ワックスの「部分塗り」とは?スタイルを格上げする上級テクニック
ヘアワックスを髪全体に馴染ませてスタイリングを行うのが、一般的な使い方だとお考えの方も多いかと存じます。しかし、プロのスタイリストが、お客様のヘアスタイルに、より繊細なディテールと、洗練された質感を加える際に多用するのが、ワックスをあえて特定の箇所にのみつける、「部分塗り」という高度なテクニックです。この記事では、あなたのスタイリングを、もうワンランク上のレベルへと引き上げる、ワックスの部分塗りという技術について、詳しく解説いたします。
ワックスの「部分塗り」が有効な場面とは
ワックスの部分塗りとは、その名の通り、髪全体ではなく、ヘアデザインを構成する特定の部分、例えば、前髪の毛先や、トップの毛束、あるいは襟足といった箇所に、ピンポイントでワックスを塗布する技術のことを指します。この技術が、どのような場面で有効なのでしょうか。
1.スタイルの細部に、動きや束感を加えたい時
髪全体にワックスを馴染ませてベースを創った後、さらに前髪の毛流れを強調したり、トップにシャープな毛束のアクセントを加えたりと、スタイルの細部を、より緻密に創り込みたい場合に、この部分塗りが活躍します。
2.悩みを、部分的に解消したい時
例えば、「サイドのこの部分だけが、どうしても膨らんでしまう」「前髪のこの一束だけが、言うことを聞かない」といった、スタイルの悩みを、部分的に解消するためにも、この技術は非常に有効です。髪全体を重くすることなく、問題の箇所だけを、的確にコントロールすることが可能になります。
3.日中の、スタイルの手直しとして
時間が経つにつれて、スタイルの一部が崩れてきてしまった際に、髪全体にワックスを塗り直すと、重さやベタつきの原因となります。そんな時、崩れた部分にだけ、ごく少量のワックスを部分塗りすることで、スマートに、そして美しくスタイルを復活させることができます。
プロが実践する、正しい「部分塗り」のやり方
ワックスの部分塗りを成功させる鍵は、「使用するワックスの量」と、「指先への馴染ませ方」にあります。
1.使用するのは「米粒一粒大」のごく少量
まず、手に取るワックスの量は、髪全体をセットする場合の、さらに半分以下、「米粒一粒大」ほどのごく僅かな量で十分です。量が多すぎると、その部分だけが不自然にベタついてしまうため、くれぐれもつけすぎには注意してください。
2.手のひらではなく「指先」にだけ伸ばす
ここが、最も重要なポイントです。手に取ったごく少量のワックスを、手のひら全体ではなく、スタイリングに直接使う、人差し指と親指の指先、指の腹を中心に、透明になるまでしっかりと伸ばします。
3.「つまんで」「ねじる」ように、ピンポイントでつける
準備ができたら、修正したい、あるいは質感を加えたい部分の毛束を、ワックスを伸ばした指先で優しくつまみ、軽くねじるようにして、ピンポイントでワックスを馴染ませていきます。髪全体に影響を与えることなく、狙った箇所だけを、的確にスタイリングすることが、この技術の神髄です。
最高の「技術」は、最高の「道具」から
このプロの繊細なテクニックを、ご自宅でより高いレベルで実現させてくれるのが、高品質なスタイリング剤です。
私達サロンで取り扱うプロフェッショナル仕様のスタイリング剤、いわゆる「サロン専売品」は、ベタつきが少なく、非常に軽い使用感でありながら、高いスタイリング性能を誇ります。そのため、部分塗りのような、繊細なコントロールが求められる場面においても、重くなることなく、驚くほど美しい毛束感や毛流れを創り出すことが可能です。
お客様の髪質とスタイルに最適な一品と、それを最大限に活かすためのプロの技術。その両方をご提供させていただくことこそ、私達の役割です。ぜひ一度、その違いをご体感ください。