【メンズ短髪】テーパーとフェードの違いとは?プロが教える頼み方とスタイル集
「男の短髪は、サイドとバックの刈り上げで決まる」
そんな言葉があるように、刈り上げのデザインは、ヘアスタイル全体の印象を決定づける、最も重要な要素です。その中でも、特に洗練された技術として知られるのが「テーパー」と「フェード」。
一見すると似ているこの2つのスタイルですが、その違いを正確に説明できる方は、意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、今さら聞けない「テーパー」と「フェード」の決定的な違いから、あなたに似合うスタイルの選び方、そして失敗しないオーダー方法まで、その全てをプロの視点から徹底的に解説します。
まずは基本から。「テーパー」と「フェード」の決定的な違い
この2つのスタイルを区別するポイントは、非常にシンプルです。それは**「刈り上げの一番下の部分が、地肌(スキン)から始まっているかどうか」**です。
テーパー(Taper)
髪の長さを、ハサミやバリカンを使って徐々に短くしていく技術全般を指します。一番短い部分でも、地肌が見えるほどの短さにはせず、あくまで自然な毛量を残すのが特徴です。
- 特徴: 地肌は見せない、自然で滑らかな繋がり
- 印象: 上品、ナチュラル、柔らかい
- キーワード: #自然なグラデーション #ビジネスOK #きれいめ
フェード(Fade)
髪の長さを、地肌が見える最短(0mm)の状態から、上に向かって徐々に長く、濃くしていく技術。「Fade = 色が薄れていく」という言葉の通り、肌色から髪の色へと移り変わる、色の濃淡(グラデーション)をはっきりと出すのが特徴です。
- 特徴: 地肌が見える、色の濃淡が明確
- 印象: シャープ、クリーン、男らしい
- キーワード: #スキンフェード #バーバースタイル #海外風
簡単に言えば、**刈り上げの最短部分が0mmから始まるのが「フェード」、そうでないのが「テーパー」**と覚えるのが一番分かりやすいでしょう。
あなたはどっち派?シーンと印象で選ぶテーパー/フェード
どちらのスタイルが優れている、ということではありません。あなたの好みやライフスタイルに合わせて選びましょう。
- 「テーパー」がおすすめな人
- 本格的な刈り上げに初めて挑戦する人
- 校則や職場の規定が厳しい人
- あまりハードすぎない、ナチュラルで上品なスタイルを好む人
- 「フェード」がおすすめな人
- 海外のサッカー選手やセレブのような、本格的なバーバースタイルが好きな人
- 圧倒的な清潔感と、シャープで力強い印象を求める人
- 自分だけの個性を、ヘアスタイルで表現したい人
【スタイル集】テーパー/フェードを活かした最旬短髪デザイン
それぞれの技術を活かした、人気のスタイルをご紹介します。
テーパースタイル
- ① ナチュラルテーパー × ビジネスショート: 誠実さが求められるビジネスシーンに最適な、上品でクリーンなスタイル。
- ② テーパー × センターパート: トレンドのセンターパートと組み合わせることで、優しく知的な印象に。
フェードスタイル
- ③ スキンフェード × クロップスタイル: トップを短く切り揃えた、ヨーロッパで人気のモダンなバーバースタイル。
- ④ ローフェード × パーマスタイル: 低めのフェードと、トップの柔らかなパーマの質感が、大人の色気を醸し出します。
なぜ「究極の刈り上げ」は理容室(バーバー)でしか創れないのか?
「テーパー」も「フェード」も、その仕上がりの美しさは、施術者の技術と道具に完全に依存します。そして、その最高のパフォーマンスを発揮できる場所こそが、プロの理容師がいる「理容室」なのです。
- ① ミリ以下の世界を操る「道具(ツール)」の違い地肌から始まる滑らかなフェードを創り出すには、美容室にある一般的なバリカンだけでは不可能です。0mm以下の剃り込みに対応できる専用のシェーバーや精密トリマー、そして最終仕上げに使うカミソリ。これらは、理容室だからこそ揃っている、プロフェッショナルのための道具です。
- ② ごまかしの効かない「グラデーション技術」テーパーの自然な繋がりも、フェードの色の濃淡も、全てはミリ単位で刈り高を調整する、施術者の経験と技術にかかっています。特に、お客様一人ひとりの頭の凹凸に合わせて、グラデーションを均一に、そして美しく創り上げる技術は、まさに職人技です。
- ③ 法律で許された「カミソリ」による、完璧な仕上げ襟足やもみあげの産毛を処理し、シャープなラインを創り出す「ラインアップ」。お客様の肌に直接カミソリの刃を当てるこの行為は、法律で国家資格である「理容師免許」を持つ者にしか許されていません。このプロによる仕上げが、スタイルの完成度を天と地ほどの差に分けるのです。
- ④ 文化への深い理解と敬意テーパーやフェードは、単なるカット技法ではなく、世界中のバーバーが長年にわたって受け継いできた、誇り高き「文化」です。その背景を理解し、敬意を払う理容師だからこそ、見た目だけを真似たものではない、「本物」のスタイルを提供できるのです。
まとめ
メンズ短髪を、次のレベルへと引き上げる洗練された技術、「テーパー」と「フェード」。
その違いは、刈り上げの一番下の部分が地肌(スキン)から始まるか否かにあります。ナチュラルで上品な「テーパー」、シャープで男らしい「フェード」。あなたのなりたいイメージに合わせて、選んでみてください。
しかし、どちらを選ぶにしても、その美しいグラデーションとシャープなラインは、専門的な道具と、カミソリを扱うことを国から許された資格、そして長年の経験を持つプロの理容師にしか創り出すことのできない「芸術作品」です。
本物のスタイルを手に入れ、新しい自分に出会うために。ぜひ一度、お近くの理容室(バーバー)の扉を叩いてみてはいかがでしょうか。