短髪を活かすヘアワックス|選び方とスタイリングの基本を解説
すっきりと清潔感があり、日々の手入れも比較的容易なことから、多くの男性に支持される短髪スタイル。しかしその一方で、「スタイリングがワンパターンになりがち」「ワックスをつけても上手く動きが出せない」といったお悩みを抱えている方も少なくないかと存じます。実は、短髪こそ、ワックスの選び方と使い方次第で、その魅力を何倍にも引き出すことができるのです。この記事では、短髪のスタイリングに最適なワックスの種類と、その性能を最大限に活かすための正しい使い方について、詳しく解説いたします。
短髪に最適なワックスの選び方
短い髪のスタイリングで求められるのは、主に髪の根元からの「立ち上がり」と、毛先で表現する「束感」や「動き」です。これらの要素を効果的に創り出すためには、セット力とホールド力に優れた、比較的硬めのテクスチャーを持つワックスを選ぶことが基本となります。
ドライで無造作な質感を創るマットワックスとクレイワックス
現代の短髪スタイルにおいて、最も相性が良いとされるのが、ツヤを抑えたドライな質感に仕上がるマットワックスやクレイワックスです。これらのワックスは、非常に高いセット力を持ちながらも、ベタつきが少なく、軽い仕上がりになるのが特徴です。髪の根元からしっかりと立ち上げ、ラフで無造作な束感を創り出すのに最適です。
確実なホールド力を求めるならハードワックス
創り上げたスタイルを一日中、強力にキープしたい場合には、一般的なハードワックスも有効な選択肢です。特に、髪が硬くて太い、いわゆる剛毛の方でも、思い通りのスタイリングを可能にする力強いホールド力を備えています。
プロが実践する、短髪スタイリングの正しい手順
最適なワックスを選んだら、次はその性能を最大限に引き出すための正しい使い方をマスターしましょう。短髪のスタイリングは、いくつかの重要なステップを経て完成します。
1.ドライヤーで髪の根元を立ち上げる
スタイリングの成否は、ワックスをつける前のドライヤーの段階で決まります。髪全体を乾かす際に、手で髪を握り込むようにしながら、根元に下からドライヤーの温風を当てて、髪全体の方向性や立ち上がりの土台を創り上げます。この工程を丁寧に行うことで、ワックスが少量で済み、スタイルも崩れにくくなります。
2.少量のワックスを完璧に伸ばす
髪が完全に乾いたら、まず小豆一粒大ほどの少量のワックスを手に取ります。それを、手のひら、指の間まで、完全に透明になるまで、両手を擦り合わせて完璧に伸ばしてください。セット力の高いワックスは硬いものが多いため、この「乳化」という工程が特に重要になります。
3.根元を意識して、髪を散らすように馴染ませる
準備ができたら、髪の表面からではなく、髪の内側に手を入れて、頭皮に近い根元付近からワックスを馴染ませていきます。髪全体を一度ワシャワシャと大胆に散らすようにして、均一にワックスを行き渡らせるのがプロのテクニックです。
4.指先で束感をつまみ出し、シルエットを整える
最後に、全体のシルエットを整え、指先に残ったワックスで毛束を少しずつつまみ出すようにして、スタイルの細部を創り込んでいきます。この丁寧な仕上げが、スタイルに立体感と洗練された印象を与えます。
最高の短髪スタイルは「カット」と「高品質なワックス」から
これまでにご紹介したスタイリング術を実践すれば、ご自宅での仕上がりは格段に向上するはずです。しかし、そもそも束感や動きが出やすいように、緻密に計算されたベースカットが施されていなければ、日々のスタイリングは難しいものになってしまいます。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単にスタイリングできるよう、再現性を第一に考えてカットを施します。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から最適なワックスを選び出し、その場で正しいスタイリング方法までを丁寧にお伝えさせていただきます。
最高の素材と、最高の技術。その両方をご提供することこそ、私達の役割です。短髪のスタイリングに関するお悩みは、ぜひ一度、私達にご相談ください。