洗い流すトリートメントの正しい使い方|髪の内部に、栄養を届ける集中ケア
シャンプー後のヘアケアとして、多くの方が日常的に取り入れている「トリートメント」。髪のダメージを補修し、指通りをなめらかにしてくれる、心強い味方です。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、製品をただ髪につけるだけでなく、その後の「洗い流し」の工程にまで、正しい知識と、少しの意識を向けることが非常に重要となります。ここでは、髪のコンディションを本質的に向上させる、洗い流すトリートメントの正しい使い方について、その基本からプロの技術までを、詳しく解説いたします。
洗い流すトリートメント、その本質的な役割
まず、洗い流すタイプのトリートメントが、どのような役割を担っているのかを理解することが大切です。その最も重要な目的は、シャンプーによって清潔になり、栄養を受け入れやすい状態になった髪の「内部」にまで、高濃度な補修成分や保湿成分を、集中的に送り届けることです。製品を髪に付けてから、洗い流すまでの数分間は、いわば、髪にとっての「集中治療」の時間。この短い時間で、髪の芯まで栄養を浸透させ、ダメージを内側からケアします。
効果を最大限に引き出す、正しい「つけ方」
この集中ケアの効果を、最大限に引き出すためには、その「つけ方」にも、いくつかの重要なポイントがあります。
準備:シャンプー後、髪の水気をしっかり切る
まず、シャンプーを丁寧にすすいだ後、トリートメントをつける前に、髪の水気を、手で優しく絞るようにして、しっかりと切っておきます。髪に余分な水分が多く残っていると、せっかくのトリートメント成分が薄まってしまい、髪の内部まで十分に浸透することができません。
塗布:頭皮を避け、毛先中心にもみ込む
トリートメントは、あくまで「髪」をケアするためのものです。頭皮に直接つけてしまうと、毛穴詰まりや、洗い上がりのべたつきの原因となるため、必ず避けましょう。ダメージが最も気になる毛先を中心に、髪の中間部にかけて、優しく揉み込むようにして、丁寧になじませていきます。
浸透:目の粗いコームで、均一になじませる
全体になじませた後、目の粗いコームやブラシで、髪を優しくとかすと、トリートメントが髪一本一本に、より均一に行き渡り、効果を高めることができます。そして、製品に記載された推奨時間を目安に、そのまま数分間放置し、成分をじっくりと浸透させましょう。
最も重要な、「洗い流し」の作法
そして、いよいよ、この記事の主題である「洗い流し」の工程です。どの程度まで洗い流せば良いのか、迷われた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「ぬめり」がなくなるまで、優しくすすぐ
トリートメントを洗い流す際の、理想的なゴールは、「髪の表面の、ぬるぬるとした感触は、完全になくなっているのに、髪の芯には、しっとりとしたうるおいが、確かに残っている」という状態です。この「ぬめり感」は、髪の表面に残った、余分な油分やコーティング成分によるものです。これが残ったままだと、髪が乾いた後に、重さやべたつきの原因となってしまいます。ぬるま湯を使って、指で髪を優しくなでるようにしながら、このぬめり感がなくなるまで、時間をかけて、丁寧にすすいでください。
すすぎ不足が招く、思わぬトラブル
すすぎが不十分だと、べたつきの原因となるだけでなく、背中などにトリートメント成分が残り、肌荒れやニキビといった、思わぬトラブルを引き起こす可能性もあります。髪だけでなく、首すじや背中なども、しっかりと洗い流すことを意識しましょう。
正しいケアが、髪の未来を変える
洗い流すトリートメントは、正しい手順で使うことで、初めて、その真価を発揮します。特に、私達プロフェッショナルが使用する、高機能なサロントリートメントは、その濃密な成分ゆえに、この基本のプロセスが、仕上がりを大きく左右します。あなたの髪に、最高の栄養を届けるために。ぜひ一度、サロンで、本物のトリートメント技術をご体験ください。