トリートメントの正しい選び方|髪の悩みに応える、最適な一本を見つけるために
髪のダメージケアや、質感向上のための、心強い味方である「ヘアトリートメント」。その重要性は理解しつつも、いざ選ぶとなると、多種多様な製品を前に、「一体、どれが自分の髪に合っているのだろう?」と、その選択に迷われてしまう方は少なくありません。パッケージに書かれた「ダメージ補修」や「うるおい補給」といった言葉だけを頼りに、なんとなく選んでしまってはいないでしょうか。ご自身の髪の悩みに、本質的にアプローチするためには、その選び方にも、明確な基準と、正しい知識を持つことが不可欠です。
選び方の第一歩:ご自身の「髪の状態」を、正しく知る
最適なトリートメントを選ぶための、最も重要な第一歩。それは、広告や口コミといった、外部の情報に目を向ける前に、まず、ご自身の「髪の現在の状態」を、客観的に、そして正確に把握することです。
髪の「悩み」は何かを明確にする
あなたが、今、髪に対して感じている、最も大きな「悩み」は何でしょうか。ヘアカラーやパーマの繰り返しによる、枝毛や切れ毛といった、深刻な「ダメージ」でしょうか。あるいは、生まれつきの髪質や、日々の乾燥による「パサつき」や「広がり」でしょうか。それとも、年齢と共に失われがちな、根元のボリュームや、髪一本一本の「ハリ・コシ不足」でしょうか。この、ご自身が解決したい悩みを明確にすることが、トリートメント選びの、揺るぎない出発点となります。
悩みに合わせた「成分」で選ぶ、という視点
ご自身の悩みが明確になったら、次に、その悩みに、どのような「成分」が効果的に働きかけるのか、という、専門的な視点へと進んでいきます。
パサつきや広がりが気になる場合:高保湿成分
髪の乾燥や、湿気による広がりにお悩みの方は、髪の内部に水分を補給し、それを保持する「保湿成分」が豊富に配合されたトリートメントを選びましょう。スキンケアでもおなじみの、セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸といった成分が、髪の芯までうるおいで満たし、しっとりとまとまりやすい、安定した状態へと導きます。
ダメージによる、切れ毛やごわつきが気になる場合:補修成分
ダメージによって、髪の内部がスカスカになり、強度が失われている場合には、その構造を内側から補強する「補修成分」が不可欠です。髪の主成分であるタンパク質に近い、加水分解ケラチンなどの成分が、ダメージによってできた空洞を埋め、髪に、本来の弾力としなやかさを取り戻してくれます。
「洗い流す」か、「洗い流さない」か。タイプの選び方
トリートメントには、シャンプー後に使い、時間を置いてから「洗い流す」インバスタイプと、タオルドライ後や、乾いた髪に使い、そのまま洗い流さない「洗い流さない」アウトバスタイプがあります。前者は、髪の内部にまでじっくりと栄養を届ける、集中的な「補修」の役割を。後者は、ドライヤーの熱や、日中の外部刺激から髪を「保護」し、質感を整える役割を、それぞれ担っています。ご自身のダメージレベルや、ライフスタイルに合わせて、この二つを賢く使い分ける、あるいは併用することが、理想的なヘアケアへと繋がります。
最高の選び方とは、「専門家による診断」です
ここまで、ご自身でトリートメントを選ぶための、基本的な考え方について解説してまいりました。しかし、ご自身の髪のダメージの原因が何であり、どのような成分を、どのくらいのバランスで与えるのが最適なのかを、正確にご自身だけで判断することは、非常に難しいことかもしれません。最高の選び方とは、すなわち、あなたの髪の状態を、誰よりも深く理解している、プロフェッショナルによる「診断」を受けることです。私達、髪の専門家である美容師は、お客様一人ひとりの髪の状態を的確に見極め、数ある選択肢の中から、あなたの悩みに、最短距離で応えるための一本を、責任を持ってお選びいたします。