ワックスと「風呂」の関係性|正しい落とし方と保管場所
毎日のヘアスタイリングに欠かせないヘアワックスですが、その一日の始まりと終わりを迎える場所、すなわち「風呂(浴室)」との関係性について、深く考えたことはございますでしょうか。「お風呂で、ワックスをどう洗い流すのが正解なのか」「ワックスを、お風呂場に置いていても良いのだろうか」。この記事では、そんなワックスと風呂にまつわる、多くの方が抱える素朴な疑問について、髪と製品の品質を守るための、プロの視点からの正しい知識を詳しく解説いたします。
「風呂」で行う、ワックスの完璧なリセット術
まず、一日のスタイリングを終えた後、お風呂で行うべき、ワックスの正しい洗い流し方についてです。ワックスの洗い残しは、頭皮の毛穴詰まりや髪のベタつきの原因となるため、その日のうちに完璧にリセットすることが、健やかな髪を保つための絶対的なルールです。
1.シャワーで、時間をかけて「予洗い」をする
シャンプー剤を髪につける前に、まずはシャワーのぬるま湯で、髪と頭皮をじっくりと時間をかけてすすぎます。この「予洗い」を1分から2分ほど丁寧に行うことで、お湯の力だけで、髪表面の汚れと共に、ワックスの大部分を浮かび上がらせ、洗い流すことができます。
2.コンディショナーで、ワックスを浮かせて流す
予洗いだけでは落としきれない頑固なワックスには、シャンプーの前に、まずコンディショナーやトリートメントを馴染ませる、という方法が非常に有効です。油性のワックスが、同じく油分を含むコンディショナーと混ざり合うことで「乳化」し、髪からスルリと浮き上がり、驚くほど洗い流しやすい状態に変化します。
3.二度のシャンプーで、頭皮まで清潔に
下準備が整ったら、ようやくシャンプーを行います。一度目のシャンプーで髪に残ったワックスや汚れを落とし、二度目のシャンプーで頭皮を洗う、という意識で二度洗いを行えば、毛穴までを清潔に、すっきりと洗い上げることができます。
あなたのワックス、お風呂場に置きっぱなしにしていませんか
次に、ワックスの保管場所についてです。使いやすさから、ワックスを風呂場や、湿気の多い洗面台に置いている方も多いかもしれませんが、それは、製品の品質を著しく損なう、最も避けるべき保管方法の一つです。
風呂場が、ワックスの保管に適さない理由
風呂場は、ご存知の通り、「高温多湿」な環境です。ワックスは熱に弱く、高温に晒されると、中のロウ成分やオイルが溶けて、成分が分離してしまうことがあります。また、高い湿度は、容器内に雑菌やカビが繁殖する原因となり得ます。こうした品質が劣化したワックスを使い続けることは、スタイリングが上手くいかないだけでなく、髪や頭皮への負担となる可能性も否定できません。
ワックスの品質を保つ、正しい保管場所
ワックスを保管するための最適な場所、それは、「冷暗所」、すなわち、直射日光が当たらず、温度変化が少なく、湿度の低い、涼しい場所です。ご自身の部屋の棚や引き出しの中などが、最適な保管場所と言えるでしょう。使用後は必ずきちんと蓋を閉め、お風呂場からは出して保管する、という習慣を徹底してください。
最高の品質を、最高の状態で
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、その品質が長期間安定して維持されるように、基材となる成分の選定や、容器の密閉性にまで、徹底したこだわりを持って開発されています。そして、日々の洗髪で髪や頭皮に負担をかけないよう、「洗い流しやすさ」までを緻密に計算されています。
お客様が、常に最高のコンディションの製品を、最高のパフォーマンスでご使用いただくこと。そのための、正しい知識と、本物の製品を、私達はご提供いたします。ぜひ一度、髪の専門家である私達にご相談ください。