決めすぎないのが今っぽい。大人の「ゆるめ」ツーブロックスタイル
「ツーブロックにしたいけど、カチッとしすぎたり、シャープになりすぎたりするのは、少し自分の気分じゃない…」
「もっと肩の力が抜けた、自然体でリラックスしたお洒落を楽しみたい」
そんな風に感じている男性が、今とても増えています。ヘアスタイルにおいても、作り込んだ完璧なスタイルより、どこかに「抜け感」や「遊び」のあるスタイルが求められる時代になりました。
その答えが、清潔感を保ちつつ、絶妙な**「ゆるさ」をプラスした「ゆるめツーブロック」**です。この記事では、頑張っているように見えないのに、なぜかお洒落な雰囲気を醸し出す、その魅力と秘訣について詳しく解説していきます。
なぜ今「ゆるめ」なツーブロックが魅力的なのか?
きっちりと決めたスタイルも格好いいですが、「ゆるめ」なスタイルには、今の時代の空気にフィットした、また別の魅力があります。
- 親しみやすさと好感度
決めすぎていない、自然体なヘアスタイルは、相手に威圧感を与えません。柔らかく、話しかけやすいオーラを纏うことができ、ビジネスでもプライベートでも好感度アップに繋がります。 - 大人の余裕を演出
肩の力が抜けたリラックス感は、せかせかしていない、自信と経験に裏打ちされた「大人の余裕」を感じさせます。頑張らなくてもお洒落、そんなスマートな男性像を演出できます。 - スタイリングがとにかく簡単
「ゆるさ」がベースになっているため、朝のスタイリングもガチガチに固める必要がありません。スタイリング剤をラフに揉み込むだけで、自然な動きが生まれ、簡単に様になります。
「ゆるめ」な雰囲気を構成する3つの要素
では、具体的にどうすれば「ゆるさ」は作れるのでしょうか。ポイントは3つです。
① 刈り上げは「ソフト」に
ツーブロックの印象を最も左右する刈り上げ部分を、とことん柔らかく見せます。
- ミリ数: 地肌が透けず、黒々とした自然な濃淡になる**「9mm」や「12mm」**といった長めのミリ数を選びましょう。
- 高さ: 耳周りや襟足だけを処理する「低め」の設定で、刈り上げの存在感を最小限に抑えます。
- 境界線: 刈り上げ部分とトップの髪の境目を、滑らかなグラデーションで自然にぼかすこと。これが、「ゆるさ」を生み出すプロの技術です。
② トップは「曲線」と「動き」で
直線的なシャープさではなく、柔らかな曲線をヘアスタイル全体で意識します。
- シルエット: ベースのスタイルを、丸みのあるマッシュや、長めのセンターパートなど、曲線的なシルエットのものを選びます。
- パーマ: 最も効果的なのが**「ゆるめパーマ」**です。かけたか分からないくらいの、ごく自然なニュアンスパーマを施すだけで、髪に柔らかな動きと質感が生まれ、一気に「ゆるい」雰囲気になります。
③ スタイリングは「ウェット&ナチュラル」に
パサパサのドライな質感ではなく、適度な潤いとツヤを与えるのが、今っぽい「ゆるさ」の秘訣です。
- スタイリング剤: マットワックスで固めるのではなく、ヘアオイルやヘアバーム、ソフトグリースなどを使い、自然なツヤとまとまりを意識します。
ゆるさが心地よい。おすすめのツーブロックスタイル
上記の要素を取り入れた、具体的なスタイルをご紹介します。
- ゆるめパーマ×マッシュツーブロック
「ゆるめ」を体現する、まさに最強の組み合わせ。パーマによる柔らかな動きとマッシュの丸みが、優しくお洒落な雰囲気を完成させます。 - 長めセンターパートツーブロック
長めに残した前髪を、きっちり分けずにラフにセンターで分けるスタイル。アンニュイでリラックスした、大人の色気が漂います。 - ナチュラルな流しバングスタイル
刈り上げを長めに設定し、トップも作り込みすぎず、自然な毛流れを活かしてサイドに流すスタイル。誠実さや清潔感もしっかりとキープできます。
失敗しない!「ゆるめツーブロック」のオーダー方法
曖昧なニュアンスだからこそ、オーダーの仕方が重要です。
「なりたい雰囲気」を言葉で伝える
これが一番大切です。「カチッと決めすぎず、ゆるい感じにしたいです」「自然体で、リラックスした雰囲気のツーブロックにしてください」と、あなたのなりたいイメージを、そのままの言葉で伝えてみてください。
具体的なデザイン要素を伝える
- 「刈り上げは、長めの12mmくらいで、あまり目立たないようにお願いします」
- 「トップは、パーマをかけて柔らかい動きが出るようにしたいです」
「なりたくないイメージ」を伝えるのも有効
「ツンツンと立つような、シャープな感じは苦手です」と、避けたいスタイルを伝えることで、よりイメージの共有が深まります。
写真を見せる
理想とする「ゆるい」雰囲気のヘアスタイルの写真を用意し、「こんなイメージにしたいです」と見せるのが確実です。
「ゆるさ」を演出する、こなれスタイリング術
スタイリングも、頑張りすぎないのがポイントです。
ドライヤーで根元を乾かしたら、毛先は手でくしゃっと握るようにラフに乾かします。完璧にブローしようとしないことが、自然な動きを生むコツです。
スタイリング剤は、ヘアオイルやヘアバームなどを少量、手のひらに伸ばし、毛先中心に揉み込むように馴染ませます。手ぐしで軽く整える程度で完成。この「作り込みすぎない」感じが、こなれたお洒落を演出します。
まとめ
「ゆるめ」なヘアスタイルは、決して手抜きではありません。むしろ、計算されたカット、絶妙な質感調整、そして時には繊細なパーマ技術によって成り立つ、非常に洗練されたスタイルです。
その人自身の持つ雰囲気や、髪質、骨格に合わせて、最高の「ゆるさ」をデザインすること。それこそが、私たちプロの理容師の腕の見せ所です。
肩の力を抜いて、もっと自由にお洒落を楽しみたい。そう感じたら、ぜひ一度、あなたの「なりたいイメージ」を私たちに聞かせてください。