【メンズ短髪】束感の作り方を徹底解説|ワックス選びからセットのコツまで
「サロン帰りのような、あの立体的な“束感”を、自分でも再現したい」
「ワックスをつけても、なぜかベタッとした“塊”になってしまう…」
メンズのヘアスタイリングにおいて、「束感」は髪に動きと立体感を与え、一気におしゃれな印象にしてくれる魔法のテクニックです。しかし、この束感づくりにこそ、多くの男性が苦戦し、悩んでいます。
ご安心ください。束感セットは、決して難しいものではありません。いくつかの簡単なコツと、正しい手順を知るだけで、誰でも、そして今日から、プロのような立体感のあるスタイルをマスターできます。この記事では、その完全マニュアルを徹底的に解説します。
なぜ「束感」があるだけで、一気におしゃれに見えるのか?
のっぺりとした髪型と、束感のある髪型。その印象の差は歴然です。なぜ束感があるだけで、これほど魅力的に見えるのでしょうか。
- 立体感と動きが生まれる髪と髪の間に影と光が生まれることで、ヘアスタイルに立体的な奥行きが生まれます。風に揺れるような、生命感のある動きも表現できます。
- 軽やかさと清潔感を演出髪に適度な隙間ができることで、重たい印象が払拭され、軽やかで爽やかな印象に。作り込んでいるのに、どこかクリーンな雰囲気を保てます。
- 計算された“無造作感”きっちりと固められたスタイルとは違う、自然でおしゃれな「こなれ感」。この計算された無造作感こそが、現代のメンズヘアに求められる重要な要素です。
あなたのセットはなぜ“塊”になる?束感づくりのNG行動
綺麗な束感を作れない原因は、ほとんどの場合、無意識にやってしまっているNG行動にあります。まずは、自分のセット方法を振り返ってみましょう。
- NG①:ワックスの量が多すぎる、または少なすぎる。
- NG②:ワックスが手のひらで均一に伸びていない(白いまま)。
- NG③:髪の表面だけをなでるように付けている。
- NG④:ドライヤーでのベース作りをサボり、寝癖のまま始めている。
プロが教える「綺麗な束感」を作るための黄金4ステップ
それでは、いよいよプロが実践する、綺麗な束感を作るための正しい手順をご紹介します。
Step1:ベースを制する【ドライヤー】
全てのスタイリングは、ドライヤーでの土台作りから始まります。
まず髪を根元からしっかり濡らしてリセットした後、トップの根元を立ち上げるように、全体をふんわりと乾かします。この段階で、ヘアスタイル全体のシルエットを8割方完成させる意識が重要です。
Step2:ワックスを制する【馴染ませ方】
束感づくりには、セット力が高く、ドライな質感のハード系ワックスやマット系ワックスが最適です。
- 10円玉大のワックスを手に取ります。
- ワックスが透明になるまで、手のひら、指の間にしっかりと伸ばします。
- 髪の表面ではなく、髪の内側から、根元を中心に、空気を入れ込むようにワシャワシャと全体に馴染ませます。
Step3:束を創造する【指の動き】
ここが束感づくりのクライマックス。指先の感覚が重要になります。
- 「振り下ろす」: 全体にワックスが馴染んだら、一度セットする方向と逆に髪を全て振り下ろし、根本から髪を立ち上げ、無造作な状態を作ります。
- 「つまむ&ねじる」: 指先に残ったワックスを使い、鏡を見ながら、毛束を少しずつつまみ、軽くねじって束の輪郭をはっきりとさせていきます。
- 「散らす」: 全体のバランスを見ながら、作った束を指で軽く散らし、束と束の間に隙間を作るようにして、立体感と動きを出します。
Step4:記憶させる【スプレー】
作った束感を一日中キープするために、最後にハードスプレーを髪から少し離して全体に吹きかけ、スタイルを固定します。
「ワックスだけでは作れない…」束感の9割は“カット”で決まる
「このテクニックを忠実に真似しても、なぜかプロのように綺麗な束ができない…」
もし、あなたがそう感じているとしたら、その答えは、ワックスの種類やあなたの技術ではなく、全ての土台である「カット」そのものにあります。
プロが創る「束感が出やすいカット」には、秘密があります。
- 質感調整(テクスチャーカット): 理容師は、ハサミの入れ方一つで、毛先に方向性を与えたり、髪が自然と束になりやすいように「道」を作ったりしています。
- 毛量調整(セニング): ただ髪の量を減らす(すく)のではありません。束の内側を軽くして動きを出しやすくし、外側は適度な重さを残してまとまりを出すなど、立体感を計算して毛量を調整しているのです。
つまり、**美しい束感は、ワックスで作るのではなく、カットの段階で“仕込まれている”**のです。
なぜ「最高の束感ヘア」はプロの理容師にしか創れないのか?
自分で簡単に、そして思い通りに束感をスタイリングできる髪。それは、メンズヘアのプロである理容師だからこそ創り出せる、技術の結晶です。
- ① 髪で“彫刻”を創るデザイン力プロの理容師にとって、束感づくりは、髪という素材で彫刻を創るようなもの。あなたの髪質と骨格という素材を最大限に活かし、最高の立体作品をデザインします。
- ② 「パーマ」という時短の魔法頑固な直毛で、どうしても束感が作れない。そんな悩みに対し、プロは「ニュアンスパーマ」や「ツイストスパイラルパーマ」といった、動きのベースを作るための最適なパーマを提案できます。これは、髪質を正確に診断できるからこその最善策です。
- ③ あなた専用のスタイリングレッスンカットの最後に、あなたの目の前で、あなたの髪を使い、束感の作り方をマンツーマンで指導してくれます。明日からすぐに、そして自信を持って自分で再現できるようになる、最高の個人レッスンです。
- ④ トータルでの完成度束感のあるエッジの効いたヘアスタイルと、シェービングで整えられたシャープなフェイスライン。理容室なら、髪型だけでなく、トータルで洗練された印象を創り出すことができます。
まとめ
メンズ短髪の「束感」は、正しい手順とワックスの使い方をマスターすれば、誰でも作れるようになります。「ドライヤーでベースを作り、ワックスは根元からつけ、指先で束を創造する」。この基本をぜひ実践してみてください。
しかし、その仕上がりのクオリティと、日々のスタイリングのしやすさを決定づけるのは、ワックスではなく、その土台となる「カット」の技術です。
あなたの髪に「束感の仕込み」をしてくれるプロの理容師に相談することが、理想のスタイルを手に入れるための、最も確実で賢い選択と言えるでしょう。