ワックスで髪が引っかかる原因は?スムーズな操作性を実現する方法
ヘアワックスを髪に馴染ませている最中に、指や手ぐしが「引っかかる」ような、不快な感覚を覚えた経験はございませんでしょうか。この「引っかかり」は、スタイリングをスムーズに行うことを妨げるだけでなく、無理に力を加えることで、髪にダメージを与えてしまう原因にもなりかねません。この記事では、ワックスで髪が引っかかる主な原因を解明し、それを解消して、プロのような滑らかな操作性を実現するための、正しい知識と技術について詳しく解説いたします。
ワックスで髪が「引っかかる」主な原因とは
スタイリング中に髪が引っかかる現象は、主に三つの原因が考えられます。ご自身の状況と照らし合わせながら、その原因を探ってみましょう。
原因1:ワックスの「種類」による特性
まず、製品の特性として、意図的に「引っかかり」を生み出すように設計されているワックスが存在します。特に、セット力が非常に高く、ツヤを抑えたドライな質感に仕上げるマットワックスやクレイワックスが、その代表例です。これらのワックスは、髪に適度な摩擦力、すなわち「引っかかり」を与えることで、サラサラとした直毛でも動きをつけやすくしたり、ボリュームを出しやすくしたりする効果を狙っています。この場合、「引っかかり」は製品の欠点ではなく、性能の一部なのです。
原因2:手のひらでの「伸ばし不足」
これが、ワックスが引っかかる、最も多く見られる原因です。ワックスを手のひらに取った後、十分に伸ばしきれていない、半固形の塊が残ったままの状態で髪につけてしまうと、その塊が髪の毛に絡みつき、強い引っかかりを生み出します。ワックスは、手のひらで完璧に伸ばし、透明なオイル状に「乳化」させて初めて、その真価を発揮します。
原因3:髪の状態が適切でない
髪が絡まったままの状態や、ダメージによってキューティクルが乱れている状態でワックスをつけると、より一層引っかかりを感じやすくなります。スタイリングは、ブラッシングなどで髪の絡まりを解き、綺麗な状態から始めることが基本です。
「引っかかり」を「操作性」に変える、プロのスタイリング術
それでは、ワックスの引っかかりを防ぎ、スムーズなスタイリングを実現するためには、どうすれば良いのでしょうか。その答えは、ワックスを髪につける前の「準備」にあります。
鍵を握るのは、完璧な「乳化」
ワックスが引っかかる最大の原因である「伸ばし不足」を解消するためには、ワックスを手のひらで伸ばす「乳化」のプロセスを、完璧に行う必要があります。適量を手のひらに取ったら、両手を強く擦り合わせ、摩擦熱と体温でワックスを完全に溶かしてください。ワックスの白い塊が完全に見えなくなり、手のひら全体が、まるで透明なオイルを塗ったかのように、均一なツヤを帯びている状態が、完璧な乳化のサインです。
「散らす」ように馴染ませ、抵抗をなくす
完璧に乳化したワックスは、髪に塗布する際も、指を通すのではなく、まず髪の内側から、髪をワシャワシャと振るようにして「散らす」ように馴染ませていきます。これにより、髪全体にワックスが均一に付着し、その後の手ぐしや指での操作が、驚くほどスムーズになります。
滑らかな「操作性」を追求した、サロンの品質
これまで、引っかかりをなくすための技術について解説してまいりましたが、その技術をさらに確実なものにするためには、使用するワックス自体の「品質」も大きく影響してきます。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、基材となる成分の質が非常に高く、処方が徹底的に研究されています。そのため、高いセット力を持つ製品であっても、驚くほど滑らかに伸び、髪に引っかかることなく、スムーズに馴染んでいくように設計されています。
最高のパフォーマンスを、最高の使用感で。それこそが、プロの道具です。お客様の髪質とスタイルに最適な、そして、ストレスのない操作性を約束する一品を、私達が責任を持ってお選びいたします。ぜひ一度、その違いをご体感ください。