ワックスとヘアスプレーの正しい関係|二つを使いこなし、スタイルを完璧に
メンズヘアスタイリングにおいて、最も代表的な二つのアイテム、「ワックス」と「ヘアスプレー」。多くの方が、どちらか一方、あるいは両方をお使いのことと存じます。しかし、この二つのスタイリング剤が持つ、それぞれの本当の役割と、その効果を最大限に引き出すための正しい使う順番を、正確にご存知でしょうか。実は、ワックスとヘアスプレーを正しく連携させることこそが、一日中崩れない、完璧なサロンスタイルを創り上げるための、プロが実践する最大の秘訣なのです。
まず理解する、ワックスとヘアスプレーの「役割分担」
この二つのアイテムを使いこなすためには、まず、それぞれの「役割」が根本的に異なることを理解する必要があります。
ワックスの役割:「形」と「質感」を創る、造形担当
ヘアワックスの主な役割は、髪の「形」と「質感」を創り上げることです。髪の根元を立ち上げたり、サイドを抑えたり、あるいは、毛束感や動きといった、ヘアスタイルのデザインの核となる部分を、その操作性の高さを活かして粘土のように「造形」していくのが、ワックスの仕事です。いわば、スタイリングにおける「彫刻家」のような存在と言えるでしょう。
ヘアスプレーの役割:「形」を「固定」し、維持する、仕上げ担当
一方、ヘアスプレーの主な役割は、ワックスによって創り上げられた、その完璧な髪型を、最終的に「固定」し、一日中維持することです。霧状の樹脂成分が、髪の表面を薄い膜のようにコーティングし、風や湿気といった、スタイルを崩す外部からの攻撃から髪を守ります。いわば、彫刻作品を保護するための「コーティング剤」のような存在なのです。
プロが実践する、完璧な連携術の正しい「順番」
この明確な役割分担を理解すれば、自ずと、二つのアイテムを使うべき正しい順番が見えてきます。
ステップ1:ドライヤーで、髪型の「土台」を創る
まず、全ての基本となるのが、ドライヤーです。髪を乾かしながら、スタイルの大まかなシルエットやボリューム感、毛流れといった、髪型の「土台」を創り上げます。
ステップ2:ワックスで、髪の「形」と「質感」を創る
髪が完全に乾いた状態で、ワックスを使い、スタイルのディテールを創り込んでいきます。束感を創り、毛流れを整え、全体の形を完璧に造形してください。この段階で、ヘアスタイルは、デザイン的にはほぼ完成している状態です。
ステップ3:ヘアスプレーで、スタイルを「固定」する
そして、ワックスによってヘアスタイルが完璧に完成した後、いよいよヘアスプレーの出番です。創り上げた髪型を維持するように、髪から20cmほど離した位置から、髪全体に均一に、そして軽く吹きかけます。この「ワックスの後」という順番が、それぞれの性能を最大限に引き出すための、唯一の正解です。
ヘアスプレーを効果的に使うための、プロのコツ
ヘアスプレーを使う際に、髪がガチガチに固まって、不自然な仕上がりになるのを避けるためには、いくつかのコツがあります。まず、一箇所に集中してスプレーするのではなく、常に動かしながら、髪の表面だけでなく、内側にも軽く吹きかけるように意識してください。また、全体のホールドだけでなく、崩れやすい前髪や、立ち上げたいトップの根元などに、ポイントでスプレーするのも非常に効果的です。
最高の連携は、最高の「道具」から
これまで、ワックスとヘアスプレーの正しい連携術について解説してまいりました。そして、このプロの技術を、ご自宅でより高いレベルで実現させてくれるのが、高品質なスタイリング剤です。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、市販の製品とは比較にならないほど、高い性能を誇ります。ワックスは、ベタつくことなく、軽やかで繊細な質感を創り出し、ヘアスプレーは、強力なキープ力を持ちながらも、不自然に固まることなく、柔軟な仕上がりを実現します。
お客様の髪質と創りたいスタイルに合わせた、最高の「ワックス」と「ヘアスプレー」の組み合わせを、私達が責任を持ってお選びいたします。ぜひ一度、その違いをご体感ください。