トリートメントを流すのは「ぬるま湯」が正解。その理由と効果を解説
毎日のバスタイム、シャンプーやトリートメントを洗い流す際、シャワーの温度を意識したことはありますでしょうか。「熱いお湯の方が汚れが落ちてすっきりする」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそのお湯の温度が、トリートメントの効果や髪、頭皮の健康状態を大きく左右しているのです。この記事では、多くの専門家が推奨する「ぬるま湯」でのすすぎに焦点を当て、なぜそれが最適なのか、その理由と具体的なメリットについて詳しく解説いたします。
なぜ「ぬるま湯」がヘアケアに最適なのか
トリートメントを洗い流す際に「ぬるま湯」が良いとされるのには、髪と頭皮の性質に基づいた明確な理由があります。髪の表面は、キューティクルといううろこ状の組織で覆われています。このキューティクルは温度に反応し、熱いお湯に触れると開き、冷たい水に触れると閉じるという特性を持っています。もし、熱すぎるお湯ですすいでしまうと、キューティクルが必要以上に開いてしまい、せっかく髪の内部に補給したトリートメントの栄養成分や潤いが、外に流れ出てしまうのです。
また、頭皮にとっても熱いお湯は強い刺激となります。必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招くことがあります。その結果、フケやかゆみ、あるいは失われた皮脂を補おうと過剰な皮脂分泌が起こるなど、様々な頭皮トラブルの原因となりかねません。
「ぬるま湯」は、キューティクルを過度に開かせることなく、頭皮に必要な潤いを残しながら、髪表面の余分なトリートメントだけを優しく洗い流すことができる、まさに理想的な温度なのです。
具体的な「ぬるま湯」の温度の目安
では、「ぬるま湯」とは具体的にどのくらいの温度を指すのでしょうか。一般的に、ヘアケアにおいては36度から38度くらいが最適な温度とされています。体感としては、「少しぬるいかな?でも寒くはない」と感じる程度がちょうど良いでしょう。季節によって心地よいと感じる温度は多少変化しますが、この基本的な温度範囲を意識することが、健やかな髪と頭皮を育む上で大切です。
熱いお湯や冷たい水ですすぐのはどうなのか
熱いお湯のデメリットは既にご説明した通りですが、では逆に冷たい水ですすぐのはどうでしょうか。冷たい水はキューティクルを強く引き締めるため、髪の表面にツヤを与えるという効果が期待できます。しかしその一方で、トリートメントに含まれる油分が冷えて固まってしまい、すすぎ残しの原因になりやすいというデメリットもあります。特に冬場などは、頭皮の血行不良を招く可能性も考えられるため、最後の仕上げに軽くかける程度なら良いですが、常用することはあまりお勧めできません。
「ぬるま湯」を使った正しいすすぎの手順
最適な温度を理解した上で、正しいすすぎの手順を実践しましょう。トリートメントを髪になじませ、推奨される放置時間を置いた後、まずはぬるま湯のシャワーで髪全体のぬめりを大まかに洗い流します。次に、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように、髪の根元から毛先へと丁寧にお湯を行き渡らせます。すすぎ完了のサインは、髪表面のぬるつきがなくなり、指通りは滑らかながらもさっぱりとした手触りになるまでです。特に成分が残りやすい耳の後ろや襟足などを意識しながら、時間をかけてじっくりとすすぐことを心がけてください。
最適な温度管理で、ヘアケアを完璧なものに
トリートメントの効果を最大限に活かすも、半減させてしまうも、最後のすすぎで使う「お湯の温度」が大きく関わっています。「ぬるま湯」でのすすぎを毎日の習慣にすることは、髪と頭皮を優しくいたわり、健やかな状態を保つための、誰でも実践できる簡単で効果的な方法です。そして、この最適な温度管理に加えて、ご自身の髪質に合った高品質なトリートメントを選ぶことももちろん重要です。ぜひサロンで、あなただけのベストなヘアケアプランを見つけてみませんか。