【メンズ短髪】ワックスで創る束感セット術|選び方から付け方までプロが解説
「ワックスを使っているのに、なぜか理想の“束感”が作れない…」
「サロン帰りのような、立体的でおしゃれな髪型を自分で再現したい!」
メンズヘアスタイリングの基本であり、永遠のテーマでもある「束感」。ワックスを使えば簡単に作れそうに見えて、実はベタッとした“塊”になってしまったり、すぐにペタッと潰れてしまったりと、多くの男性がその難しさに直面しています。
その原因は、ワックスの**“選び方”と“付け方”**にあるかもしれません。この記事では、ワックスを完全にマスターし、自在に束感を操るための、プロのテクニックを徹底的に解説します。
束感作りの“相棒”選び|あなたに最適なワックスはどれ?
まず、あなたの髪質と、なりたいイメージに合った「相棒」となるワックスを選びましょう。
質感で選ぶ
束感セットにおいて、最もおすすめなのは**「マットタイプ」または「クレイタイプ」**のワックスです。
- マット/クレイワックス: ツヤがなくドライな質感が特徴。セット力が高く、ベタつきにくいため、髪が重さで潰れることなく、ふんわりとしたボリュームとシャープな束感を両立できます。
- ファイバーワックス: 繊維が入っており、伸びが良いのが特徴。動きと束感をバランス良く表現できます。
- クリームワックス: なめらかな質感で、自然なまとまりと毛流れを作りたい場合に。強い束感よりも、ナチュラルな仕上がりを好む方向けです。
髪質で選ぶ
- 剛毛・多毛の方: 髪の力に負けない、セット力の高いハードワックスやクレイワックスを選び、しっかりとホールドしましょう。
- 軟毛・細毛の方: 油分が少なく軽いマットワックスが最適です。重さでペタッとなるのを防ぎ、根元からふんわりと立ち上げることができます。
プロはこう付けている!ワックスを使った束感セットの全手順
選び方がわかったら、いよいよ実践です。プロが実践する、束感セットの完全なプロセスをご紹介します。
Step0:準備【ドライヤー】
全ての土台。ドライヤーで根元をふんわりと立ち上げ、全体のシルエットを8割方完成させておきます。このベース作りを怠ると、ワックスの効果は半減します。
Step1:練る【ワックスの伸ばし方】
- 量: まずは「10円玉大」を目安に手に取ります。
- 伸ばし方: ワックスが**“透明になるまで”**、手のひら、そして指の間まで、体温で溶かすようにしっかりと練り込みながら伸ばします。これがムラを防ぐ最大のポイントです。
Step2:散らす【全体への馴染ませ方】
- 根元から: 髪の表面ではなく、髪の内側に手を入れて、シャンプーをするように、根元を中心にワックスを「散らし」ます。後頭部や見えない部分にも、忘れずにしっかりと馴染ませましょう。
Step3:創る【束をつまむ】
- 振り下ろす: 全体にワックスが馴染んだら、一度髪を全て前に振り下ろし、根元から髪を立ち上げて無造作な状態を作ります。
- つまむ&ねじる: ここがクライマックス。指先に残ったワックスを使い、鏡を見ながら、毛束を少しずつつまみ、軽くねじって束の輪郭をはっきりとさせていきます。
Step4:整える【シルエット調整】
- 散らす: 作った束を指で軽く「散らし」、束と束の間に隙間を作るようにして、立体感と動きを出します。全体のバランスを見て、理想のひし形シルエットに整えましょう。
Step5:固める【スプレー】
- キープ: 仕上げにハードスプレーを髪から少し離して全体に吹きかけ、作った束感を一日中、湿気や風から守ります。
なぜワックスをつけても「束感」が出ないのか?本当の理由
「完璧なワックスを、完璧な手順で使っているはずなのに、なぜかサロンのようにならない…」
もしあなたがそう感じているなら、その答えは、ワックスの性能以前の、**あなたの髪が「束感が出るようにカットされていない」**からかもしれません。
プロが創る「束感カット」には、素人目には見えない“仕込み”があります。
- 質感調整(テクスチャーカット): プロの理容師は、ハサミの入れ方一つで、毛先に方向性を与えたり、髪が自然とまとまって束になりやすいように「道」を作っています。
- 毛量調整(セニング): ただ髪をすくのではありません。束の内側を軽くして動きを出しやすくし、外側は適度な重さを残してまとまりを出すなど、立体感を計算して毛量を調整しているのです。
つまり、美しい束感は、ワックスで作るのではなく、カットの段階で“デザイン”されているのです。
ワックスの能力を120%引き出すなら「理容室」一択である理由
最高のワックスも、最高のカットという“土台”がなければ、その性能を100%発揮することはできません。あなたのスタイリングを次のレベルへと引き上げるために、プロの理容師がいる理容室を選ぶべき理由があります。
- ① 最高の“キャンバス”を創るカット技術あなたの髪質や骨格に合わせて、ワックスが最も活きる、そして束感が最も美しく見える「キャンバス=ヘアスタイル」を、プロのカット技術で創り出します。
- ② あなたに最適な“画材”を選ぶ診断力無数にあるワックスの中から、あなたの髪質と目指すスタイルに最適な「画材=ワックス」を、プロの目で的確に選び抜いてくれます。
- ③ 最高の“描き方”を教えるパーソナルレッスンカットの最後に、選んだワックスを使い、あなたの髪で、束感の作り方をマンツーマンで実演指導してくれます。これは、どんな動画よりも分かりやすく、効果的なレッスンです。
- ④ トータルで高まる完成度エッジの効いた束感スタイルは、シャープに整えられた眉や、清潔感のある肌があってこそ、その魅力が最大限に引き立ちます。シェービングまで含めたトータルケアで、スタイルの完成度を極限まで高めることができます。
まとめ
メンズ短髪の束感づくりは、ワックスの選び方と付け方をマスターすれば、誰でも格段に上手くなります。ぜひ、この記事で紹介した手順を試してみてください。
しかし、忘れてはならないのは、最高のワックスも、その能力を最大限に引き出す**「束感が出やすいカット」という土台**がなければ意味がないということです。
あなたの髪を最高のキャンバスに変え、最適な画材とその使い方まで教えてくれるプロの理容師に相談すること。それが、理想のスタイルを手に入れるための、最も確実で、賢い選択と言えるでしょう。