【メンズ短髪】コーム一本で、仕上がりはプロ級に。正しい使い方とスタイル術
毎朝のヘアセット、ワックスを手ぐしでラフに馴染ませて、それで完成だと思っていませんか?もちろん、それも一つのスタイルです。
しかし、お洒落な男性や、デキるビジネスマンの、なぜかビシッと決まって見える髪型の秘密。それが、仕上げに使う**「コーム(くし)」**という、たった一本の道具にあるとしたら──。
その計算された一手間が、あなたの髪型を「何となくのスタイル」から「完璧なデザイン」へと、劇的に引き上げてくれます。
「短髪に、コームなんて必要なの?」
「どうやって使えば、お洒落に見えるんだろう?」
この記事では、そんなあなたのための「コーム・スタイリング完全ガイド」として、あなたの短髪スタイルを格上げする、コームの選び方からプロが実践する使い方まで、その全てを徹底的に解説します。
なぜ、プロは必ず「コーム」を使うのか?
私たちプロが、仕上げに必ずコームを使うのには、明確な理由があります。それは、手ぐしだけでは決して作ることのできない、圧倒的な「仕上がりの差」が生まれるからです。
- 1. 均一で、淀みのない「毛流れ」を作れる手ぐしでは、どうしても指の太さによるムラができてしまいます。コームを使うことで、髪の一本一本を同じ方向へと淀みなく流すことができ、まるで川の流れのような、美しく整った毛流れを生み出すことができます。
- 2. 完璧な「分け目(パートライン)」を作れる七三分けやセンターパートといった、分け目が重要なスタイルにおいて、コームは不可欠です。分け目を、まるで定規で引いたかのように、ビシッと美しい直線で作ることができるのは、コームならではの機能です。
- 3. スタイリング剤を「根元まで」均一に行き渡らせるスタイリング剤をつけた後にコームでとかすことで、剤が髪の一本一本に均一に馴染みます。これにより、セットの持ちが格段に良くなり、時間が経ってもスタイルが崩れにくくなります。
- 4. 圧倒的な「清潔感」と「品格」を演出丁寧に、きっちりととかされた髪は、それだけで手入れが行き届いているという印象を与えます。その細部へのこだわりが、その人の持つ「清潔感」と、大人の「品格」を演出するのです。
あなたのスタイルを創る!メンズ用コームの種類と選び方
まずは、あなたの相棒となるコームを選びましょう。
- メッシュコーム(スタイリングコーム)歯の間隔が粗く、ざっくりとした大きな毛束感を作るのに適しています。パーマスタイルや、ラフな束感を活かしたカジュアルなスタイルを作るのにおすすめです。
- バーバーコーム(カッティングコーム)理容室(バーバー)で使われる、片側が粗く、片側が細かい、薄手のコーム。タイトでクラシカルなスタイルを作るのに最適で、七三分け、オールバック、フェードスタイルとの相性は抜群です。
- テールコーム細長い柄(テール)が付いているのが特徴。このテール部分を使うことで、分け目を非常に正確に、そしてシャープに取ることができます。細かい作業に最適な、一本あると便利なコームです。
【プロの技を自宅で】コームを使った短髪セットの全手順
いつものスタイリングに、この一手間を加えるだけで、仕上がりが見違えます。
- STEP1:ベース作りとスタイリング剤の塗布まずは、いつも通り、髪を濡らしてドライヤーで全体のシルエットと毛流れの方向を作ります。その後、ジェル、グリース、ポマードといった、コームとの相性が良いウェット系のスタイリング剤を、髪全体に均一に馴染ませます。
- STEP2:コームの「粗い歯」で、全体の毛流れを作るスタイリング剤が馴染んだら、まずはコームの粗い方の歯を使います。前から後ろへ、あるいは分け目からサイドへと、あなたが作りたい大きな毛流れの方向に、髪の根元から優しくとかし、全体の形を整えます。
- STEP3:コームの「細かい歯」で、表面を整える次に、コームの細かい方の歯を使い、髪の表面だけを、力を入れずに優しく撫でるようにとかします。この工程で、髪の面がビシッと綺麗に整い、光を反射する美しいツヤが生まれます。
- STEP4:分け目をビシッと決める(必要な場合)七三分けなどのスタイルで、分け目をよりシャープに見せたい場合は、テールコームの柄や、バーバーコームの端の一本目の歯を使い、分けたい部分の地肌を、スーッと軽くなぞるようにして、綺麗なラインを作りましょう。
コームが主役になる!おすすめの短髪スタイル
- クラシックな七三分け / サイドパート綺麗な分け目と、流れるような美しい毛面を作るのに、コームは不可欠なパートナーです。
- タイトなオールバック / スリックバック全ての髪を淀みなく、そして均一に後ろへと流す、美しい毛流れを作るのに必須のアイテムです。
- フェードスタイル刈り上げた部分と、トップの長い髪との境界線を、コームでビシッと分けることで、スタイルがより際立ち、デザイン性が高まります。
「コームでセットしやすい髪型に」を叶えるオーダー術
サロンでは、こうオーダーしてみましょう。
- 「普段、コームを使ってビシッとセットします」と伝えるこの一言で、スタイリストは、あなたが綺麗な毛流れを重視していることを理解します。そして、分け目がつきやすいように、あるいは、髪が流れやすいように、カットの段階で工夫を凝らしてくれます。
- 「アイロンパーマ」という選択肢を相談する硬い直毛で、どうしても髪が言うことを聞かず、流れにくい、という悩みがある場合。「コームで流しやすくなるような、アイロンパーマはかけられますか?」と相談してみてください。熱の力で毛流れを記憶させるため、毎日のセットが劇的に楽になります。
まとめ
毎日の短髪のヘアセットにおける、「コーム」という、たった一本の道具。その一手間を加えるだけで、あなたのスタイルの「清潔感」、「品格」、そして「完成度」は、劇的に向上します。
そして、そのコームの効果を最大限に発揮させるためには、毛流れが綺麗に出るように、そして分け目が自然につくように、あなたの髪質と生えグセを計算し尽くした、プロのカット技術が、その土台として絶対に不可欠なのです。
その一手間が、あなたを一流の男にする。
私たちは、あなたのこだわりに、最高の技術で応えます。ぜひ一度、本物のプロの仕事を体験しに来てください。