ワックスの正しい流し方|髪と頭皮をいたわるプロの洗浄術
毎日のスタイリングに欠かせないヘアワックスですが、一日の終わりに、そのワックスを皆様はどのように洗い流していらっしゃいますでしょうか。「シャンプーでゴシゴシ洗っているのに、ベタつきが残る」と感じるのは、もしかしたらワックスの「流し方」の基本を、見落としているからかもしれません。この記事では、髪と頭皮に負担をかけることなく、ワックスを完璧に洗い流すための、プロが実践する正しい手順と秘訣について詳しく解説いたします。
なぜワックスの「流し方」が重要なのか
ワックスの流し方が不十分で、髪や頭皮にスタイリング剤が残留してしまうと、様々なトラブルを引き起こす原因となります。頭皮の毛穴に汚れが詰まれば、フケやかゆみ、ニキビの原因となり、髪にワックスが残れば、ゴワつきやパサつき、ダメージの進行にも繋がりかねません。健康な髪は、清潔な頭皮という土台から育まれます。正しい流し方をマスターすることは、未来の髪を守るための、重要なヘアケアの一部なのです。
プロが実践する、完璧なワックスの「流し方」
頑固なワックスを、力任せではなく、科学的かつ効率的に洗い流すためには、いくつかの重要なステップが存在します。シャンプー剤を手にする前の「準備」こそが、その鍵を握っています。
ステップ1:シャンプー前の「予洗い」という名の、最初の流し方
まず、シャンプー剤を髪につける前に、38度前後のぬるま湯で、髪と頭皮をじっくりと時間をかけてすすぎます。この「予洗い」と呼ばれる工程を、最低でも1分から2分ほど、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように丁寧に行ってください。お湯の力だけで、髪表面のホコリや汚れと共に、付着したワックスの大部分を物理的に浮き上がらせ、洗い流すことができます。
ステップ2:コンディショナーでワックスを浮かせて流す
予洗いだけでは落としきれない、頑固なワックスに対して非常に有効なのが、このステップです。シャンプーの前に、まずコンディショナーやトリートメントを、ワックスが残っている部分を中心に馴染ませます。油性のワックスは、同じく油分を豊富に含むコンディショナーと混ざり合うことで「乳化」し、髪からスルリと浮き上がり、お湯で簡単に洗い流せる状態に変化します。このひと手間が、その後のシャンプーの効果を劇的に高めます。
ステップ3:シャンプーで頭皮を洗い、泡を流す
下準備が整ったら、ようやくシャンプーの工程に入ります。シャンプーは手のひらでよく泡立て、一度目の洗浄で髪に残ったワックスや汚れを落とし、二度目の洗浄で、頭皮の毛穴を清潔にするイメージで優しく洗い上げます。爪を立てずに、指の腹で頭皮を動かすように洗うのがポイントです。
ステップ4:すべてを完璧にリセットする、最後の流し方
洗髪において、洗う工程と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが最後の「すすぎ」です。シャンプー剤や浮き上がった汚れが髪や頭皮に残っていては、元も子もありません。シャワーヘッドを頭皮に近づけながら、襟足や生え際、耳の後ろといった、すすぎ残しが多い部分も意識して、時間をかけて丁寧に洗い流しましょう。
最高の「流し方」は、最高の「道具」から
これまでにご紹介した正しい流し方を実践する上で、使用するスタイリング剤やシャンプー自体の品質も、もちろん影響してきます。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、高いスタイリング性能を持ちながら、日々の洗髪で髪や頭皮に負担をかけないよう、「洗い流しやすさ」までを緻密に計算して開発されている製品が豊富にございます。そして、そのワックスを完璧に、かつ優しくリセットするために開発された専用のシャンプーもございます。
最高のスタイルを創り出し、そして一日の終わりには、優しく髪をいたわる。この理想的なサイクルを実現することこそ、私達が考える本物のヘアケアです。スタイリング剤やシャンプー選びに関するお悩みは、ぜひ一度、髪の専門家である私達にご相談ください。