ワックスの「塗り直し」は正解?崩れたスタイルを復活させるプロの技
朝、完璧にセットしたはずのヘアスタイルが、午後になると湿気や汗、時間の経過と共に、どうしても崩れてきてしまう。そんな時、「上からワックスを塗り直して、なんとか復活させたい」と、そう考えた経験はございませんでしょうか。良かれと思って行うこのワックスの「塗り直し」ですが、実は、やり方を間違えると、かえってスタイルを重くし、ベタつきを悪化させてしまう、諸刃の剣でもあります。この記事では、崩れてしまったスタイルを美しく手直しするための、プロが実践する正しいテクニックについて詳しく解説いたします。
なぜ、ワックスの単純な「塗り直し」は失敗しやすいのか
まず理解しておきたいのは、なぜ崩れた髪の上から、ただワックスを重ねるだけの「塗り直し」が、多くの場合失敗に終わるのか、その理由です。時間が経過した髪には、朝につけたワックスに加え、頭皮から分泌された皮脂や、空気中のホコリなどが付着しています。その上から、さらに油分であるワックスを重ねてしまうと、髪は余分な油分と重さを吸収しきれず、清潔感を失った、重くベタついた束になってしまうのです。また、スタイルの土台である根元の立ち上がりが既に失われている状態で、毛先だけにワックスを重ねても、根本的な解決にはなりません。
プロが実践する、正しい「手直し」の技術
それでは、プロはどのようにして、崩れたスタイルを復活させるのでしょうか。その秘訣は、新たに追加するワックスの量を最小限に、あるいはゼロにし、今髪についているワックスを「再活性化」させるという考え方にあります。
ステップ1:「水」を使って、ワックスを再活性化させる
まず、ワックスを手に取る前に、少量の「水」を手のひらに取ります。そして、その湿った手のひらで、崩れた部分の髪を優しく揉み込むように、あるいは手ぐしを通すようにして、髪に水分を補給します。髪に付着して固まっていたワックスは、この水分によって、つけたてのような柔らかく、再び動かせる状態へと「再活性化」します。
ステップ2:形を整え、自然乾燥させる
ワックスが再活性化し、髪が再び動かせるようになったら、指先で全体のシルエットや毛束感を整え直します。その後は、ドライヤーなどを使わず、そのまま自然乾燥させれば、ある程度のスタイルが復活します。
ステップ3:どうしても必要な場合のみ、ごく少量を「塗り足す」
上記の水のテクニックで手直しを行った上で、それでもキープ力に不安が残る場合や、毛先の動きをより強調したい場合に限り、ワックスの「塗り足し」を行います。その際の量は、「米粒一粒大」ほどのごく僅かな量に留めてください。それを指先にだけ伸ばし、毛束をつまむようにして、ピンポイントで補強します。
「塗り直し」を不要にするための、朝のスタイリングが最も重要
これまで、崩れた後の手直し術について解説してまいりましたが、最も本質的な解決策は、そもそも**「一日中、塗り直しの必要がない、崩れないスタイルを朝の時点で創り上げる」**ことにあります。そのためには、ドライヤーで髪の土台を完璧に創り上げること、そして、ご自身の髪質に合った、キープ力の高いワ-ックスを選ぶことが不可欠です。
一日中、美しさが持続する。プロの「道具」という選択
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、プロが求める、極めて高い「持続性」を追求して開発されています。時間が経っても重くならず、湿気や汗にも強い処方によって、朝創り上げたスタイルが、夜まで美しいまま維持されるように設計されています。
つまり、質の高いワックスを選ぶことは、日中の塗り直しの手間や、スタイルが崩れるというストレスそのものから、あなたを解放してくれる、最も有効な手段なのです。お客様の髪質とライフスタイルに合わせた、一日中崩れない最高のスタイリング剤を、私達が責任を持ってお選びいたします。ぜひ一度、その違いをご体感ください。