トリートメントを二回使うのは効果的?メンズヘアケアの質を高める新常識
髪のダメージが特にひどいと感じる日や、大切な予定を控えた日の前夜など、「トリートメントを二回重ねて使えば、もっと効果が高まるのではないか」と、考えたことはありませんでしょうか。より良い結果を求めるその探求心は、美しい髪を目指す上で非常に大切なことです。しかし、実はその「二回」という行為には、効果的なやり方と、あまり意味のないやり方が存在します。この記事では、トリートメントを二回行うことの是非と、本当に髪を健やかにするための正しい知識について解説いたします。
同じトリートメントを2回連続で行うのは有効か
まず、多くの方が思い浮かべるであろう「シャンプーの後、同じ洗い流すタイプのトリートメントを二回連続でつける」という方法についてです。結論から申し上げますと、この方法で効果が単純に倍増することは、残念ながらあまり期待できません。なぜなら、一度のケアで髪が吸収できる栄養成分の量には限界があるからです。一度で満たされた状態の髪に、さらに同じものを重ねても、吸収しきれなかった成分が髪の表面に残るだけになってしまいます。これは、仕上がりが不自然に重くなったり、すすぎきれずに頭皮トラブルの原因になったりする可能性もあるため、注意が必要です。
効果的な「二回」とは、目的の違うケアを重ねること
では、プロが実践するような効果的な「二回使い」とは、どのようなものなのでしょうか。それは、同じものを量的に重ねるのではなく、役割の異なる二種類のケアを質的に組み合わせるという考え方です。具体的には、「お風呂の中で行うインバスケア」と、「お風呂上がりに行うアウトバスケア」の二段階でトリートメントを行うことを指します。この「内側から補修し、外側から守る」という二段構えのケアこそが、トリートメントの効果を最大限に引き出す秘訣なのです。
「インバス」と「アウトバス」がもたらす相乗効果
ここで言う「インバスケア」とは、シャンプー後に使用する、洗い流すタイプのトリートメントのことです。その主な役割は、開いたキューティクルから髪の内部深くに浸透し、ダメージ部分に栄養を補給して、髪そのものの基礎体力を高めることにあります。
一方、「アウトバスケア」とは、タオルドライ後の濡れた髪に使用する、洗い流さないタイプのトリートメントを指します。オイルやミルク、ミストといった形状があり、ドライヤーの熱や紫外線、乾燥といった外部の刺激から髪を守る保護膜のような役割を果たします。
この二つを組み合わせることで、まずインバストリートメントで髪の内部をしっかりと補修し、その潤いや栄養を、アウトバストリートメントが外側から蓋をするように閉じ込めて保護する、という理想的なケアサイクルが完成します。これが、相乗効果で髪の状態を飛躍的に向上させる「正しい二回使い」なのです。
ご自身の髪に最適な組み合わせを見つけるために
この効果的な二段階ケアですが、どのような製品を組み合わせるかは、その方の髪質やダメージレベルによって大きく異なります。例えば、ハイトーンのカラーでひどく傷んだ髪には、内部補修効果の高いインバストリートメントと、保湿力に優れたオイルタイプのアウトバストリートメントを。一方で、細く絡まりやすい髪には、さらっとした質感のインバストリートメントと、軽やかなミストタイプのアウトバストリートメントを、というように、組み合わせは無限に存在します。
量より質。正しい二段階ケアで理想の髪へ
トリートメントは、闇雲に回数や量を重ねるのではなく、目的の異なるケアを組み合わせる「質」こそが重要です。日々のケアに「インバスでの補修」と「アウトバスでの保護」という二段階の考え方を取り入れるだけで、あなたのヘアケアはプロのレベルへとぐっと近づくはずです。サロンでは、専門家がお客様一人ひとりの髪の状態を的確に診断し、数ある高品質な製品の中から、最も効果的な二段階ケアの組み合わせをご提案しております。ぜひ一度、あなたの髪のお悩みをお聞かせください。