床屋での「髪をすく」注文の仕方|質感とまとまりを創るプロの技術
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「髪が重く感じるので、全体的にすいてください」これは、床屋や理容室で、非常によく聞かれる注文の一つです。しかし、この「髪をすく」という行為が、実はヘアスタイル全体の質感や、日々のまとまりを決定づける、極めて専門的で、繊細な技術であることをご存知でしょうか。この記事では、あなたのヘアスタイルを、ワンランク上のものへと導く、プロの「髪をすく」技術と、その正しい注文の仕方について詳しく解説します。
Contents
「髪をすく」とは、ヘアデザインの重要な設計工程
「髪をすく」という行為は、ただやみくもに髪の量を減らしているのではありません。プロの理容師は、お客様のなりたいイメージや、悩みを解決するために、明確な目的を持って、すきバサミなどの道具を使い分けています。
目的によって、道具と技術は全く異なります
- 質感(テクスチャー)を創る
ワックスなどをつけた際に、髪に束感や動きを出しやすくするために、毛先を中心に、計算しながら髪をすき、軽やかさを与えます。 - ボリュームを的確に抑える
サイドが膨らんで頭が大きく見えてしまう、といった悩みを解決するために、ヘアスタイルの内側の、見えない部分の毛量を的確に調整し、シルエットをコンパクトに整えます。 - スタイルを自然に馴染ませる
刈り上げた部分と、その上の長い髪との境目など、長さが違う部分を自然にぼかし、滑らかに繋げるためにも、この技術は使われます。
あなたの悩みを解決する、正しい注文の仕方
「すいてください」という一言に、あなたの具体的な「悩み」や「希望」を付け加えるだけで、プロは、あなたに最適な「すき方」を導き出してくれます。
具体的な「悩み」や「希望」を伝えよう
- 「髪が重くて、ワックスをつけても、スタイリングで動きが出ません」
この一言で、理容師は、あなたの目的が「スタイリングをしやすくするための、質感の調整」であることを理解し、毛先を中心に、動きが出やすいように軽くしてくれます。 - 「サイドが膨らんで、頭が大きく見えてしまうのが悩みです」
この悩みに対して、プロは、ヘアスタイルの表面ではなく、その内側の毛量を、シルエットが最も美しく見えるように、緻密に調整してくれます。 - 「今の髪の長さは変えずに、見た目の印象だけを、軽くしたいです」
これは、まさに「髪をすく」技術の真骨頂を求める、非常に的確なオーダーです。
プロが「髪をすかない」という判断をする時
実は、優れた理容師は、お客様の髪質や、目指すスタイルによっては、あえて「髪をすかない」という、最善の提案をすることもあります。
全ての髪に、すきバサミが必要なわけではない
- 髪が細く、元々量が少ない場合
このような髪質の方の髪をすいてしまうと、かえって髪がペタッとしてしまい、貧相な印象になってしまう可能性があります。 - ツヤ感を重視する、クラシックなスタイルの場合
きっちりとした七三分けなど、髪の面を美しく見せたい、ツヤ感が命のスタイルでは、あまり髪をすかずに、ある程度の重さを残した方が、品格のある仕上がりになります。 - くせ毛の種類による場合
くせ毛の種類によっては、中途半端に髪をすくことで、かえってクセが暴れてしまい、まとまりがつかなくなることがあります。
なぜ「髪をすく」技術は、プロにしかできないのか
この技術は、ヘアスタイルの見えない内側を、建築のように設計していく、極めて高度な作業です。
見えない内側を、計算してカットする
- 髪の建築家
プロの理容師は、ヘアスタイルの構造を完璧に理解しています。そして、そのスタイルが最も美しく、そして長持ちするように、まるで建築家が、建物の見えない基礎や、柱を設計するように、髪の内側を、計算しながらカットしているのです。 - 失敗のリスク
この技術を自己流で行うことは、まず不可能です。「すきすぎ」は、ヘアスタイルにおける最も多い失敗例の一つであり、一度すきすぎてパサパサになってしまった髪は、数ヶ月間、元には戻りません。
まとめ
「髪をすく」という技術は、あなたのヘアスタイルに、軽やかさ、動き、そしてまとまりを与えるための、非常に重要な工程です。そのオーダーを成功させる鍵は、ただ「すいてください」と伝えるだけでなく、あなたが「なぜ、すいてほしいのか」という、その目的や悩みを、プロの理容師に正直に話してみることです。
優れた理容師は、あなたの髪質を的確に診断し、時には「すかない」という最善の選択も含め、あなたにとって、本当に必要な技術を提案してくれる、頼れるパートナーです。ぜひ安心して、あなたの髪の悩みを、サロンで相談してみてください。
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