ツーブロックのトップは何センチが正解?理容室が教える長さ別スタイルとオーダー術
「ツーブロックにしたいのですが、トップの長さはどうしますか?何センチくらいで…」
理容室でこう聞かれて、返答に困ってしまった経験はありませんか?清潔感のあるツーブロックスタイルをオーダーする際、「トップの髪を何センチ残すか」は、全体の印象を決める非常に重要なポイントです。
しかし、自分の理想のスタイルが具体的に何センチなのかを正確に把握している方は、ほとんどいません。
この記事では、メンズヘアのプロである理容師が、トップの長さを「センチ」で考える際の目安から、もっと確実で失敗しないオーダー方法まで、詳しく解説していきます。
「トップ〇〇センチ」でのオーダーは意外と難しい?
お客様から「トップは10センチで」とオーダーされたとしても、私たち理容師はすぐにハサミを入れません。なぜなら、同じ「10センチ」でも、髪質や生え方、頭の形によって、仕上がりの見た目が全く異なってくるからです。
- 髪質による違い
直毛の10センチと、クセ毛の10センチでは、見た目の長さ(レングス)やボリューム感が大きく変わります。 - 骨格による違い
頭の形に合わせて、部分的に長さを変えないと、シルエットが綺麗に見えません。 - イメージのズレ:
お客様がイメージする「10センチのスタイル」と、実際の10センチの長さが一致しないケースが多々あります。
センチメートルでの指定は、あくまで一つの目安。それよりも、もっと確実で分かりやすい伝え方があるのです。
あくまで目安!トップの長さ(cm)とヘアスタイル
とはいえ、長さの目安を知っておくことは、イメージを膨らませる上で役立ちます。一般的な目安として、長さ別のスタイルをご紹介します。
3cm~5cm(ショートスタイル)
- 代表的なスタイル
ソフトモヒカン、ベリーショート、おしゃれ坊主 - 印象と特徴
圧倒的な清潔感があり、スタイリングも非常に楽です。ワックスを馴染ませるだけで動きが出せ、ビジネスシーンでも好印象を与えます。男らしく、爽やかなイメージを求める方に最適です。
6cm~10cm(ミディアムショートスタイル)
- 代表的なスタイル
アップバング(前髪上げ)、ナチュラルな流しスタイル - 印象と特徴
ON/OFF問わず対応できる、最もバランスの取れた万能な長さです。前髪を下ろしたり上げたりと、スタイリング次第で表情を変えられます。爽やかさとおしゃれ感を両立したい方におすすめです。
11cm~15cm以上(ミディアムスタイル)
- 代表的なスタイル
センターパート、マッシュ、パーマスタイル - 印象と特徴
ヘアアレンジの幅が広く、色気やこなれ感を演出しやすい長さです。髪の動きで顔の輪郭をカバーしたり、パーマをかけて個性を出したりと、おしゃれを存分に楽しみたい方にぴったりです。
センチ指定より確実!失敗しないオーダー方法
ここからが本題です。センチで伝えるよりも、もっと確実で理容師にイメージが伝わるオーダー方法をご紹介します。
方法1:理想の「写真」を見せる(最強のオーダー術)
最も簡単で、最も確実な方法がこれです。言葉で説明するよりも、写真一枚でイメージは完璧に共有できます。なりたいスタイルの画像をスマートフォンなどで見せるのが、理想の髪型への一番の近道です。
方法2:「体のパーツ」を基準に伝える
写真がない場合は、誰にでも共通する「体のパーツ」を目安に長さを伝えましょう。
【オーダー例】
「前髪を下ろした時に、眉毛にかからないくらいの長さで」
「一番長いところで、目にギリギリ入らないくらいにしてください」
「トップは指でつまめるくらいの短さでお願いします」
このように伝えると、理容師は具体的な長さをイメージしやすくなります。
方法3:「なりたいスタイリング」を伝える
あなたが「普段どうセットしたいか」を伝えるのも非常に有効な方法です。
【オーダー例】
「ワックスで立たせられる長さは残してください」
「ジェルで七三に分けたいです」
「下ろすことも、上げることもできるようにしたいです」
スタイリング方法から逆算して、プロが最適な長さを判断・提案してくれます。
まとめ:理想の長さは「センチ」ではなく「相談」で見つかる
ツーブロックのトップの長さを「何センチ」と数字だけで考える必要は全くありません。大切なのは、あなたが「どんな風になりたいか」というイメージです。
私たち理容師は、お客様の髪質や骨格、ライフスタイル、そして「なりたいイメージ」を総合的に判断し、最適なスタイルを提案するプロフェッショナルです。
「自分に似合う長さが分からない」「今の髪型にしっくりきていない」という方こそ、ぜひ一度、私たちにご相談ください。センチメートルの物差しでは測れない、あなただけの「最高の長さ」を一緒に見つけさせていただきます。