【プロが解説】スキンフェードとツーブロックの“違い”。もうオーダーで失敗しないための全知識
メンズヘアスタイルの定番として広く浸透している「ツーブロック」。そして、現代のトレンドを牽引する「スキンフェード」。サイドを短く刈り上げるこの二つのスタイルを、あなたは「同じようなもの」だと思っていませんか?
「サイドを刈り上げるのは同じでしょ?」
「スキンフェードは、ツーブロックの一種なの?」
実は、この二つは似て非なるものであり、その決定的な違いを理解することこそが、あなたのヘアスタイルを凡庸なものから、洗練されたものへと格上げする鍵なのです。
この記事を読めば、その違いが明確になり、もうサロンでのオーダーで迷うことはありません。
結論:その違いは「構造の名前」と「技術の名前」にある
まず、読者の皆様が最も知りたいであろう結論からお伝えします。二つの言葉は、指し示すものが根本的に異なります。
- ツーブロックとは → スタイルの「構造」の名前です。髪の長さに明確な差がある2つのブロックで構成される髪型の総称。一般的には、サイドやバックを短く刈り上げ、その上に長い髪を「被せる」ことで、**はっきりとした段差(ディスコネクション)**を作るスタイルのことを指します。
- スキンフェードとは → 刈り上げの「技術」の名前です。サイドやバックを、0mmの地肌からトップに向かって、**滑らかで美しい色の濃淡(グラデーション)**で刈り上げる技術そのものを指します。
分かりやすく例えるなら、**「ツーブロックという“家の設計図”の中に、スキンフェードという“最高品質の壁の塗り方(技術)”がある」**というイメージです。つまり、スキンフェードは、ツーブロックという構造を、最も美しく、現代的に仕上げるための、一つの選択肢(しかも最上級の)なのです。
【見た目の違い】仕上がりは、ここまで違う
言葉の定義だけでは、まだピンとこないかもしれません。実際の仕上がりには、以下のような明確な見た目の違いが生まれます。
- 従来のツーブロックの刈り上げバリカンに3mmや6mmといったアタッチメントをつけて、ある一定の長さで刈るため、色が均一で、のっぺりとした印象になりがちです。また、数週間経って髪が伸びてくると、刈り上げた部分の毛穴が黒い点々として目立ち、“青く”見える原因となります。
- スキンフェードの刈り上げ0mmの肌色から、徐々に色が濃くなっていく美しいグラデーションが最大の特徴です。この濃淡が、スタイルに立体感とデザイン性を与えます。また、0mmから伸びてくるため、色の変化が滑らかで、汚く見えにくいという大きなメリットがあります。
なぜ、ただのツーブロックよりスキンフェードが選ばれるのか?
ではなぜ今、多くの男性が、刈り上げ部分にスキンフェードの技術を取り入れるのでしょうか。
- メリット①:圧倒的に「長持ち」し、清潔感が続く従来のツーブロックの最大の弱点である「伸びてきた時の不潔な印象」を、スキンフェードは解消します。綺麗な状態が圧倒的に長持ちするため、メンテナンスの頻度が同じでも、満足度が全く違います。
- メリット②:サイドの膨らみを、より完璧に抑える髪が多い、硬い、ハチが張っているといった悩みを、0mmまで刈り上げることで物理的に解消。よりタイトで、スマートなシルエットを実現します。
- メリット③:洗練された「デザイン性」刈り上げ部分自体がお洒落なデザインとして機能するため、髪を耳にかけた時や、結んだ時にチラリと見えるフェードが、スタイル全体の完成度を格段に引き上げます。
オーダーする際の頼み方の違い
この違いを理解すれば、サロンでのオーダーもスムーズになります。
- 「ツーブロックにしてください」と頼んだ場合多くの場合、理容師は「何mmで刈り上げますか?」と尋ねます。これは、グラデーションのない、従来の均一な長さの刈り上げを想定している可能性が高いです。
- 理想のスタイルを手に入れるための頼み方もしあなたが、美しいグラデーションを持つ、洗練されたスタイルを望むなら、「ツーブロックで、刈り上げ部分はスキンフェードでお願いします」と伝えるのが、最も正確で、間違いのないオーダー方法です。もちろん、理想のスタイルの写真を見せるのが、最も確実なのは言うまでもありません。
まとめ:その“違い”を知ることが、理想のスタイルへの第一歩
スキンフェードとツーブロック。その違いは、「技術」と「構造」という、言葉の定義の違いにありました。そして、スキンフェードは、あなたのツーブロックを、より長持ちで、よりスタイリッシュな「進化系スタイル」へとアップデートするための、最高の技術です。
もう、言葉の違いで悩む必要はありません。あなたの“なりたい”を、私たちプロに聞かせてください。最高の技術で、あなただけの理想のスタイルを創り上げます。