックスを馴染ませる
天パのスタイリングにおいて、ワックスをつける最適なタイミングは、髪を完全に乾かしきる前の「半乾き」の状態です。タオルドライ後、ドライヤーで根元を中心に軽く乾かし、毛先にはまだ水分が残っているくらいの状態がベストです。このタイミングでワックスを馴染ませることで、カールが最も美しい形を保ったまま、スタイリング剤を髪全体に均一に行き渡らせることができます。
「握り込む」ようにしてカールを創る
ワックスを手のひらでよく伸ばしたら、髪をとかすように指を通すのではなく、毛先から根元に向かって、髪を優しく「握り込む」ようにしてワックスを馴染ませていきます。この「スクランチ」と呼ばれる動作が、天パのカールを潰さずに、その立体感を美しく引き出すための最も重要なテクニックです。
最後の仕上げは「自然乾燥」か「弱風」で
ワックスを馴染ませた後は、ドライヤーの強い風を当てると、せっかくのカールが伸びてしまったり、髪が広がってしまったりする原因となります。可能であれば自然乾燥、もしドライヤーを使う場合は、風量を最も弱くして、髪を散らさないように優しく乾かして仕上げます。
最高のスタイルは「くせを活かすカット」から
これまで天パを活かすスタイリング術をご紹介してまいりましたが、その大前提として、お客様一人ひとりの髪のくせや流れを計算に入れた、プロフェッショナルなベースカットが不可欠です。
私達プロのスタイリストは、あなたの天パを唯一無二の個性として捉え、その魅力を最大限に引き出すためのカットデザインをご提案いたします。そして、そのカットを最も美しく見せるための、高品質な「サロン専売品」の中から最適な一品を選び出し、ご自宅で簡単に再現できるプロの技術を、責任を持ってお伝えさせていただきます。
もう、天パに悩む必要はございません。その個性を輝かせるために、ぜひ一度、私達にご相談ください。