トリートメントとコンディショナーの決定的な違い|髪の悩みに応える、正しい使い分け
シャンプーの後に使う、髪の質感を整えるためのヘアケア製品。その代表格として、「トリートメント」と「コンディショナー」があります。この二つの言葉は、しばしば、ほとんど同じ意味のものとして、あるいは、何となくのイメージで、使い分けられているかもしれません。しかし、実は、トリートメントとコンディショナーの間には、その目的と役割において、明確で、そして、決定的な「違い」が存在するのです。この違いを正しく理解し、ご自身の髪の状態に合わせて賢く使い分けること。それが、日々のヘアケアを、より本質的で、効果的なものへと、進化させるための鍵となります。
作用する「場所」が違う:髪の表面か、内部か
トリートメントとコンディショナーの、最も大きな違い。それは、有効成分が、主に、髪のどの「場所」に働きかけるか、という点にあります。
コンディショナーの役割:髪の「表面」を、滑らかに保護する
まず、コンディショナーの主な役割は、髪の「表面」を、油分などで、薄く、均一にコーティングすることにあります。シャンプーによって、わずかに開いた、髪の表面を覆うキューティクルを整え、その指通りを、滑らかにします。また、その保護膜によって、ドライヤーの熱や、ブラッシング時の摩擦といった、外部からの物理的な刺激から、髪を守る働きも担います。いわば、日々のダメージを防ぐための、「保護」を目的としたケアです。
トリートメントの役割:髪の「内部」を、集中的に補修する
一方で、トリートメントの主な仕事場は、髪の、さらに深い「内部」です。ヘアカラーやパーマ、日々の熱などのダメージによって、髪の内部から失われてしまった、タンパク質や水分といった、髪の栄養分そのものを、髪の芯まで届け、その構造を、内側から「補修」することを、最大の目的としています。ダメージによってできた、髪内部の空洞を埋め、髪の体力を、根本から回復させるための、より積極的なケアと位置づけられています。
目的と、使用頻度の違い
この、作用する場所と、役割の違いによって、それぞれの製品が、どのような目的で、どのくらいの頻度で使われるべきかも、自ずと決まってきます。コンディショナーは、主に、日々の指通りを良くし、髪を保護するための、「デイリーケア」として、シャンプーのたびに、毎日使うのが、基本的な使い方です。それに対し、トリートメントは、髪のダメージを集中的に補修するための、「スペシャルケア」として、数日に一度、あるいは、週に一度といった、定期的な間隔で、取り入れるのが、一般的です(ただし、ハイダメージの場合は、毎日の使用が推奨されることもあります)。
では、どちらを使えば良いのか。正しい使い分け
それでは、私たちは、トリートメントとコンディショナーの、どちらを選べば良いのでしょうか。
ダメージが少ない、健康な髪の場合
特に、目立ったダメージはなく、日々の指通りや、まとまりを良くしたい、という方であれば、基本的には、毎日のコンディショナーによるケアで、十分な場合が多いでしょう。
ダメージが気になる、傷んだ髪の場合
ヘアカラーやパーマをされている方や、髪のパサつき、切れ毛などが、気になる方には、表面的な保護だけでは不十分です。髪の内部補修を目的とした、トリートメントによる、積極的なケアが、不可欠となります。
最高の仕上がりを目指す、プロフェッショナルな使い方
そして、サロンなどで行われる、最も丁寧なケアでは、シャンプーの後、まず、トリートメントで髪の内部に栄養を届け、それを洗い流した後、さらに、コンディショナーで、髪の表面に蓋をして、補給した栄養分を閉じ込める、という、二段階のプロセスを踏むこともあります。
髪の状態が、その答えを知っている
コンディショナーか、トリートメントか。その選択の答えは、あなたご自身の、現在の髪のコンディションが、知っています。しかし、ご自身のダメージレベルを、客観的に、そして正確に判断することは、決して簡単なことではありません。私達、髪の専門家である美容師は、お客様の髪を的確に診断し、あなたにとって、今、本当に必要なケアが何であるかをご提案する、最も信頼できるパートナーです。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。