ワックスでセットした髪が風で崩れる方へ|崩れないための予防策と技術
せっかく時間をかけて完璧にセットしたヘアスタイルが、外に出た瞬間、一陣の風によって無残にも崩れ去ってしまった。そんな、悔しくてがっかりした経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。「風」は、日中のヘアスタイルを脅かす、最も手強い敵の一つです。しかし、ご安心ください。いくつかの基本的な原則とプロの技術を取り入れれば、風に負けない、一日中崩れないヘアスタイルを創り上げることは十分に可能です。この記事では、ワックスでセットした髪が風で崩れる原因と、その根本的な対策について詳しく解説いたします。
なぜ、あなたのヘアスタイルは「風」に負けてしまうのか
ワックスでセットした髪が、風によって簡単に崩れてしまう場合、その原因は、単に「風が強かったから」というだけではありません。その背景には、スタイリングのプロセスそのものに、構造的な弱点が存在している可能性が非常に高いのです。
その最大の原因は、ヘアスタイルの土台が、ワックスの力だけに依存してしまっていることにあります。髪の表面にワックスをつけただけのスタイリングは、いわば砂上の楼閣のようなもの。髪の根元や内側がしっかりと支えられていないため、風という外部からの力が加わると、簡単にその形を失ってしまうのです。
風に負けない、強固なスタイルの作り方
それでは、プロはどのようにして、風にも負けない、一日中崩れない強固なスタイルを創り上げているのでしょうか。その秘訣は、ワックスをつける前の「準備」と、最後の「仕上げ」にあります。
1.ドライヤーで髪の「根元」と「毛流れ」を固定する
まず、風に強いスタイルの土台を創り上げるための、最も重要な工程が「ドライヤー」です。髪を乾かす際に、なりたいヘアスタイルの毛流れとは逆の方向から根元に温風を当てて立ち上げ、その後、本来の毛流れの方向に風を当てて整えます。そして、形が決まったら、冷風を当ててスタイルを固定します。この「温めて、冷やす」というプロセスによって、髪の根元に力強い立ち上がりと、崩れにくい方向性が記憶され、スタイルの強固な土台が完成します。
2.セット力の高いワックスで、髪の「内側」から支える
ドライヤーで創った土台を、さらに力強く支えるために、セット力の高いハードタイプのワックスを選びます。そして、そのワックスを、髪の表面からつけるのではなく、髪の内側に下から手を入れ、根元近くから馴染ませていきます。髪を内側から支えるようにワックスをつけることで、スタイル全体の強度と安定性が格段に向上します。
プロが使う最終兵器:「ヘアスプレー」の活用
そして、風でスタイルを絶対に崩したくない、という日のための、プロが使う最終兵器が「ヘアスプレー」です。ワックスで全体の形を整えた後、最後の仕上げとして、キープ力の高いヘアスプレーを髪全体に軽く吹きかけます。スプレーの樹脂成分が、創り上げたスタイル全体を、まるで透明な薄い膜のようにコーティングし、髪の一本一本を固定してくれます。これにより、ワックスだけでは防ぎきれない、強い風の侵入から、ヘアスタイルを完璧に守り抜くことが可能になります。髪から20cmほど離して、全体に均一に吹きかけるのが、自然な仕上がりにするコツです。
最高の技術は、最高の「道具」から
これまでにご紹介した方法を実践すれば、あなたのスタイリングは、もう風を恐れる必要はなくなるはずです。そして、そのプロの技術を、より簡単に、そしてより高いレベルで実現させてくれるのが、高品質なスタイリング剤です。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、市販の製品とは比較にならないほど、高い持続性と、湿気や風に対する耐性を備えています。強力なセット力を誇るワックスと、それを完璧に固定する柔軟で強力なヘアスプレー。この最高の組み合わせを、お客様一人ひとりの髪質とスタイルに合わせてご提案させていただくことこそ、私達の役割です。
もう、風に吹かれて、がっかりする必要はございません。ぜひ一度、その違いをサロンでご体感ください。