メンズショートの「短め」スタイル|失敗しない髪型の頼み方と長さの目安
髪が伸びてきて、気分を一新したい時。多くの男性が、心の中で、あるいは理容室の椅子の上で、こう思います。「よし、短めに切ろう」と。この「短め」という言葉は、非常に便利で使いやすい反面、実は人によって捉え方が全く違う、とても曖昧な言葉でもあります。「短めで、とお願いしただけなのに、想像以上に短くなってしまった…」そんな、少しほろ苦い経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。この記事では、そんな「短め」というオーダーで失敗しないための、具体的な髪型の種類と、プロへ上手にニュアンスを伝えるための頼み方のコツを詳しく解説します。
「短め」で伝えるのは危険?オーダーが難しい理由
なぜ、「短めにしてください」という一言だけでは、理想の髪型にならないことがあるのでしょうか。
人によって「基準」が違う
あなたにとっての「短め」と、理容師が受け取る「短め」のイメージが、同じとは限りません。
- 認識のズレ
例えば、あなたが今のミディアムヘアから「短めに」と考えているのか、それとも一般的なショートヘアを基準に、それより「短めに」と考えているのかで、仕上がりの長さは数センチ単位で変わってきます。
どの部分を「短め」にしたいか
「短め」にしたいのは、髪全体ですか?それとも、どこか特定のパーツですか?
- 部分と全体
「全体的に今の形を維持したまま短め」にしたいのか、「トップの長さは残しつつ、サイドと襟足だけを短めにしてすっきりさせたい」のか。この意図が伝わらないと、思いもよらないスタイルになってしまう可能性があります。
【カタログ】好印象を与える「短め」のメンズショートスタイル
「これくらいの短さが理想だな」というイメージを見つけるために、まずは代表的な「短め」のスタイルを見ていきましょう。
ナチュラルショート
刈り上げずに、ハサミで自然に仕上げた、品の良いスタイルです。
- 特徴
耳周りや襟足を、バリカンを使わずにハサミで柔らかく、そしてすっきりと短くしたスタイルです。最もベーシックで、誰にでも似合いやすい「品のいい短め」と言えるでしょう。
ツーブロックショート
デザイン性とすっきり感を両立した、人気のスタイルです。
- 特徴
サイドや襟足を刈り上げることで、清潔感を出しつつ、トップの髪に長さを残すことで、「短すぎる」という印象を避けることができます。メリハリの効いた、おしゃれな「短め」スタイルです。
ソフト刈り上げショート
やりすぎ感のない、誠実な印象を与えるスタイルです。
- 特徴
襟足からサイドにかけて、9mmや12mmといった少し長めのバリカンで、文字通りソフトに刈り上げたスタイルです。自然なグラデーションが生まれ、爽やかでありながら落ち着いた雰囲気を演出します。
アップバングショート
快活で、ビジネスシーンにも最適なスタイルです。
- 特徴
全体的にすっきりと短めに整えつつ、前髪だけは上げてセットできる長さを残したデザインです。おでこが見えることで、表情が明るく、自信に満ちた印象になります。
「短め」というニュアンスを、プロに正確に伝える方法
あなたの頭の中にある、その絶妙な「短め」というニュアンスを、プロに正確に伝えるための簡単なテクニックをご紹介します。
「今の髪型をベースに」という魔法の言葉
大きなイメージチェンジを望んでいない場合に、最も失敗しにくいオーダー方法です。
- 失敗しないオーダー
「今の髪型のシルエットは気に入っているので、この形のまま、全体的に2cmくらい短くしてください」というように伝えましょう。「今の形をベースに」という一言が、イメージの大きなズレを防いでくれます。
気になる「部分」を指し示す
言葉で説明するよりも、視覚的に伝えるのが効果的です。
- 具体的な指示
鏡の前で、「特にこの耳周りが重たく感じるので、ここをすっきりさせてください」「襟足が伸びて、シャツの襟にかかるのが気になります」というように、具体的に気になる部分を指差しながら伝えましょう。
「長さ」の基準を提示する
具体的な基準を示すことで、イメージはより正確に共有されます。
- 顔のパーツや指で
「前髪は、眉毛にかからないくらいの長さで」「トップは、ワックスをつけた時に指でつまんで立てられるくらい」など、顔のパーツやジェスチャーを交えて伝えると、理容師もイメージを掴みやすくなります。
プロの「似合わせ」に委ねる
究極的には、プロの提案力を信じるのが最高の頼み方です。
- 最高の頼み方
「全体的に短めにして、清潔感が出るようにしたいのですが、自分に似合う感じでお願いします」と、なりたい雰囲気と悩みを伝えた上で、プロに判断を委ねてみましょう。経験豊富なプロの理容師は、あなたの骨格や髪質を瞬時に見抜き、あなたにとっての最高の「短め」を知っています。
まとめ
「短め」という一見シンプルなオーダーで失敗しないためには、「今の髪型をベースに」「どの部分を」「どのくらいの長さで」といった、具体的な情報を少しだけ付け加えることが重要です。清潔感のある、程よい「短め」のショートスタイルは、ビジネスからプライベートまで、男性の魅力を最大限に引き立ててくれる最高の髪型です。そして、その絶妙な「短め」という繊細なニュアンスを正確に汲み取り、あなたの骨格や髪質に合わせて最高の形に仕上げることこそ、プロの理容師が持つ技術の真髄です。ぜひ一度、あなたの「なりたいイメージ」を、経験豊富な理容師に相談してみてはいかがでしょうか。