ワックスの蓋を開けっ放しにすると?品質劣化を防ぐ正しい知識
忙しい朝のスタイリングの後、ヘアワックスの蓋をうっかり開けっ放しにして外出してしまった。そんな、誰にでも起こりうる小さな失敗。しかし、その何気ない「開けっ放し」という行為が、あなたのお気に入りのワックスの品質を、知らず知らずのうちに損なっている可能性があることをご存知でしょうか。この記事では、ワックスの蓋を開けっ放しにすることで生じる様々な問題と、製品の品質を長持ちさせるための正しい保管方法について、詳しく解説いたします。
ワックスの蓋を開けっ放しにすると、何が起きるのか
ヘアワックスの蓋を開けたまま放置してしまうと、主に三つの好ましくない変化が起こります。
1.水分の蒸発による乾燥と硬化
多くのヘアワックスには、滑らかなテクスチャーや、髪への馴染みの良さを実現するために、微量の水分が含まれています。蓋が開いたままだと、この水分が空気中に蒸発してしまい、ワックスの表面から徐々に乾燥が進みます。その結果、ワックスは硬化し、手のひらで伸ばしにくくなったり、髪につけた際にダマになったりと、著しく使用感が悪くなってしまうのです。
2.品質の劣化と香りの変化
ワックスは、長時間空気に触れ続けることで、配合されている油分などが「酸化」し、品質の劣化が進行します。酸化が進むと、ワックス本来のセット力やキープ力が弱まってしまうだけでなく、製品の香りが変化し、古い油のような不快な匂いが発生することもあります。
3.ホコリや雑菌の混入による不衛生な状態
蓋が開いた状態のワックスは、空気中に浮遊するホコリや髪の毛、そして目に見えない雑菌などが混入しやすい、非常に無防備な状態です。不衛生な状態のワックスを髪や頭皮に使用し続けることは、肌荒れや頭皮トラブルを引き起こす原因ともなりかねません。
蓋を開けっ放しにしたワックスは、まだ使えるのか
もし、ワックスの蓋を開けっ放しにしてしまった場合、それはまだ使えるのでしょうか。判断の目安は、その「放置時間」と「ワックスの状態」にあります。
数時間程度の短い時間であれば、表面が少し乾燥している程度で、大きな品質の変化はないかもしれません。その場合は、乾燥した表面の部分を薄く削り取り、その下の柔らかい部分を使用することで、問題なく使えることがほとんどです。
しかし、丸一日以上放置してしまったり、ワックスが明らかに硬化している、変色や異臭がする、といった場合は、製品の劣化が著しく進行しているサインです。その際は、無理に使用を続けず、新しいものに買い替えることを強くお勧めいたします。
ワックスの品質を保つための、正しい保管方法
お気に入りのワックスを、常に最高のコンディションで使い続けるための保管方法は、非常にシンプルです。それは、**「使用後は、必ずすぐに、そして、きちんと蓋を閉める」**という、基本的な習慣を徹底すること。そして、直射日光が当たる場所や、浴室などの高温多湿になる場所を避け、温度変化の少ない常温の場所で保管することです。この二つのルールを守るだけで、ワックスの品質は格段に長持ちします。
最高のコンディションを、最高の品質で
スタイリング剤は、常にフレッシュで品質が安定した状態で使用してこそ、その性能を最大限に発揮します。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、優れた性能はもちろんのこと、その品質が長期間安定して維持されるように、基材となる成分の選定や、容器の密閉性にまで、徹底したこだわりを持って開発されています。
お客様が、常に最高のコンディションの製品を、最高のパフォーマンスでご使用いただくこと。それこそが、私達がサロン専売品をお勧めする理由です。製品の正しい保管方法など、ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に、髪の専門家である私達にご相談ください。