トリートメントは「どれくらいつける」のが正解?適量を見極めるプロの視点
日々のトリートメントケアにおいて、その効果を実感できるかどうかを左右する、非常にシンプルでありながら重要な問いがあります。それは、「トリートメントを、どれくらいつければ良いのか?」という、使用量に関する問題です。量が少なすぎれば効果が薄れ、多すぎればべたつきの原因となる。この記事では、あなたの髪にとっての「適量」を見極めるための、プロフェッショナルな視点について詳しく解説いたします。
まず知りたい、髪の長さに応じた基本的な目安
まず、ご自身のヘアスタイルに合わせた、基本的な使用量の目安を知っておきましょう。多くのトリートメント製品において、男性のショートヘアであれば「パール一粒大」、マッシュヘアなどの少し長さのあるミディアムヘアであれば「さくらんぼ一粒大」程度が、出発点となる適切な量とされています。まずはこの量から試し、ご自身の髪の状態に合わせて微調整していくのが、失敗の少ない方法です。
「適量」を左右する、髪の状態と製品の質
この基本量から調整する上で、考慮すべき重要な要素がいくつかあります。まず一つ目は、「髪のダメージレベル」です。ヘアカラーやパーマを繰り返しているなど、髪のダメージが深刻であるほど、髪は栄養分を多く吸収しようとするため、通常よりも少し多めの量が必要になる場合があります。特に、ダメージが蓄積しやすい毛先には、重点的なケアが求められます。
そして二つ目の、非常に重要な要素が、「製品の濃度」です。特に、サロンで取り扱う専門的なトリートメントは、有効成分が高濃度で配合されているため、市販の製品に比べて、より少ない量で高い効果を発揮することが少なくありません。高品質な製品ほど、少量でも髪全体にしっかりと行き渡り、その効果を実感できるのです。
「つけすぎ」と「少なすぎ」がもたらす、それぞれの問題点
もし、トリートメントをつける量が多すぎた場合、髪が吸収しきれなかった余分な成分が表面に残り、仕上がりが重く、べたついた印象になってしまいます。また、すすぎ残しの原因となり、頭皮の毛穴を塞いで、フケやかゆみといったトラブルを引き起こす可能性も高まります。一方で、使用量が少なすぎると、髪全体に成分が行き渡らず、ケアにムラができてしまいます。結果として、ダメージ部分が十分に補修されず、パサつきや指通りの悪さが改善されない、ということにもなりかねません。
ご自身の髪で、最適な量を見つけるための簡単な方法
ご自身の髪にとっての最適な量を見つけるためには、まず基本の目安量から試してみることをお勧めします。髪の中間から毛先になじませた後、手ぐしを通してみて、もし引っ掛かりを感じるようであれば、ダメージが気になる毛先を中心に、ほんの少しだけ追加でなじませます。この「少し足りないかな、と感じる部分にだけ、少量ずつ足していく」という方法が、つけすぎを防ぎ、最適な量を見極めるための賢いやり方です。
最も確実な答えは、プロの診断にあります
ここまで、ご自身で適切な量を見極めるための考え方について解説してきました。しかし、その答えを最も早く、そして確実に見つけるための方法は、やはり私たち髪のプロフェッショナルにご相談いただくことです。私たちは、お客様一人ひとりの髪質、毛量、ダメージレベルを的確に診断し、お使いの製品に合わせた、ミリグラム単位での最適な使用量をアドバイスすることができます。サロンでは、製品選びから、その使い方、そして適切な量まで、あなたのヘアケアをトータルでサポートさせていただきます。