トリートメントをつける時間は何分が正解?髪の内部で起こる、浸透のメカニズム
日々のヘアケアに、トリートメントを取り入れている、美意識の高いあなた。その製品を、髪になじませた後、どのくらいの「時間」、そのまま、おいていますか。「すぐに洗い流すのは、もったいない気がする」「かといって、長すぎても、意味がないのだろうか」。その、トリートメントを「つける時間」、すなわち「放置時間」は、多くの方が、漠然とした感覚で、決めているかもしれません。しかし、この時間こそが、トリートメントが持つ、補修効果や保湿効果を、最大限に引き出すための、非常に重要な、科学的な意味を持っているのです。
なぜ、トリートメントには、一定の「つける時間」が必要なのか
そもそも、なぜ、トリートメントは、シャンプーのように、すぐ洗い流さずに、一定の時間、髪につけておく必要があるのでしょうか。その理由は、トリートメントの最も重要な役割が、その有効成分を、髪の「内部」にまで、浸透させることにあるからです。
髪の「内部」へ、有効成分を浸透させるために
トリートメントの役割は、髪の表面を、一時的に、滑らかにすることだけではありません。その本質は、ダメージによって、栄養分が流出し、空洞ができてしまった髪の芯にまで、ケラチンなどの補修成分や、セラミドなどの保湿成分を届け、内側から、その構造を、再構築することにあります。しかし、これらの有効成分が、髪の表面を覆う、キューティクルを通り抜け、内部の、本当に、ケアを必要としている場所にまで、たどり着くためには、ある程度の「浸透時間」が、物理的に、必要となるのです。
「短すぎる」と「長すぎる」、それぞれの問題点
この、浸透のための時間を、正しく、確保できているかどうか。それが、トリートメントの効果を、大きく左右します。
短すぎる場合:成分が、髪の表面を流れるだけ
もし、トリートメントを、髪になじませて、すぐに、洗い流してしまえば、その、貴重な有効成分は、髪の内部に、ほとんど、浸透することなく、その大半が、ただ、お湯と共に、流れ去ってしまいます。これでは、髪の表面を、一時的に、コーティングする、コンディショナーと、ほとんど、変わらない効果しか、得ることができません。
長すぎる場合:効果は頭打ちとなり、リスクも
では、逆に、長ければ長いほど、良いのでしょうか。実は、そうとも、言い切れません。髪が、一度に吸収できる、栄養分の量には、限りがあります。製品ごとに、処方設計された、最適な時間が経過すると、髪は、いわば、栄養分で満たされた「飽和状態」となり、それ以上、時間を置いたとしても、効果が、比例して、高まり続ける、ということは、ないのです。それどころか、長時間、放置しすぎることは、トリートメントが、頭皮に付着し、かゆみや、べたつきの、原因となる、リスクを高めてしまいます。
プロが推奨する、効果のピークを引き出す「最適な時間」
では、一体、どのくらいの時間が、最も効果的なのでしょうか。ご自宅でお使いいただく、洗い流すタイプのトリートメントの場合、その、最適な放置時間は、製品によっても、多少、異なりますが、一般的には、「5分から10分程度」が、一つの、大きな目安となります。私達プロフェッショナルが、サロンで扱うような、高品質なトリートメントは、この、決して、長すぎない時間の中で、有効成分が、最大限、髪に浸透するように、緻密に、処方設計されています。この時間に、蒸しタオルなどで、髪を温めてあげると、キューティクルが、より、穏やかに開き、成分の浸透を、さらに、高めることができます。
時間を味方につける、というヘアケア
トリートメントを、髪につけておく時間。それは、ただ、待つだけの、無為な時間ではありません。それは、髪の内部で、有効成分が、その使命を、果たしている、非常に、重要な、化学の時間なのです。その、製品にとって、最も、効果的な時間を、正しく、髪に与えてあげること。それが、あなたのヘアケアを、最高のレベルへと、引き上げる、知的な選択です。あなたの髪に、最適なトリートメントと、その、最高の時間を、見つけるために。ぜひ一度、私達にご相談ください。