細くて多い髪質のメンズヘア。広がりを抑え、魅力を引き出す方法
「髪の一本一本は細くて柔らかいのに、全体の量が多くて、どうしても髪が広がってしまう」そんな、まるで相反するような、複雑な髪質のお悩みをお持ちではないでしょうか。根元はぺたんとしやすいのに、中間から毛先にかけては大きく膨らんでしまうため、髪型がうまく決まらず、スタイリングに苦労されている方も少なくないかと存じます。しかし、その独特な髪質こそ、正しい知識と専門的な技術で向き合うことで、他の人にはない、あなただけの洗練されたスタイルへと変わります。
「細くて多い髪」が持つ、特有の悩みとその原因
まず、ご自身の髪質がなぜ扱いにくいと感じるのか、その原因を理解することが大切です。髪の「細さ」は、髪一本一本にハリやコシが不足し、根元が立ち上がりにくいという特徴に繋がります。一方で、髪の「多さ」は、髪の密度が高いため、特に湿気を含むと、髪同士が反発し合って大きく膨らみ、広がりやすくなるという特徴に繋がります。この二つの特徴が組み合わさることで、根元はボリュームを失い、毛先はまとまりを失うという、独特のシルエットが生まれてしまうのです。
悩みを解決する鍵は、専門家による「カット」にあり
この複雑な髪質をコントロールするために、最も重要となるのが、専門家によるカット技術です。ただやみくもに髪の量を減らそうとすると、かえって髪が軽くなりすぎて、まとまりのない、余計に広がる髪型になってしまう危険性がございます。私たち理容師は、お客様の骨格や髪の生え方を見極め、表面に必要な重さを残しつつ、髪の内側を計画的に、そして繊細に調整することで、全体のボリュームを抑えながらも、自然なまとまりと軽やかさを両立させることができます。サイドをすっきりとさせるツーブロックスタイルなども、広がりを抑える上で非常に有効な選択肢です。
広がりを抑え、ハリを与えるための日々の手入れ
日々のヘアケアにおいては、「根元はふんわりと、毛先はしっとりと」という、理想的な状態を目指すことが目標となります。そのためには、製品選びと使い方の両方に、少しの工夫が必要です。シャンプーは、髪にハリやコシを与えてくれるタイプを選び、根元を健やかに保ちましょう。そして、保湿効果の高い補修剤(トリートメント)は、根元にはつけすぎず、広がりが気になる中間から毛先を中心に使用することで、重さでトップのボリュームを失うことなく、毛先のまとまりを良くすることができます。サロンで扱っている専門的な品々は、こうした複雑なご要望に応えるために開発されています。
スタイリングで、理想のシルエットを創り出す
日々のスタイリングの際は、まずドライヤーで髪の根元をしっかりと立ち上げるように乾かすことが、最も重要な工程です。ふんわりとした土台を創った上で、まとまりを与える少し柔らかめのワックスやヘアバームなどを、中間から毛先にかけて、広がりを抑えるように優しく馴染ませてください。この手順を踏むことで、一日中、バランスの取れた美しいシルエットを保ちやすくなります。
まとめ:複雑な髪質こそ、プロの技術で輝く
「細くて多い」という髪質は、ご自身だけで扱うのは確かに難しい反面、私たち髪のプロフェッショナルにとっては、その技術と知識を最大限に発揮できる、非常に創造性を掻き立てられる素材です。これまでご自身の髪質を悩みの種だと感じていた方も、ぜひ一度、サロンで専門家にご相談ください。あなたの髪が持つ本当の可能性を、私たちが引き出し、これまでにない最高のスタイルを、共に見つけ出すお手伝いをさせていただきます。