トリートメントをしても髪がきしむ理由|本当のなめらかさを取り戻す、根本ケアとは
髪のダメージをケアし、なめらかな指通りを取り戻すために、日々のヘアケアに「トリートメント」を取り入れている。それにも関わらず、シャンプーの後や、乾かした後も、髪が「きしむ」ような、不快な手触りが改善されない。そんな、矛盾した状況に、悩まれてはいませんでしょうか。良かれと思って行っているトリートメントケアが、なぜ、期待したような効果を発揮してくれないのでしょうか。その背景には、髪のダメージの深刻さと、お使いのヘアケア製品との間に、ミスマッチが生じている可能性が隠されています。
髪の「きしみ」が、なぜ発生するのか
まず、髪の「きしみ」という現象が、なぜ起こるのか、その根本的な原因を、改めて理解することが大切です。髪の表面は、うろこ状のキューティクルという組織で覆われています。健康な髪では、このキューティクルが整然と閉じているため、なめらかな質感が保たれています。しかし、ヘアカラーや熱などのダメージが蓄積すると、このキューティクルが剥がれたり、逆立ったりしてしまいます。この、表面が乱れた髪同士が、特に濡れた状態で擦れ合うことで生まれる、不快な摩擦。それこそが、「きしみ」の正体なのです。
トリートメントを使っても、きしみが改善されない二つの理由
この、ダメージのサインである「きしみ」を、トリートメントを使っても、なかなか改善できない場合、主に、二つの理由が考えられます。
理由1:髪のダメージレベルに対して、補修力が不足している
一言でトリートメントと言っても、その品質や処方は、製品によって、まさに千差万別です。一般的なトリートメントの中には、シリコンなどのコーティング剤によって、髪の表面を一時的になめらかにすること(指通り向上)を、主な目的としているものも少なくありません。もちろん、それも重要な機能の一つですが、髪の内部が、ダメージによってスカスカの状態になっている「ハイダメージ毛」の場合、表面的なケアだけでは、根本的な解決には至りません。コーティングが剥がれれば、すぐに、髪が本来持つ、ざらついた質感が、再び顔を出してしまうのです。
理由2:そもそも、シャンプーでダメージを加速させている
もう一つ、非常に多く見られるのが、トリートメントの効果を、日々のシャンプーが、打ち消してしまっている、というケースです。洗浄力の強すぎるシャンプーを使い続けることは、髪のキューティクルを傷つけ、内部の栄養分を、毎日、流出させているようなものです。せっかくトリートメントで栄養を補給しても、その一方で、シャンプーによって、それ以上のダメージを与え続けていては、いつまで経っても、髪の状態は改善されません。
「きしまない髪」を育む、本質的なトリートメント選び
髪のきしみを、根本から改善し、本物のなめらかさを取り戻すためには、その場しのぎの表面的なケアではなく、髪の内部構造そのものに働きかける、本質的なアプローチが必要です。
髪の芯まで届く、「内部補修」成分を重視する
きしみの根本原因である、深刻なダメージをケアするためには、髪の内部にまで浸透し、失われた栄養分を補給してくれる、高機能な「補修成分」が不可欠です。髪の主成分であるケラチンなどのタンパク質由来の成分が、ダメージによってできた空洞を埋め、髪の密度を高めることで、芯から強く、しなやかな、きしみにくい髪を育みます。
最高のケアは、シャンプーとの連携から
そして、この、内部補修トリートメントの効果を、揺るぎないものにするために、必ず、セットで見直していただきたいのが、毎日お使いのシャンプーです。髪と頭皮のうるおいを守りながら、優しく洗い上げる、アミノ酸系のシャンプーなどを基本とすること。この、ダメージの原因を「作らない」という守りのケアと、トリートメントによる、ダメージを「補修する」という攻めのケア。この二つが、車の両輪となって初めて、あなたの髪は、きしみの悩みから解放されるのです。ご自身のダメージレベルに、どのようなケアの組み合わせが最適なのか。ぜひ一度、私達のような、髪の専門家にご相談ください。