トリートメントの「やりすぎ」とは?髪からのサインと、正しいケアの頻度
健やかで美しい髪を目指すあまり、良かれと思ってトリートメントを毎日念入りに行ったり、一度にたくさんの量を使ったりしてはいませんか。「ケアはすればするほど良いはずだ」という考え方は、実はヘアケアにおいて、必ずしも正解とは言えません。時には、その過剰なケア、いわゆる「やりすぎ」が、かえって髪や頭皮の悩みを引き起こしてしまうことさえあるのです。この記事では、トリートメントの「やりすぎ」が招く影響と、ご自身の髪にとって最適なケアのバランスについて詳しく解説いたします。
「やりすぎ」が招く、髪と頭皮への思わぬ影響
トリートメントの「やりすぎ」は、髪や頭皮から発せられるいくつかのサインによって気づくことができます。最も分かりやすいのが、「髪の重さ」や「べたつき」です。ケア直後や、髪を乾かした後も、髪が不自然に重く、しっとりしすぎている、あるいは根元がべたついてボリュームが出ない、といった場合は、ケアが過剰になっている可能性があります。
また、意外かもしれませんが、髪が「硬くなる」「ごわつく」といった質感の変化も、やりすぎのサインの一つです。特に、補修効果の高いタンパク質系のトリートメントを過剰に使用し続けると、髪の表面に成分が蓄積し、しなやかさが失われて硬化してしまうことがあるのです。さらに、すすぎきれなかった成分が頭皮の毛穴に詰まることで、フケやかゆみといった頭皮トラブルを招くこともあります。
何が「やりすぎ」になってしまうのか?その主な原因
では、具体的にどのような行為が「やりすぎ」に繋がるのでしょうか。主な原因は三つ考えられます。一つ目は、「使用頻度」の間違いです。週に一度程度の使用で十分な効果を発揮する、高濃度な集中ケア用のヘアマスクなどを、毎日使用してしまうケースです。
二つ目は、「使用量」が多すぎることです。髪が一度に吸収できる栄養の量には限りがあります。必要以上の量を使用しても、吸収しきれなかった分は髪の表面に残留し、べたつきの原因となるだけです。
三つ目は、「放置時間」が長すぎることです。製品が推奨する時間を大幅に超えて放置しても、効果が飛躍的に高まることはなく、むしろ髪や頭皮への負担となる場合があります。
あなたの髪に最適な「適度なケア」とは
髪にとって最高の状態とは、不足している栄養を適度に補い、常にバランスが取れている状態です。そのためには、お使いの製品の特性を正しく理解し、適切な頻度と量、そして時間を守ることが基本となります。毎日のシャンプー後には、日々のダメージをリセットするための軽やかなデイリーユーストリートメントを。そして、週末などのスペシャルケアとして、週に一度か二度、ご自身の髪のダメージレベルに合わせた集中ケア用のトリートメントを取り入れる。このバランスの取れた習慣こそが、過剰なケアを避け、髪を健やかに保つための理想的な形と言えるでしょう。
最高のバランスを見つけるための、プロフェッショナルな視点
ご自身の髪にとっての「適度なケア」の基準は、髪質やダメージレベルによって一人ひとり異なります。その最適なバランスを、ご自身だけで見極めるのは非常に難しいことかもしれません。そのために、私たち髪のプロフェッショナルが存在します。サロンでは、お客様の髪と頭皮の状態を的確に診断し、どの製品を、どのくらいの量と頻度で使うのが最も効果的なのか、というあなただけのための「ケアの処方箋」をご提案いたします。やりすぎでも、やらなすぎでもない。あなたの髪が本当に求める、最高のバランスをぜひサロンで見つけてみませんか。