【メンズ短髪】後ろ髪の処理で印象は9割決まる。お洒落に見せるオーダー術とスタイル集
鏡の前で、正面からの見え方をチェックする。それは、毎朝のルーティンかもしれません。では、一つだけ質問です。
「あなたは、自分の“後ろ髪”を、最後にいつ意識しましたか?」
オフィスで、街中で、エレベーターの中で。私たちが思っている以上に、他人の視線は、自分では見えない「後ろ姿」や「横顔」に注がれています。そして、その印象を決定づける最も重要なパーツこそが、**「後ろ髪」**なのです。
伸びっぱなしの襟足、絶壁に見える後頭部──。そんな「残念な後ろ姿」で、あなたの評価を下げてしまう前に。この記事では、360度どこから見ても完璧なスタイルを手に入れるための、後ろ髪のデザイン術とオーダーの秘訣を徹底的に解説します。
なぜ「後ろ髪」が男の印象を決定づけるのか?
自分では見えない部分だからこそ、その人の本質が表れます。後ろ髪が重要な理由は、大きく3つあります。
- 1. 清潔感の象徴「襟足」どんなにお洒落な服を着ていても、どんなに顔立ちが整っていても、襟足が伸びてボサボサなだけで、一瞬で「だらしない人」「清潔感のない人」という印象を与えてしまいます。逆に、襟足がすっきりと綺麗に整えられているだけで、細部まで気を配れる、品の良い大人という印象になります。
- 2. 横顔を美しく見せる「後頭部のシルエット」後頭部に自然で美しい丸みがあると、横から見た時の頭の形が非常にきれいに見えます。これは、鼻先・唇・顎先を結んだ「Eライン」と同じくらい、横顔の美しさを決定づける重要な要素。知性や品格を感じさせる、美しいシルエットの鍵は後頭部にあります。
- 3. スタイル全体の完成度を決める「土台」後ろ髪は、ヘアスタイル全体の土台です。この部分がしっかりとデザインされていると、髪型全体に立体感とまとまりが生まれ、完成度が格段にアップします。後ろ姿にまでこだわる姿勢が、本物のお洒落さを物語るのです。
後ろ髪で差がつく!人気の短髪スタイルヘアカタログ
後ろ髪のデザインに焦点を当てて、人気のスタイルをご紹介します。
スタイル1:刈り上げ(フェード/ツーブロック)
後ろ髪のデザイン: 襟足をバリカンで、なめらかなグラデーションになるように刈り上げるスタイル。特に、地肌が見えるくらい短く刈り上げる「スキンフェード」は、究極の清潔感とシャープさを演出します。後頭部の丸みも自然に強調され、骨格を美しく見せることができます。
スタイル2:ナチュラル(グラデーションカット)
後ろ髪のデザイン: 刈り上げずに、ハサミを使って襟足を自然に短くしていくスタイル。首筋に柔らかく沿うような仕上がりになり、誠実で優しい印象を与えます。校則や社則が厳しい方、初めての方でも挑戦しやすい、定番のバックスタイルです。
スタイル3:ウルフカット
後ろ髪のデザイン: 襟足部分にあえて長さを残し、毛量を調整して「くびれ」を作るスタイル。トップの丸みと襟足の動きのコントラストが、個性的でお洒落な後ろ姿を演出します。
スタイル4:マッシュベース
後ろ髪のデザイン: 後頭部の下半分はすっきりとさせつつ、上半分にはマッシュ特有の重さを残し、丸みを最大限に強調するスタイル。日本人に多い「絶壁」をカバーする効果が最も高く、美しいシルエットを作りやすいのが特徴です。
「理想の後ろ髪」を叶えるプロのカット技術
完璧な後ろ姿は、プロの緻密な計算と技術によって生み出されます。
- 技術1:襟足の「生えグセ」の処理上に向かって生えている、左右非対称に渦を巻いているなど、人それぞれ違う襟足の生えグセ。私たちは、その生えグセを見極め、伸びてきても綺麗に収まるように、ミリ単位でカットラインを調整します。
- 技術2:後頭部の「ウェイト」コントロール髪の重みが溜まるポイント(ウェイト)を、どの高さに設定するか。これがシルエット全体のバランスを決定づけます。あなたの骨格を最も美しく見せるウェイトの位置を見つけ出し、理想の形を創り上げます。
- 技術3:絶壁を解消する「レイヤー」技術後頭部に、計算された段差(レイヤー)を入れることで、髪が自然に重なり合い、ふんわりとしたボリュームが生まれます。これにより、平坦に見えがちな頭も、外国人のような立体的な丸みを帯びたフォルムに見せることが可能です。
サロンで失敗しない!後ろ髪のオーダー方法
理想の後ろ姿を手に入れるための、オーダーのコツです。
- ポイント1:「後ろ髪(襟足)はどうしますか?」と聞かれた時に備えるカウンセリング時、スタイリストは必ずこの質問をします。「スッキリ刈り上げてください」「自然な感じで短く」「長めに残して動きを出したい」など、あらかじめ希望のイメージを持っておくと、スムーズに伝えることができます。
- ポイント2:写真を見せて「こんな後ろ姿に」と伝えるこれが最も確実です。SNSなどで見つけた理想の後ろ姿の写真を見せ、「この襟足の感じが好きです」「この後頭部の丸みが欲しいです」と、ビジュアルで共有しましょう。
- ポイント3:自分の悩みを正直に話す「絶壁で、ぺたっとして見えるのがコンプレックスなんです」「襟足が浮きやすくて困っています」など、自分ではどうにもできない悩みを伝えることで、それを解決するための最適なカット技法を提案してもらえます。
- ポイント4:【重要】カット後に必ず後ろ姿を確認する施術が終わったら、遠慮なく「後ろ姿を鏡で見せてもらえますか?」とリクエストしましょう。合わせ鏡や、ご自身のスマートフォンで写真を撮ってもらうのがおすすめです。その場で「もう少しここを詰めてほしい」といった微調整をお願いすることが、最高の満足度に繋がります。
後ろ髪のスタイリング、どうしてる?
自分では見えない部分の、簡単なスタイリングのコツです。
- ドライヤーのかけ方: 後頭部の根元に、下から温風を当て、手でくしゃっと持ち上げるように乾かすと、ふんわりとしたボリュームをキープしやすくなります。
- ワックスの付け方: 鏡で見える正面やトップだけでなく、後頭部にも忘れずにワックスを馴染ませましょう。両手にワックスを薄く伸ばし、後頭部を下から上に持ち上げるように、わしゃわしゃと大胆につけるのがコツです。
まとめ
本物のお洒落や、揺るぎない清潔感は、自分では見えない**「後ろ髪」**にこそ宿ります。
そして、あなたの骨格や生えグセを完璧に計算し、360度どこから見ても美しく、格好良いシルエットを創り出すこと。それは、セルフカットでは決して真似のできない、プロの理容師・美容師にしかできない、芸術的な技術なのです。
私たちは、あなたの正面の顔だけでなく、見えない後ろ姿まで完璧にデザインします。
本物のお洒落は、細部に宿る。最高のバックスタイルを、ぜひ私たちにお任せください。