ワックスを使っても「束感が出ない」方へ|原因とプロの解決策を徹底解説
お洒落なメンズヘアスタイルに欠かせない「束感」。ワックスを使って、あの立体感や動きのあるスタイルを創ろうとしても、「なぜか上手く束感が出ない」「ただベタっとするだけで、髪が平面的になってしまう」といったお悩みを抱えてはいませんか。実は、その問題の根本原因は、ワ-ックスそのものではなく、スタイリングのプロセスに隠されていることがほとんどです。この記事では、束感が出ない原因を解明し、明日から実践できるプロの解決策について詳しく解説いたします。
なぜ、あなたの髪には束感が出ないのか
束感が出ない原因は、主に三つ考えられます。それは、「スタイリング剤の選択ミス」「ドライヤーでの準備不足」そして「ワックスの付け方の間違い」です。これらのうち、一つでも当てはまると、理想の束感を創り出すことは難しくなります。
原因1:束感作りに適していないワックスを選んでいる
まず考えられるのが、使用しているワックスの種類が、束感作りに適していない可能性です。例えば、ツヤ感が強く、油分の多いグリースや、セット力の弱いクリームタイプのワックスだけでは、シャープで立体的な束を創ることは困難です。束感を創るためには、髪に適度な引っかかりとホールド力を与える、ファイバーワックスやマットワックス、クレイワックスなどが最も適しています。
原因2:ドライヤーで「束感の土台」を創れていない
これが、束感が出ない最も大きな原因と言っても過言ではありません。多くの方が、束感はワックスだけで創るものだと誤解していますが、それは間違いです。束感の土台、すなわち、髪と髪の間に生まれる「空気感」や「立体感」は、ワックスをつける前のドライヤーの段階で創り上げておく必要があります。ただ髪を乾かすだけでなく、手で髪を握り込むようにしたり、様々な方向に散らしながら乾かしたりすることで、髪に表情が生まれ、ワックスが馴染みやすい状態が創られます。
原因3:ワックスの付け方が「束感を潰して」いる
最後の原因が、ワックスの付け方です。量が多すぎる、手のひらで十分に伸びていない、髪の表面から押さえつけるように付けている、といった行為は、せっかくドライヤーで創った髪の間の空間を、ワックスで塗り固めて潰してしまっているのと同じです。結果として、束になるどころか、髪全体が重く、のっぺりとした印象になってしまいます。
理想の束感を創り出すための正しいスタイリング手順
それでは、これまでにご紹介した原因を踏まえ、プロが実践する、理想の束感を創り出すための正しい手順を見ていきましょう。
1.ドライヤーで髪を「散らしながら」完全に乾かす
まず、髪を乾かす際に、手ぐしで髪を色々な方向に散らしながら、根元からふんわりと乾かします。この工程によって、髪の間に空気の通り道が生まれ、束感の土台が完成します。髪は必ず、完全に乾かしきってください。
2.少量のワックスを「指先まで」完璧に伸ばす
手に取るワックスの量は、まず小豆一粒大から始めます。そして、実際に毛束を創る主役となる「指先」と「指の間」を中心に、摩擦熱で温めながら、完全に透明になるまで伸ばします。
3.「内側から」「下から上へ」とワックスを馴染ませる
準備ができたら、髪の表面からではなく、髪の内側に下から手を入れ、根元近くから毛先に向かって、髪全体をワシャワシャと散らすようにしてワックスを均一に付着させます。
4.指先で「つまみ出し」て束を創る
最後に、全体のシルエットを整えながら、指先に残ったワックスを使って、表面の毛束を少しずつつまみ出し、軽くねじるようにして、一本一本の束に表情を与えていきます。この丁寧なプロセスが、プロが創る立体的な束感の秘訣です。
最高の束感は、最高の「土台」と「道具」から
これまでにご紹介した方法を実践してもなお、束感作りにご満足いただけない場合、それはご自身の髪質や骨格に合わせた「ベースカット」が適切でない可能性があります。そもそも束感を創りやすいように、毛量調整や質感調整が施されていなければ、日々のスタイリングは難しいものになってしまいます。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単に束感を再現できるよう、緻密に計算してカットを施します。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から最適な一品を選び出し、目の前で実践しながら、このプロの作り方をマンツーマンで丁寧にお伝えさせていただきます。
もう、「束感が出ない」と悩む必要はございません。その答えを見つけるために、ぜひ一度、私達にご相談ください。