ワックスとブラシの上手な使い方|ワンランク上の整髪術
ご自宅でのヘアスタイリングにおいて、皆様は、ヘアワックスをつけた後、どのように髪を整えていらっしゃいますでしょうか。多くの方が、手ぐしだけで仕上げているかと存じます。しかし、そこに「ブラシ」、特に「コーム(櫛)」という道具を一つ加えるだけで、あなたのヘアスタイルは、より一層、整然とした、洗練された印象へと昇華します。この記事では、ワックスとブラシを巧みに使いこなし、ワンランク上のスタイルを創り上げるための、プロの技術について詳しく解説いたします。
ワックスとブラシを併用する、その目的とは
まず、どのような場面で、ワックスとブラシを併用するのが効果的なのでしょうか。その最大の目的は、手ぐしだけでは創り出すことのできない、均一で、美しい「毛流れ」を創り出すことにあります。
指で創るスタイルが、立体的で、動きのある「束感」を得意とするのに対し、ブラシやコームを使って創るスタイルは、髪一本一本が同じ方向に整然と流れる、滑らかで、まとまりのある「面」を創り出すことを得意とします。七三分けやサイドパート、オールバックといった、クラシカルで品のあるスタイルや、清潔感が求められるビジネスシーンのスタイリングにおいて、この技術は不可欠なものとなります。
スタイリングに最適な、ブラシ(コーム)の種類
一言でブラシと言っても、その種類は様々ですが、ワックスを使った後のスタイリングにおいては、一般的なヘアブラシよりも、「コーム(櫛)」が、より適しています。
粗目のコーム(メッシュコーム)
櫛の歯の間隔が広く、粗いタイプのコームです。これを使うと、髪をとかした際に、ある程度の毛束がまとまって残り、クラシカルな雰囲気の中に、現代的な束感を表現することができます。
細目のコーム
櫛の歯の間隔が狭く、細かいタイプのコームです。これを使うと、髪一本一本が、より緻密に、そして均一に整えられ、非常にタイトで、光沢感のある、シャープな仕上がりになります。
プロが実践する、ワックスとブラシの正しい使い方
ワックスとブラシを使ったスタイリングを成功させる鍵は、その「順番」と「力加減」にあります。
1.まず、ワックスを手で、髪全体に均一に馴染ませる
まず、ブラシを使う前に、通常通り、適量のワックスを手のひらで完璧に伸ばし、髪全体に均一に馴染ませておきます。この時、創りたい毛流れの方向を意識しながら、大まかな形を創っておいてください。ブラシに直接ワックスをつけて、髪をとかす、という使い方は、ムラの原因となるため間違いです。
2.ブラシを使い、毛流れを「デザイン」する
髪全体にワックスが馴染んだら、いよいよブラシの出番です。創りたい毛流れに沿って、髪の根元から毛先に向かって、一定の力で、そして滑らせるように、優しくブラシを通していきます。分け目を創る際は、コームの先端を使い、直線を描くようにすると、美しく仕上がります。
3.ツヤ系のスタイリング剤との相性
このテクニックは、ワックスの中でも、特に、滑らかなテクスチャーを持つ「クリームタイプ」のワックスや、あるいは、「グリース」や「ポマード」といった、ツヤ系のスタイリング剤と、非常に相性が良いと言えます。
最高のスタイルは、最高の「道具」と「設計」から
これまで、ワックスとブラシを使ったスタイリング術をご紹介してまいりましたが、その大前提として、お客様一人ひとりの髪質や骨格に合わせて、そもそもブラシが通りやすく、美しい毛流れが創りやすいように緻密に計算されたベースカットが施されていることが、何よりも重要です。
私達プロのスタイリストは、お客様がご自宅で簡単に理想のスタイルを再現できるよう、カットの段階からデザインを創り上げます。そして、そのカットデザインを最大限に活かすための、高品質な「サロン専売品」の中から、ブラシとの相性が最も良い、滑らかなスタイリング剤を選び出し、プロの技術を直接お伝えさせていただきます。
もう、自己流のスタイリングで、悩む必要はございません。ぜひ一度、私達にご相談ください。