ツーブロックは「段差」で変わる。自然に馴染ませるプロの技とオーダー術
ツーブロックスタイルにしてみたものの、数週間経つと、刈り上げた部分と上の髪の境目がくっきりと分かれ、まるでヘルメットを被っているかのように“パカパカ”して見えてしまう…。
「この不自然な“段差”、どうにかならないだろうか?」
そんな、ツーブロック経験者なら誰もが一度は抱える悩みを、あなたも感じていませんか?
実は、その「段差」こそが、あなたのツーブロックスタイルの印象を「最高にお洒落」にも、あるいは「少し野暮ったい」印象にも変えてしまう、最も重要なデザインのポイントなのです。
この記事では、気になる段差を解消し、洗練された自然なスタイルを手に入れるための、プロの秘訣とオーダー術を詳しく解説します。
そもそも、ツーブロックの「段差」とは?
まず、なぜ段差が生まれるのか、その構造を理解しましょう。
ツーブロックとは、短く刈り上げた部分(アンダーセクション)と、その上に被さるように残した長い髪(オーバーセクション)という、繋がっていない2つのブロックで構成されるヘアスタイルです。
この構造上、2つのブロックの境目には、必ず長さの「段差(ディスコネクション)」が生まれます。この段差の処理の仕方、つまり**「いかに自然に見せるか」、あるいは「いかにデザインとして活かすか」**が、スタイルの完成度を大きく左右するのです。
【悩み解決】気になる段差を「なくす・馴染ませる」テクニック
多くの方が望む、「自然で、段差が目立たないツーブロック」にするための、プロが使うテクニックをご紹介します。
① 刈り上げのミリ数を「長め」にする
最も簡単で効果的な方法です。刈り上げる部分の長さを、3mmや6mmといった短い設定ではなく、9mmや12mmといった長めのミリ数に設定しましょう。トップの髪との長さの差が縮まるため、段差のラインが柔らかくなり、自然に馴染んで見えます。
② トップの髪を「長めに被せる」
段差のラインを、上から髪を被せて物理的に隠してしまう方法です。オーダーの際に、「段差が目立たないように、サイドの髪は長めに残してください」と伝えましょう。髪を下ろしている時には段差が見えず、耳にかけた時にだけすっきり感が出る「隠しツーブロック」なども、このテクニックの応用です。
③ プロの技!「繋がり」を意識したカットをオーダーする
これが最も重要で、プロの腕の見せ所です。サロンでオーダーする際に**「段差が目立たないように、自然に繋げてください」と伝えましょう。
プロの理容師は、ただ刈り上げるだけでなく、刈り上げた部分の上部にハサミで滑らかなグラデーション**をつけたり、被さってくる髪の毛先を丁寧にぼかしたりして、不自然な段差を感じさせない、美しい繋がりを創り出してくれます。
【個性派向け】あえて段差を「活かす・強調する」テクニック
逆に、段差をデザインの一部として、よりシャープで個性的なスタイルを楽しみたい方もいるでしょう。
① 刈り上げを「短く」する
3mm以下の短いミリ数や、地肌から始まる「スキンフェード」にすることで、トップの髪との色のコントラストが最大限に強調され、段差のラインが際立ちます。
② トップを「短く」する
被さる髪をあえて短くカットし、刈り上げた部分を積極的に見せていくスタイル。シャープでモードな、エッジの効いた印象になります。
③ 境界線に「ライン」を入れる
段差のラインに沿って、カミソリでシャープな線(ハードパート)を入れるデザインです。境界線をアートの一部として強調し、クラシカルで男らしい雰囲気を演出します。
失敗しない!「段差」に関するオーダー方法
サロンであなたの理想を正確に伝えるための、簡単な頼み方です。
- 段差を「なくしたい・馴染ませたい」場合
「ツーブロックの段差が気になるので、できるだけ自然に繋がるようにお願いします」「カッパみたいにならないように、ナチュラルなツーブロックにしたいです」 - 段差を「活かしたい・強調したい」場合
「刈り上げとトップの境目がはっきりと分かるように、メリハリのあるツーブロックにしてください」「この段差の部分に、カミソリでラインを入れてほしいです」
そして、どちらの場合でも最も確実なのは、理想とする段差の処理がされているスタイルの写真を見せることです。
伸びてきた段差、セルフカットは危険?
伸びてきて段差が気になり始めると、自分でバリカンやハサミを入れて修正したくなるかもしれません。しかし、それは非常に危険です。
段差の修正は、全体のバランスを見ながら行う、非常に繊細な作業です。自分でやると、左右の高さがズレてしまったり、取り返しのつかない穴(凹み)を作ってしまったりするリスクが非常に高いのです。伸びてきたら、まずはプロに相談するのが、最も賢明な選択です。
まとめ
ツーブロックの「段差」。それは、時に野暮ったさの原因となり、時にあなただけの個性を表現するデザインの一部ともなる、非常に奥深い要素です。
その段差を、あなたの骨格や髪質、そして「なりたいイメージ」に合わせて完璧にコントロールすること。それこそが、メンズヘアを知り尽くした私たちプロの理容師の腕の見せ所であり、真骨頂です。
「なんとなく」のツーブロックから卒業し、細部まで計算され尽くした、洗練されたスタイルを手に入れるために。ぜひ一度、あなたのこだわりを、私たちにご相談ください。