ワックスとヘアバームの違いとは?目的で選ぶ正しい使い方
メンズスタイリングの世界で、定番の「ワックス」に加え、近年急速にその存在感を増している「ヘアバーム」。どちらも髪を整えるためのアイテムですが、この二つの製品が持つ特性や目的が、全く異なるものであることをご存知でしょうか。「なんとなく、どちらも同じようなもの」と考えてしまいがちですが、その違いを正しく理解し、使い分けることで、あなたのヘアスタイリングは、より理想の仕上がりに近づきます。この記事では、ヘアワックスとヘアバームの決定的な違いについて、詳しく解説いたします。
まず理解する、それぞれの「主成分」と「目的」の違い
ワックスとバームの最も大きな違いは、その製品が「何から作られ、何を主な目的としているか」という、根本的な思想にあります。
ヘアワックスの主成分と目的
ヘアワックスは、その主な目的が「スタイリング」にある製品です。ロウ成分や樹脂成分などを主成分とし、髪にセット力やキープ力を与え、動きや束感といった、ヘアデザインの骨格を創り上げるために開発されています。
ヘアバームの主成分と目的
一方、ヘアバームは、その主な目的が「ヘアケア」にある製品です。シアバターやホホバオイルといった、天然由来の植物性オイルやバターを主成分としており、髪に潤いと栄養を与え、乾燥やパサつきを抑えることを第一の目的としています。そして、その保湿効果の副産物として、髪が自然にまとまり、スタイリング剤としても機能する、という位置付けになります。
「セット力」と「質感」の比較
この目的の違いが、製品の性能にどのような差を生み出すのかを、具体的に比較していきましょう。
セット力の比較
セット力、すなわちスタイルを維持する力は、一般的にワックスの方が、ヘアバームよりも格段に強く設計されています。髪を根元から立ち上げたり、シャープな束感を創り出したりといった、積極的なスタイリングには、ワックスのセット力が必要不可欠です。一方、ヘアバームのセット力は非常に穏やかで、あくまで自然な毛流れを整えたり、髪の広がりを抑えたりする程度です。
仕上がる質感の比較
ワックスは、マットなものからツヤのあるものまで、製品によって多種多様な質感を創り出すことができます。一方、ヘアバームは、主成分であるオイルやバターの効果により、基本的に、髪が潤っているかのような、自然で上品なツヤ感のある仕上がりになります。パサつきがちな髪に、健康的な輝きを与えたい場合に、その真価を発揮します。
どちらを選ぶべきか?髪型と求めるイメージによる使い分け
それでは、どのような場合に、ワックスとヘアバームを使い分ければ良いのでしょうか。
ヘアワックスがおすすめの場合
短髪で、髪を根元からしっかりと立ち上げたい場合や、立体的な束感を強調した、動きのあるスタイルを創りたい場合には、ヘアワックスが最適です。
ヘアバームがおすすめの場合
作り込みすぎない、素髪のようなナチュラルなスタイルを目指す場合や、ミディアムからロングヘアの、パサつきや広がりを抑えて、自然なまとまりとツヤ感を与えたい場合に、ヘアバームは最高の選択肢となります。また、主成分が天然由来成分である製品が多いため、髪や頭皮への優しさを最優先に考えたい方にもおすすめです。
最高の「質感」は、最高の「製品」から生まれる
これまで、ワックスとヘアバームの違いについて解説してまいりましたが、近年では、その境界線は、より曖昧になりつつあります。例えば、ヘアケア成分を豊富に含んだワックスや、ある程度のセット力を持つヘアバームなど、両方の長所を兼ね備えた、高品質な製品も数多く登場しています。
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